2007年04月29日
金烏玉兎の創世神話3
中世陰陽師の伝説の秘伝書「金烏玉兎」には、盤牛王という創世神の身体が、世界の万物そのものとして生まれる様子が描かれている。
盤牛王の持つエネルギーは龍の形でイメージされ、地上に展開される様々な地形の中に、姿を千変万化させながら潜んでいると説明される。例として、以下のようなものが挙げられている。
左・・・・・青龍の「川」
右・・・・・白虎の「園」
前・・・・・朱雀の「池」
後・・・・・玄武の「山」
大地に潜むエネルギーを「龍」として捉え、四方を聖獣で喩える点は「風水」の考え方にも通じる。元々陰陽道は中国起源の陰陽五行思想が、仏教説も交えて日本で成立したものなので、そこには当然「風水」も含まれ、第四巻には日本流に簡略化された家相説が解説されている。
現代まで続く家相の考え方には、金神などの根拠無き迷信も多いのだが、自然の地形と人間の暮らしの折り合いをつけるための知恵として、見るべきものは十分残っている。