まだ11月だというのに、世の中ではけっこうクリスマスセールが始まってたりする。
私はそーゆーのを見ると、とりあえず「ケッ、いい気なものだな。季節感も何もあったもんじゃない」などと思ってしまう駄目人間なのだが、本来なら年末に書くべきネタを思いついてしまったので、今夜書く。
私も「いい気な、季節感の無いもの」ではある(笑)
アンデルセン童話「マッチ売りの少女」の朗読を聴く機会があった。
この手の童話はよく知っているつもりになっているけれども、あらためて味わってみると気付くことも多い。
青空文庫の「マッチ売りの少女」をリンクしておくので、お手すきの人はまずはご一読。短い作品なのですぐに読める。
大晦日の夜、幼い少女は家から追い出され、寒風吹きすさぶ街でマッチを売ってまわる。おそらく石畳、石造りであろう街中を、靴すら失った少女はマッチの買い手も無いままにさまよい歩く。通りかかる馬車も、子供も、周囲の家から漏れてくる団欒の様子も、辛い責め苦に他ならない。
疲労困憊した少女にできるのは、マッチを一本、また一本と擦ることで、むなしい癒やしを得ることだけ。マッチの灯が夜空の星に消えて流れ星と変わるとき、少女の前に現われたのは亡きおばあちゃんの姿だった……
朗読を聴いていて、ふと「何かに似た話だな」と思った。
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