中国各地由来の様々な神を陰陽五行説に当てはめて構成し、さらに仏教の宇宙観を接合してあり、「龍」に表象されるエネルギーが天地を縦横無尽に駆け巡り、神や自然や人間を生み出して行く、中々壮大な神話になっている。

基本は中国神話なので、道教の物の見方が中心だが、日本で構成されたものらしいので微妙に日本風の改変らしきものも見られる。陰陽五行の考え方を理解するに当たって、中世陰陽師は理論を「ものがたり」に変換しつつ受容していったのだろう。
海外の文化を、自分の好みのかたちに巧みにアレンジして我が物とするのは、今も昔も変わらぬ日本人の得意技だ。
陰陽師の使う占術の詳しい内容は「金烏玉兎」の現代語訳を参照してもらうとして、当ブログでは創世神話の部分を、絵と文章で紹介してみたいと思う。
掲載するイラストは「金烏玉兎」の文面に登場する神名を、中国神話の図像として現存するものと組み合わせつつ、私が独自にブレンドしたもので、我ながらやや強引な組み合わせもしており資料的な価値は薄いと思われる。
伝説の書物「金烏玉兎」をネタにした、一幕の紙芝居と言ったところになるだろう。