
月と太陽は泥海の中で姿を変えました。
月は頭一つ尾一つの大龍の姿、尾には剣がついています。
月の居ついたところが北の方位になり、
その方位はうるおい水気が多くなりました。
月は泥海の中の良いところ「くにとこ(国床)」を見定めたので、
「くにとこたちのみこと」とも申します。
太陽は頭十二に尾三筋の大蛇の姿、尾には剣がついています。
太陽の居ついたところが南の方位になりました。
その方位にはぬくみが生じ、火気が多くなりました。
太陽はまたの名「をもたりのみこと」
もうすぐ身重になる妻神です。
月と太陽はどちらもものすごい大きさで、
二つだけで泥海いっぱいになるほどでした。
月と太陽は泥海の中をよくよく見澄ましました。
すると泥の中にたくさんのドジョウがうごめいていました。
さらによくよく見澄ますと、ドジョウの中に変わったものがまじっています。
これは何だろうと引きよせてみました。