数日前、京都の東寺(教王護国寺)宝物館で開催中の、「東寺密教図像の世界」展に行ってきた。(五月二十五日まで開催)
東寺は高野山とともに真言密教を代表するお寺。「密教テーマパーク」とも言うべき仏像や建築物の数々が楽しめる上、宝物館では過去にも様々な興味深い展示が催されてきた。今回は貴重な密教白描図像が生で見られる展示で、独学の神仏絵描きには数少ないチャンスだ。
出来る限り入場者数の少なそうな時間帯を選んで足を運ぶ。私が足を運んだのは雨天の朝一、狙い通りわずか数人の入場者だった。ガラス越しとは言え、素晴らしい資料の数々を、思うがままの独り占めで観察、心行くまで堪能する。展示点数こそ少なかったが、いずれ劣らぬ超一級の名品ばかり。
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