2006年07月16日

七夕も終わったので…

 ロゴ画像を変更します。
 まだ7月だというのに、殺人的な暑さが続いています。
 今回もなるべく涼しげになるような画像を心がけました。

 これまでのブログ運営から「おじぞうさまの絵を上げるとアクセス数が伸びやすい」という傾向が読み取れました。受けるものは積極的にアップしたくなるのは人情ですね(笑)

 カテゴリ「大黒」の残り記事も、鋭意執筆中。
 近日公開です!(←こんどこそ本当)
posted by 九郎 at 00:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2006年07月17日

神々の合体5 笑う三面神

 カテゴリ「大黒」の前回記事で紹介した「天川弁才天曼荼羅図」は、多数の蛇神と稲荷狐、女神、如意宝珠などが合体した驚くべき図像を構成していた。
 今回紹介するのは「蛇と狐と女神、如意宝珠」に加えて、天狗や大聖歓喜天(ガネーシャ)が合体した、さらに異様な図像を紹介してみよう。
 
続きを読む
posted by 九郎 at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 大黒 | 更新情報をチェックする

2006年07月18日

結び 三面大黒

 私が「だいこくさま」に関心を持つようになったのは、仏教関係のムック本の中で「三面大黒」という変わった仏像を目にしてからだった。俵に乗ったいわゆる「だいこくさま」の左右に、毘沙門天と弁才天が合体した三面六臂の不思議な姿。比叡山の守り神とも伝えられる異様な仏尊…

dk-21.jpg

 なんだ、これは?

 どれも人気のある天部の仏尊だということは判る。力のある天部が合体すれば、より強力な呪力が生じることも判る。だが、なぜこの三体が合体しているのか、その意味が判らなかった。
 大黒天、毘沙門天、弁才天といえば、七福神の構成メンバーでもある。七福神は通俗化された現世利益の神として人気がある。しかし、七福神と三面大黒の間に関係があるのかどうかは、不明。わざわざ三神だけを抜き出す意味があるとも思えない。

 三面大黒の図像・造形的面白さが発端となって、だいこくさまのルーツを少しずつ探求するうちに、徐々に大黒天・毘沙門天・弁才天の間の関連性が理解できてきた。

 はじまりは古代インドの暴風神だった。彼は強力な力でインドの神々を吸収し、ついに破壊と創造の神・シヴァになった。あまりに巨大化した神はその属性を分散させ、眷属の神々に分け与えた。シヴァの場合は軍神・福神・女神の要素がそれぞれの流れを作った。インドから中国をはじめ様々な国の神々を吸収し、日本に至ってこの地の神とも合体した。合体のパターンは様々に思考・嗜好・試行され、見るも異様な数々の図像が生まれた。

 その壮大な実験の一つの精華が、日本における軍神の代表・毘沙門天と、福神の代表・大黒天と、女神の代表・弁才天の合体だったのではないか?
 三面大黒の背後には透明なシヴァ神が控えていて、なかなか仏教僧の説くようには悟り澄ませない、欲望にまみれた俗世でもがく衆生を、笑って見守っている…
 私は今、そのようなイメージを持っている。

dk-22.jpg

 以上、カテゴリ「大黒」本文一段落。
posted by 九郎 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 大黒 | 更新情報をチェックする

2006年07月19日

カテゴリ「大黒」参考図書

 当ブログで紹介する参考図書は、なるべく求めやすい価格で入手しやすく、誰にとっても読みやすいものを心がけている。
 このカテゴリ「大黒」でも多数の書籍を参照し、そのうちのどの本を紹介するか迷ったのだが、以下に紹介する二冊の比重があまりに大きく、資料として素晴らしすぎるので、少々値は張るが取り上げることにした。
 まだ新しい本で、大型書店の本棚には並んでおり、図書館にもけっこう入っているので、機会があれば是非手にとって見てほしい。



●大黒天変相―仏教神話学〈1〉
●観音変容譚―仏教神話学〈2〉 弥永信美 (法蔵館)
 本来一冊の論考だったものを、あまりに膨大なページ数から二分冊にしたもの。アジアにおけるシヴァ神ゆかりの神仏を、豊富な図版と凄まじいばかりの量の原資料からの引用で紹介した、とんでもない労作。カバー絵の大黒天や千手観音も、美しく珍しい図像で一見の価値あり。
 当ブログのカテゴリ「大黒」は、この二冊の中から、私なりに理解できるごく一部分だけをピックアップ、他の資料からの情報とも合わせて、絵とともに再構成して遊んでみたもの。喩えるならば、お釈迦様の掌の上で好き放題に飛び回って威張っている孫悟空のようなものだ。(苦笑)
 内容もページ数も極太の本に出会い、その素晴らしさに耽溺した数ヶ月の日々は、私にとって本当に楽しく贅沢な時間だった…
 著者さまへの言葉に尽くせない感謝を込めて、ここに紹介しておきたいと思う。
posted by 九郎 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 大黒 | 更新情報をチェックする

2006年07月20日

カテゴリ「大黒」一段落などなど

 ながらくお付き合いいただいた大黒様の与太話も、おかげさまで一段落させることが出来ました。
 記事投稿の間隔が開いて飛び飛びになってしまいましたが、本来は続き物です。記事と記事の脈絡が縦につながって関連付けられるよう、キーワードなどで少し工夫をしておりますので、お暇な時にでもカテゴリ「大黒」をまとめ読みしていただけると嬉しいです。

 例年なら梅雨が明けてもいい時期なのに、全国的に雨が続いています。大雨の被害もあちこちで出ているようなので、ロゴ画像を緊急時仕様のお不動様に戻しました。
 私が勝手に心の師と仰ぐ西村公朝さんは、著書「やさしい仏像の見方」で、お不動様をはじめとする明王の恐ろしい姿について、以下のように述べておられます。
続きを読む
posted by 九郎 at 22:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2006年07月21日

私が民族音楽にハマったのは…

 民族音楽が好きだ。
 子供の頃から浄土真宗のお経に親しんできたせいもあるかもしれない。

 意識的に民族音楽を聴き始めたのは、もう十年以上前のこと。家電ショップのワゴンセールで特売CDを眺めていた時に「高砂族の音楽」を手に取った時のことだった。
 このCDは「世界民族音楽大集成」という、全100枚に及ぶ膨大なシリーズの中の一枚。内容は台湾高砂族の素晴らしい音楽で、中には首狩りの風習を持っていた一族の現地録音もある。森の中の少数民族の生み出す音は素朴でありながら壮大で、混声の響きは宇宙大に広がっていくかのようだ。
 言葉はわからないものの、発声は日本語に近く、メロディーは「私の民族音楽」である浄土真宗のお経とどこか似通っていた。
 すっかり気に入ってシリーズの他のCDも探したが、その後さっぱり見つからなかった。近所の図書館の書庫に全部揃っているのを発見し、狂喜乱舞したのはごく最近になってからだ。

 私の場合は、たまたま自分の持っている波長と近い「高砂族の音楽」に出くわす幸運に恵まれたが、民族音楽の世界は興味があってもなかなか入りこみにくい分野ではある。
 普通は「生の民族音楽」よりも、それを現代風にアレンジしてあったり、現代日本人が演じていたりすると耳に入り易くなる。
 本土で沖縄民謡がこれほど理解されたのも、THE BOOMの「島歌」の功績が大きいと思うし、元ちとせの歌声で奄美民謡に対する理解も深まったと思う。

 そうした民族音楽の「現代語訳」として私がお勧めしたいのは「芸能山城組」だ。現在でも入手しやすいのは↓この一枚。



●「Symphonic Suite AKIRA」芸能山城組
 映画「AKIRA」の音楽として知られている楽曲だが、映画から独立したオリジナルとしても素晴らしい。日本の民謡や声明、純邦楽が、ケチャやガムランなどの様々な民族音楽の世界とミックスされて、懐かしくもあり新しくもある祝祭空間が音で創出されている。
 芸能山城組の他の作品は現在入手困難な状況だが、「恐山」や「輪廻交響曲」など、機会があれば必聴!のアルバムは数多い。

 民族音楽のコアな世界への入り口として、これ以上無いほどの一枚。
posted by 九郎 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | カミノオトズレ | 更新情報をチェックする

2006年07月23日

おりがみ師 河合豊彰

 河合豊彰さんの本に出会ったのは十年ほど前。古本屋のワゴンセールだった。
 保育社カラーブックスの中の一冊「おりがみ」を何気なく手に取り、表紙を見た瞬間、身体に電流が走った。
 そこには赤いおりがみで作られた、見事な般若の面が大写しになっていた。尖った角も出っ張った頬も目も鼻もきちんと作られ、カッと開いた口がもの凄い迫力だった。
 なんだ? これが本当におりがみ?
 ページを繰って折り方を確かめてみると、鶴の折り方を基本に、鋏は一切入れていないようだ。本の中には様々な伝承おりがみとともに、河合豊彰さんの考案した数々の「創作おりがみ」が紹介されていた。
 当時の私は世界の民族仮面に関心があって資料を集めていたのだが、河合さんの「おりがみ」の中に多数のおりがみによる仮面が含まれていたことも、私の注意を引いた原因だった。
 その一冊は100円均一だったせいもあり、即買い。
 ついでに子供の頃以来の「おりがみセット」も購入して、帰宅後、さっそく「般若」に挑戦してみた。途中で多少手こずりながらもおりあげてみると、表紙写真の作品とは微妙に違った表情のお面が出来上がった。
 河合さんご自身も本に書いておられるが、お面はおる人によって様々な表情に出来上がるのが面白い所だそうだ。
 私はすっかり感激して、他のお面にも次々に挑戦してみた。そのうち同じ保育社カラーブックスで河合さんの本がたくさん出ていることを知り、私は取り付かれたように本を買い、お面をおりつづけた。
 お面をおるには丈夫な和紙が良く、大きな紙でおった方が表情が作りやすいこともわかってきた。和紙はアクリル樹脂で固めると頑丈に仕上がることも覚えた。本に載っているおり方を参考に、少しの工夫で新しいお面が出来上がるのも本当に楽しかった。
 以下にその当時私がおった作品の一部を紹介してみよう。
 画像一枚目の中央が「般若」の面だ。

ori-01.jpg ori-02.jpg

 今回の記事を書くにあたってAmazonで調べてみると、私のバイブルである般若の面が表紙の「おりがみ」は、入手困難になっているようだが、河合さんの他の著作は今でも多くの人に愛されているようだ。
 機会があれば一度手にとって見てほしい。

 
posted by 九郎 at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 紙(カミ) | 更新情報をチェックする

2006年07月24日

立体造形としてのおりがみ

 河合豊彰さんに影響されておりがみ造形にハマった私は、お面だけでなく他の作品にも手を伸ばした。大型書店を探すとおりがみ関連の書籍は意外に多数あり、それぞれに魅力的なおり方が公開されていた。

 結局私はオリジナル作品にまでは進まなかったが、公開されたおり図を元に多少のアレンジを加えた作品はけっこう作った。和紙+アクリル樹脂で立体作品っぽく仕上げるのが私の好みだった。アクリル樹脂を和紙に含ませ、生乾きの時点で角度を加えると、微妙な表情があらわれて面白かった。

ori-04.jpg

 大き目の紙に一部鋏を入れると、蟹や海老の足の一本一本まで再現できる。

ori-03.jpg

 和紙+アクリル樹脂で顔の表情なども細かく表現でき、狛犬の阿吽の表情も再現できる。

 このようなおり図は、伝承のものもあれば、現代おりがみ師の創作もある。どちらにしても「おりがみ」というジャンルの先人の業績は凄いものだ。おり方を参照するだけで、誰にでも立派な造形作品が出来てしまうのだ。
 以下に参考図書を紹介しておこう。



●「最新・折り紙のすべて」笠原邦彦(日本文芸社)
 画像中の「海老」のおり方を参照。
●「日本のおりがみ事典」山口真(ナツメ社)
 画像中の「蟹」のおり方を参照。
●「変わりおりがみ」杉村卓二(保育社カラーブックス)
 この本の「いなりのキツネ」を元に、画像中の「狛犬」を制作。
posted by 九郎 at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 紙(カミ) | 更新情報をチェックする

2006年07月26日

ロゴ画像を平常仕様に

 戻しました。非常時仕様があまり長いと肩が凝るので。
 いや、それにしても暑いですね。長雨の間、気温だけは涼しくて助かってたんですが…
 近所の畑では夏野菜が実っています。
 アサガオもいいし、ヒマワリもいい。
 小学生の頃の栽培実習を思い出しますね。私はあれが大好きでした。
 大人になった今でも、ベランダで瓢箪などを栽培して楽しんでいるのですが、今年は何もやってなかったなあ。
 この時期になると悔やまれますね(笑)
posted by 九郎 at 23:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2006年07月30日

儀礼と信仰のおりがみ

 清浄な和紙を折るということは、日本の儀礼の中に根付いている。代表的なのは贈答の時に「のし」をつける習慣だ。「のし」にも色々あって、おり型が多数伝承されている。

 伝承おりがみの中には、けっこう実用的なものもある。神饌のお供えに使う「三方」をおりがみで再現した伝承おり型は、形もリアルだし、大き目の紙で作ると実際に使用することもできる。強度もあるし、使わない時にはたためるのも素晴らしい。

ori-05.jpg

 おりがみで作った三方に、同じくおりがみの神饌をのせてみると、こんな感じ。

ori-06.jpg

 おりがみの世界はまだまだ奥深い。
 また何かできたら、おりおりに発表したいと思います。
posted by 九郎 at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 紙(カミ) | 更新情報をチェックする