
人間の土台は人魚と白蛇に決まりました。
水気を司り、様々なものを見定める月は、人間の目のうるおいの守護を与えることにしました。
火気を司る太陽は、人間の体の温みの守護を与えることにしました。
次に月と太陽は、土台に仕込んで守護する道具雛形を探します。
月がさらによくよく泥海の中を見澄ますと、乾(西北)の方位にシャチホコという変なものがいます。
そのシャチホコによくよく事情を説いて聞かせ、承知をさせてもらいうけ、「つきよみのみこと」と言う神名を与えました。
それからシャチホコを食べてしまって、よくよくその心味わいを確かめました。
するといきおい強く突っ張っているので、骨つっぱりの守護の道具に使おうと、人魚の体に仕込みました。
これが男のはじまりです。
太陽がよくよく泥海を見澄ますと、巽(東南)の方位にカメがいます。カメにもよくよく事情を説いて聞かせ、承知をさせてもらい受け、「くにさづちのみこと」という神名を与えました。
それからカメを食べてしまって、よくよくその心味わいを確かめました。
ねばりふんばり強い様子に、皮つなぎの守護の道具に使おうと、白蛇の体に仕込みました。
これが女のはじまりです。