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2007年07月22日

カテゴリ「泥海」参考図書

 このカテゴリ「泥海」では、天理教の伝える創世神話について、絵と文章で紹介してきた。絵も文章も極私的な解釈なので、一応原典も紹介しておこう。



●「天理教教典」(天理教道友社)
 現在の天理教の公式教義がコンパクトにまとめられており、泥海神話についても「第三章 元の理」で概説してある。この「元の理」は明治期に様々な形で著された「泥海古記」そのものではないが、アウトラインは十分知ることができる。

●「こふきの研究」中山正善(天理教道友社)
 こちらは明治期のいわゆる「泥海古記」の各ヴァージョンを収録しつつ解説し一冊。「泥海古記」は記紀神話と異なることから、天理教弾圧の原因にもなり、書かれた当時公刊されることは無かった。今現在、一般人が原典を知ろうとするならば、まずはこの一冊を手に取る他ない。
 当ブログの絵物語「どろのうみ」では触れなかったが、泥海神話に登場する神々を、それぞれ仏尊に当てはめた「仏法見立て」も非常に興味深い。教祖中山ミキ在世当時の、民間信仰の中の仏尊のイメージがうかがい知れる。

●「天理 人間誕生―心のまほろばー心の本」(天理教道友社)
 豊富な図版を交えながら泥海神話や世界各国の創世神話を幅広く紹介してある。中でも特筆すべきは、明治期に制作された「泥海古記」の巻物が写真で紹介してあり、そこには当時描かれた泥海神話絵図が含まれていること。厳しい弾圧を潜り抜けてきた巻物、懸命に描かれた絵図には異様な迫力が感じられる。
 1978年発行の特集本なので、やや入手困難か。私は古書店で1500円ぐらいで入手したが、「おぢば」天理市の天理教道友社に行けば、もしかしたら新本が定価で手に入るかもしれない。
posted by 九郎 at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 泥海 | 更新情報をチェックする