中世に隆盛した熊野詣から遥かに時は流れた近年、再び「熊野」と呼ばれるエリアが度々メディアに取り上げられるようになった。
とくに定義されることもなく「熊野」と一言で表現されることが多いが、その範囲は必ずしも明確ではない。通常「熊野」は和歌山県、奈良県、三重県の南部、つまり紀伊半島南部の「南紀」と呼ばれるエリアとほぼ重なると考えて差し支えない。
しかしそれで「熊野」の全てをカバーできているかと言うと、必ずしもそうは言えない。
大体の感じをつかんでもらうために、絵図を一つアップしておこう。
(↑画像をクリックすると大きくなります)
絵図の中に何本かの道筋が表記してある。いずれも古来から熊野参詣のために歩き継がれてきた道だが、現在一般に「熊野古道」と呼ばれるのは以下の三つ。
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