
この世の元初まりは泥の海。
世界も無く人間も無く、ただただとっぷりとっぷり泥が渦巻く。
何も無く何も起こらない泥の海。
そこに月と太陽が現れました。
月は太陽に話しかけます。
月 「味気ない、味気ない」
太陽 「つまらない、つまらない」
月 「泥海をながめるのはもうたくさん、もっと面白いものを見たい」
太陽 「面白いとはどんなこと」
月 「人間というものをつくって、そのものたちが陽気に遊ぶこと」
太陽 「なるほど、それは面白そう」
月 「ではつくろうか」
太陽 「ではつくりましょう」
月が泥海の中の一番よいところを見定めて、そこで人間をつくることにしました。