2016年12月09日

1/144 FG 量産型ザク

 形状は新しいが、旧キット的な組み方が楽しめるFG(ファーストグレード)を、存分に塗ってみる。


●FG 1/144 MS-06F ザクII F型

 ガンプラブームがあった80年代初頭からブランクがある人にとっては、この「MS-06F ザクII」という名称は馴染みがないかもしれないが、「量産型ザク」のことである。
 このFGザク、可動は旧キット並みだが、形状に関しては何一ついじるところがないので、今回は完全に無改造、素組み。
 成型色は一色で、「量産型ザクの薄い方の緑」っぽい色だ。
 最初に全体をつや消しブラックの缶スプレーで吹いた後、「黒立ち上げ」風に筆塗りしてみる。
 画材はアクリルガッシュ。


●アクリルガッシュ 15色プレンティセット(ターナー色彩)

 ポスターカラー的なつや消しの仕上がりで、乾くと耐水性。
 割と材料を選ばず着色できる。

 たとえるなら「ザク型のキャンバスにザクの絵を描く」つもりで、濃淡をつけながら、かなり汚して仕上げていく。
 イメージとしては、砂漠地帯で何か月か実戦配備された感じ。

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 墨入れもシンプルに「マッキー極細」で(笑)



 小学生の頃、初めて墨入れに挑戦したのもこの油性ペンだった。
 塗りが荒いので、墨入れすると締まる。
 
 例によってあおり気味で撮ると、それなりに巨大感が出てくれて、いつまでも眺めてしまう。
 究極の自己満足である。

 黒立ち上げからのアクリルガッシュ筆塗り、なにかちょっと掴めた気がした。
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2016年12月08日

子供の頃に憧れたのは「筆塗り」

 多少地方差があると思うが、私が子供の頃、とくにガンプラブームがあった80年代初頭は、ビデオが各家庭に「一家に一台」と言えるほどには普及していなかった。
 TV番組は放送時、再放送時に直接見るもので、録画して後から見返す文化はまだ一般化していなかった。
(主題歌や流行歌は、TVにラジカセを接近させ、息をひそめて録音したりしていたっけ……)

 だからガンプラを塗る時、参考にする資料は「映像」ではなく全て「紙」の情報だった。
 プラモの箱絵や完成見本写真、当時の駄菓子屋で売っていたガンダムのシールブックなどが、組み立てや彩色の大切な情報源になった。
 中でも良質でカッコいい資料として重要視されたのが、メカニックデザイナー・大河原邦男や、キャラクターデザイン・原画の安彦良和の手による、ポスターや設定画だった。
 当時のポスターや設定画を見られる本は、たとえば以下のようなものがある。


●大河原邦男画集―Gundam art works

 そしてガンプラブーム当時の模型雑誌の作例も、大河原邦男や安彦良和の絵の影響が強かった。


●HOW TO BUILD GUNDAM &2復刻版

 エアブラシやエアコンプレッサーが一般に求めやすくなったのは確か90年代に入ってからで、当時の小学生にはとうてい手が届かなかった。
 雑誌の作例もまだ「筆塗り」の物が多く、今日の眼から見るとかなり「荒い」という印象になるかもしれない。

 しかし、そもそも当時のモデラーや子供たちが憧れた大河原邦男や安彦良和のカラーイラスト自体が、ポスターカラーを使用し、筆跡を活かした絵柄だったので、当時の作例は「憧れの絵」が実体化したように感じられて、たまらないほどカッコよく見えた。
 今でも私は、エアブラシで美麗に仕上げられた作品より、筆で塗りあげ、かなり汚した作品の方が好きだ。
 だからガンプラ復帰して最初の作品にあたるリアルタイプガンキャノンも、流行りには背を向けて筆塗りし、とても楽しかった。

 ただ、ブランクが長かったのでとにかく完成することを重視して、私としてはちょっと「大人しめ」の感が残る仕上がりになった。
 もっと思い切ってボコボコグチャグチャに塗ってみたいという、絵描きとしての欲が芽生えてきた。
 ガンプラの歴史も三十五年を超え、様々なタイプの模型が出ている。
 安価で形状がしっかりしていて、好みの「塗り」に専念するのにちょうど良いのが、「ファーストグレード」と言うシリーズだ。
 私が愛してやまない最初のガンダム(今では「一年戦争」と呼ばれる)登場のモビルスーツからは、以下の三種が発売されている。


●FG 1/144 RX-78-2 ガンダム
●FG 1/144 MS-06S シャア・アズナブル専用 ザク
●FG 1/144 MS-06F ザク

 定価は1/144旧キットと同じ300円、成型色は一色、パーツはモナカ割り。
 しかし形状は先行して発売された1/60パーフェクトグレードを踏襲しているので、旧キットに特殊なノスタルジーを感じられない世代でも十分納得できるだろう。
 ただ、表面処理や全塗装が必須なので、作り方は旧キット的で手間がかかる。

 ガンプラの基本中の基本と言えばザク。
 1/144FG量産型ザクを、今の私の「めいっぱい」で塗ったらどうなるか?
 試してみる気になった。
(つづく)
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2016年12月07日

旧キット 1/100 リアルタイプ ガンキャノン

 ということで、塗ってみた。
 水性アクリル塗料、筆塗り。

 通常版と「リアルタイプ」の違いは、基本的には成型色のみ。
 定価も据え置きだが、リアルタイプ版にはてんこ盛りのデカールが付属しているので、その点はお得感がある。
 水転写デカールはあまり得意ではないので、うるさくない程度に貼ってみる。

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 旧キットの通弊として、流行りの小顔でスマートなスタイルではなく、かなり上半身にボリュームがある。
 しかし「仰ぎ見る」角度から撮ると、その欠点の大半は消えてくれる。

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 筆跡を活かしてかなり「汚す」のが私の好みだ。

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 背面はいくらなんでもちょっと汚しすぎた……

 リアルタイプは箱絵が素晴らしい。
 今回は成型色の雰囲気が良かったので彩度を落とした通常版配色だが、箱絵の配色も捨てがたい。

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 定価700円、量販店だと2割引きくらいまである。
 それで存分に楽しめるのだから、旧キットのコスパは極めて高い。


●1/100 リアルタイプ RX-77 ガンキャノン

 旧キット、素組、筆塗り。
 ハマってしまった!
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2016年12月06日

「旧キット」の悦楽

 80年初頭、私が子供の頃作っていたガンプラが、35年以上経った今でも昔と同じ値段で(量販店などではむしろ安くなって)買えることを知った時は、ちょっと驚いた。
 何よりも、バンダイが昔のガンプラを生産し続けていることに感心した。
 ガンダムに登場するモビルスーツのプラモデルは、90年代以降、あらゆるものが新しい技術でリメイクされていて、「リメイクのリメイク」すら着々と進んでいる。
 そうした新しいプラモは接着剤もいらず、表面処理もいらず、無塗装でもほぼ色が再現されていて、しかも可動範囲が広いので自在にポーズがとれる。
 スタイルも良く、見栄えがする。
 買って組み立てるだけで、誰でも水準以上の「可動フィギュア」が手に入るのだ。

 それに比べて昔のガンプラはというと……
 接着剤を使って注意深く溶着しなければならない。
 接着面は丁寧に磨き上げて目立たないようにしなければならない。
 かなり細かく自分で塗り分けなくてはならない。
 可動範囲は極めて狭い。
 スタイルも今風とはかけ離れて、もっさりしている。

 こうしたリメイク前のガンプラは、近年「旧キット」と呼ばれているようだ。
 モナカの皮のように、外形だけを前後または左右の唐竹割りで造形してあることから「モナカキット」とも呼ばれる。(今のガンプラは広い可動範囲を確保するために、外形だけでなく内部にも可動軸の構造がけっこう詰まっている)
 今のプラモよりかなり割安だが、ちゃんと作ろうとすると道具をそろえなければならないし、時間も手間もかかる。
 普通に考えるとこのような古いプラモは、とっくの昔にお払い箱、絶版になっていて不思議はない。
 にもかかわらず、今でも再販が続いている。
 企業活動は遊びではないので、生産が続いているということは、それだけの需要があるということだ。
 いったい誰が買っているのか?
 かつてのガンプラ少年たちのノスタルジーだけで、そんなに需要があるのか?

 買っている当人が疑問を抱きつつも、まずはざっくり仮組みしてみる。


●1/100 リアルタイプ RX-77 ガンキャノン

 無塗装で組み立てただけだと、こうなった。

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 ちょっとびっくりした。
 全然悪くない。
 最初期のガンプラなのでもっとオモチャっぽいかと思っていたのだが、今回は「リアルタイプ」ということもあり、成型色が落ち着いていてすごく良い。
 今の流行りの「小顔で細身」のスタイルではないが、ファーストガンダムのアニメの雰囲気が良く再現されている。
 かつてのガンプラ少年が熱狂した安彦良和の原画や、大河原邦男の設定画、ポスターなどの雰囲気に極めて近い。
 可動はどうしようもないけれども、形に関して言えば、これはこれで正解だ。

 ネットで調べてみると、同じような感想を持つ人が一定数存在することを知った。
 スタイルや可動や色分けを求めるなら、新しいガンプラを買えばいい。
 旧キットの雰囲気を活かしながら、なるべくいじらずに、80年代的な塗りの風合いを楽しむ。
 塗装が基本なので、好みによって百人百様の作品が出来上がる。
 そんなジャンルがあると知って、なんだか嬉しくなってしまった。

 自分だったらどう塗るか?
 素組みしたガンキャノンを目の前にして、絵描きの眼が自然に起動してくる。
(つづく)
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2016年12月04日

滅びゆく「街のプラモ屋」

 この二十年ほどの間に、どんどん街中から個人経営のお店が姿を消しつつある。
 他にも色々あると思うが、私の思い入れの範囲で言えば、以下の三種だ。

 本屋
 プラモ屋
 駄菓子屋

 本屋は都市部の大型店舗とネット通販へ。
 プラモ屋が扱っていた商品は、量販店の一コーナーと、スーパーやコンビニなどの食玩コーナーへ。
 駄菓子屋もスーパーやコンビニの一画へ。
 根本的には「少子化」なので、子供をメインターゲットにした商売が縮小するのは仕方がないことだ。
 私が昔足しげく通った地元のプラモ屋も、今はもうない。
 
 今私が住んでいるのは都市部なのでまだ「街のプラモ屋」は残っているが、ここ数年でもいくつか閉店した。
 それでも辛うじて経営しているお店もある。
 確か一年ぐらい前だろうか、ちょっと用足しに自転車に乗っていて、いつもと違った道筋を走っている時に、その小さなプラモ屋を見つけた。
 おばあちゃんが店番をしているお店で、あまり客はいないようだがその分商品の回転がゆるやかで、ゆっくり品定めできる。
 大型店舗では早々にはけてしまったプラモが長期間残っていたりするので、月に二、三回は、なんとなく足を運んでしまう。

 私がプラモ、とくにガンプラ制作に復帰した顛末は、以前記事に書いた。

 プラモ再起動


 最近の「色を塗らずに組むだけでカッコよく、よく動く」プラモには虚しさを感じていたのだが、昔売っていたガンプラが、今でも当時の値段のままで入手できることを知り、ぼちぼちプラモに復帰した。
 そんなタイミングで見つけたのが、件のプラモ屋だったのだ。

 そのプラモ屋で手に取ったのが、以下の古いガンプラ。


●1/100 リアルタイプ RX-77 ガンキャノン

 製品自体は近年の再販の物なので、プレミアのつくようなものではない。
 昔のままの定価700円。
 今の感覚だと「安い」と感じるのだが、子供の頃は1/144の300円シリーズ以外は「高い」と感じて、なかなか手が出せなかった。
 
 今なら、買える。
 今なら、やりたかった作り方、塗り方が、全部できる。

 そう思うと、買わずにおれなくなってしまった。
(つづく)
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