
南垂水公園には不動尊が祀られている。葛城の修験者はここに参拝後、葛城二十八宿の第一宿、虎島の序品窟へと向かう。私もそれにならって出発する。
島東北部には、観光向きの見所は少ない。登ってすぐに第四砲台跡へと向かう分かれ道があるが、この第四砲台跡はほとんど保守されておらず、また第三砲台跡とも似た構造なので、個人的にはお勧めしない。
観光施設等がない分、島の自然を生で感じることが出来るのは確かだ。
山道をしばらく歩くと、左手にあたる北側の木々の間から神島が見えてくる。波間にギザギザした岩が見え、その上にこんもりした緑が盛り上がり、所々白骨のような朽木が突き出している。正面には意味ありげに、ぽつんと小さな鳥居が立っている。なんとも異様な眺めだ。

神話の中のアワシマ、スクナヒコナ、神功皇后、役行者、神剣など多くの物語が、この小さな島に蓄積されて怪しの気を放っている。
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