2006年05月13日

神仏絵図常用資料4

 神仏絵図常用資料1〜3では、主に仏教における「キャラクター」である仏尊の白描画資料について紹介してきた。
 今回は仏教の「背景」にあたる宇宙観についての参考資料を紹介。



●「須弥山と極楽―仏教の宇宙観」定方 晟(講談社現代新書)
 仏教の宇宙観は、現代科学の宇宙観とは全く違っている。当ブログの「仏教への読み替え1 須弥山宇宙」でも軽く紹介したけれども、一見荒唐無稽な宇宙の捉え方だ。しかし、こうした宇宙観は「実証」は基にしていないけれども、考案された当時の最新の知識や論理の積み重ねから組み立てられたものであって、人間の精神の構造と読み替えれば、今なお価値を保っていると思う。
 この本では、須弥山・地獄・極楽など、仏教の宇宙観についてそれぞれの構造・位置・大きさを、数々の図版とともにわかりやすく解説してある。
 価格が安く、入手もきわめて容易なのでお勧めの一冊。 
posted by 九郎 at 11:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする

神仏絵図常用資料3



●「図説仏像集成―図像抄による」大法輪編集部
 白描画の資料としては前々回の「曼荼羅図典」が最強なのだが、なにぶん大型本で価格も高く、誰にでも手が出せるというものではない。そこで一般に知られた仏尊のみをまとめてあるのがこの一冊。
 実は前出の「曼荼羅図典」には、一般には親しまれているものの、経典に準じていない神仏の姿形は収録されていなかったりする。あくまで大曼荼羅を描くための資料なので仕方がない面もあるが、意外に有名な図像が抜けていたりするのだ。
 この「図説仏像集成」はその穴を補完するのに大変便利し、曼荼羅に踏み込まず、単独の仏画を志すならば、まずはこの一冊だけで十分事足りる。文字による解説も詳細で、出典も明記してある。仏尊の姿形にはそれぞれ意味があるので、きっちりそれを解説してあるのはありがたい。

●「仏像さしえ集―複写・転載自由自在」国書刊行会
 こちらは仏尊・神々・祖師・仏具等の、伝統的に使用されてきた図像のみをただひたすら集積した一冊。文字による解説は一切ないものの、名前は明記してあるので他の資料にあたれば問題無い。
 図像はやや鮮明さに欠けるものの、とにかく収録されている種類が豊富で、眺めているだけで様々な発見をしたり、インスピレーションが湧いてきたりする。他の資料に載っていないマイナーな神仏の図像が収録されているので、使える一冊だ。続きを読む
posted by 九郎 at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする