blogtitle001.jpg

2008年01月01日

2008年 新年の御挨拶

 新年明けましておめでとうございます。
 本年も「縁日草子」をよろしくお願いいたします。

【2008年1月の予定】
 今ちょっと今後の進め方を検討中。神仏与太話をより楽しく継続していくため、作戦を練っている所です。
 当面はゆったりペースで、これまでの補充などやって行きたいと思っています。

【ロゴ画像変更】
 今年は子年。十二支一巡りの最初の年にあたります。
 ということで、何かネズミに関する神話はないかと探してみたところ、「ネズミに乗るガネーシャ」という面白いモチーフが見つかりました。
 flashを見る
posted by 九郎 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | 更新情報をチェックする

2008年01月03日

ヌートリア

 今年は子年ということで、ネズミに関する思い出話を一つ。

 ヌートリアと言う動物がいる。
 南米原産、尻尾まで含めると1mぐらいになるげっ歯類。つまり大ネズミだ。似たビジュアルの動物にカピバラもいるが、こちらは尻尾が目立たない。「尻尾の長いのがヌートリア、尻尾の目立たないのがカピバラ」と覚えておけばよい。
 この大ネズミ、日本各地で野生化している。大きな河川などで繁殖していて、山中の温泉につかりに来るニュース映像なども、たまに流れる。

gen-11.jpg


 なぜこのような大ネズミのお話をカテゴリ「原風景」で書いているのかと言うと、それは私の祖父の思い出に関わってくるからだ。
 大工であった私の祖父のお話は、このカテゴリで何度か書いてきた。祖父はまた、木彫好きであり、珍しい形の木の根っこなどを蒐集する趣味もあった。
 そんな祖父が近所の川沿い散歩していたある日のこと、繁殖していたヌートリアの死骸を見つけてしまったのだ。「怪しいもの好き」の血が騒いだのだろうか、祖父はどうしてもヌートリアの骨が欲しくなってしまったらしい。
 しかし死骸を家に持って帰ることはできない。死んだ大ネズミを持ち帰ったりしたら、祖母がどのような反応を示すか想像に難くなかったのだろう。
 下手をすれば連れ合いの生死にかかわる。

 よって、全ての犯行は、ひそかに河川敷で行われた。
 日々何食わぬ顔で、一人河川敷に散歩に出かけた祖父は、断続的に「ヌートリア白骨化ミッション」を完遂したのだ。
 大きな空き缶を用意した祖父は、まずヌートリアの頭部を煮立てたらしい。
 そしてきれいに肉をこそげ落とし、顎骨の部分を白骨化してから持ち帰った。
 見事なカーブを描く門歯のついた顎骨は、磨き上げられて紐がつけられ、ちょっとしたストラップのように仕立てられた。
 
 祖父の没後、ヌートリアの顎骨は、大工道具の一部とともに、「自作系」「怪しいもの好き」の血を継いだ私の手元にきた。
 その写真をアップしたいのだけれども、今ちょっとどこにしまったかわからない(苦笑)
 見つかったら紹介したい。

【2013年4月5日、遅すぎる追記】
 ヌートリアの顎骨を「見つかったら紹介したい」と書いたまま、すっかり忘れて5年以上放置してしまった。。。
 記事にコメントを頂いたこの機会に、ブツの写真をアップしておきます。

gen-14.jpg


 下の単三乾電池と大きさ比較してみてください。
 
posted by 九郎 at 17:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 原風景 | 更新情報をチェックする

2008年01月10日

ゑびす大黒

 1月10日を真ん中にした三日間の「十日戎」にちなんで、ゑびす大黒の切り絵を一つ。

kiri02.jpg


 「ゑべっさん」の名で親しまれる恵比寿さまは、大黒さまと並んで商売繁盛の福の神。十日戎でも二人並んだ縁起物が所狭しと屋台に並ぶ。
 年を経た縁起物は神社などで集められ、「とんど焼き」でお焚き上げとなる。最近の縁起物にはプラスチックやビニールなどが使用されているため、火で焚く場合は細かなパーツを分別し、竹や笹など野焼きしても一応は大丈夫なものだけ焼いているようだ。
 回収されたパーツは、もしかしたら再利用されているのかもしれないが、別に賞味期限のある食品ではないのだから、それはそれでかまわないだろう。
 西宮神社では、恵比寿さまはイザナギ・イザナミの長子である漂着神、ヒルコであるとされる。流された果てに福の神と読みかえられたヒルコの縁起物がリサイクルであったとしたら、むしろそちらの方が相応しい感じもする。

 再利用されているかどうかはあくまで私の空想なので、定かではないのだけれども。
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 紙(カミ) | 更新情報をチェックする

2008年01月17日

inori

jizo-27.jpg


その時能化の地蔵尊
ゆるぎ出させたまいつつ
posted by 九郎 at 05:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 地蔵 | 更新情報をチェックする

2008年01月18日

雑記

【おりがみ】
 最近「おりがみ 雛人形」等のキーワードでこちらのブログに辿り着く人が増えているようです。皆さん、今ぐらいから着々と準備しているんですね(笑)
 うまく該当する記事につながらなかったら、こちら→おりがみ雛人形をクリックしてみてください。
 ついでにこんなのもいかがでしょうか。

【漫画】
 漫画「デビルマン」が再発されたようです。



 この漫画については以前にも取り上げたことがあります。
 漫画「デビルマン」
 今回は全一冊1000ページのボリュームで、余計な加筆部分のない連載当時の構成に戻したもの。これは買いです。

 読むと描きたくなるデビルマン

devilman.png
posted by 九郎 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2008年01月26日

啖呵の声

 子供の頃、よく母親に連れられて市場に行った。
 最近のスーパーとは違って、一つの建物の中に様々なお店が軒を連ね、店員さんが張りあげる啖呵の声が響き渡る空間だ。
 いくつかのフレーズが今でも頭に残っている。

ヘイラッシャーアァイ、ヘイマイド
ヘイラッシャーアァイ、サアコウテ

サア!コウテコウテコウテコウテ!(拍手とともに)
  リズミカルで耳に残るメロディ。よく真似して遊んだ。
 人ごみでも良く通る声は「塩辛声」と言うのだろうか。ああいう声も、日常的には中々聴けなくなった。

 啖呵の声と言えば、なんと言っても縁日の風景。
 子供の頃住んでいた家のすぐ近くには神社があって、折々の縁日には夜店が出た。
 私は神社の鳥居近くの、斜めに大きく傾いて生えた松の木に登って、夜店の風景を眺めるのが好きだった。
 張り出した枝に腰掛けると、雲の上から下界を眺めているようで気分が盛り上がった。
 裸電球に照らされた赤い暖簾が幻想的で、テキ屋のあんちゃんの啖呵が夢のように響いていた。

gen-12.png

 
posted by 九郎 at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 原風景 | 更新情報をチェックする

2008年01月30日

啖呵の達人

 このカテゴリ「カミノオトズレ」でも度々書いてきたが、民族音楽が好きだ。ただ残念なことに、この分野は大型のCDショップでもそれほどスペースが割かれているわけではない。昨今の書店やCDショップは商品の回転が速く、古いものは中々入手しにくい。そんな中で、けっこう掘り出し物があるのが、ワゴンセールの安価なCDや、図書館に収蔵されている資料だ。こまめに回っていると、たまに面白いものに出くわす。
 最近発見したブツがこれ。



●大道芸口上集(上)(下)
 1990年刊。CDではなく、先行して発行された「大道芸口上集」という書籍のカセットテープ版。
 昔の縁日には様々な怪しい香具師が跋扈跳梁し、リズミカルな口上で客を煙に巻いて色々と怪しげな品物を売りつけていた。その口上の数々を、当時の雰囲気に忠実に再現したカセットテープ上下巻、合計2時間に及ぶ「大道芸博覧会」。「再現」とは言え、収録には本物の香具師の皆さんも参加しているので、怪しさ・迫力ともに一級品。
 ガマの膏売りやバナナの叩き売り、見世物小屋の客引きや、易者や自称山伏、法律家等等。昔の縁日はこんなにも素晴らしい異界だったのかと感心させられる。
 惜しむらくは、アナログのカセットテープ版しかなく、現在極めて入手困難であること。ぜひともCD版で再発して欲しいのだが、演目のうち「見世物口上」や「婆さん売り」などは、何かと表現に制約の多い今日この頃、差し障りがあり過ぎるような内容なのでまず無理なのだろう(苦笑)
 
 このテープを聴くと、現在TVで活躍中の面々の中に、往年の香具師と共通のDNAを持った人々が存在すると気付く。
 みのもんた、島田紳助、デーモン小暮、そしてTVショッピングで日々多様なブツを売りさばくあの人やあの人などなど。
 いつの世にも、声と言葉の連なりで人々の感情を操る異能の人が滅びることはないのだろう。


 入手が極めて困難なカセットテープ版と比べれば、書籍版はまだしも手に入りやすいようだ。
 機会があればご一読を。



●「大道芸口上集」久保田尚(正・続・新版)
posted by 九郎 at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | カミノオトズレ | 更新情報をチェックする

2008年01月31日

啖呵の達人2

 先に紹介した「カセットテープ版大道芸口上集」を見つけて以来、一ヶ月ほどヘビーローテーションで聴き狂った。あまりの面白さに、誰かにお勧めしたくて仕方がなかったのだが、なにぶん20年ほど前のカセットテープなので、ブログで紹介してもそうそう聴ける人はいないだろう。
 今現在入手の容易な書籍やCDで、啖呵売の魅力の詰まったものは無いものかと色々探してみた結果、おあつらえ向きの一冊が見つかった。



●「香具師口上集」室町京之介(創拓社出版)

 さてお立会い。
 御用とお急ぎでない方は、よってらっしゃい見てらっしゃい。

 手前取り出しましたる一冊の書物は「香具師口上集」
 昔懐かしい縁日での啖呵売を、著者・室町京之介の筆による、多種多様な香具師の世界の極めて詳細なる解説と、多数の味わい深いカラー図版で収録した素晴らしい書物でございます。
 
 貴重な一級資料でございまして、この機会を逃すと、再び同様の資料を手にするまでにまた数年、数十年の時を膨大な労力とともに浪費せねばなりません。
 当ブログ「縁日草子」を覗かれますような目の肥えた皆様方は、どうぞこの機会をお見逃しなく。

 本日は路傍での宣伝につき、この極めて貴重な資料を、相場のおよそ半額にてご奉仕申し上げたいと存じます。
 半額とは申しましても、定価から割り引く訳ではございません。
 この本の定価は2,850円+税でありまして、約300ページのハードカバーで、豊富なカラー図版を収録した本としましては、極めて妥当な価格設定でございます。これでは「相場の半額」とはならないのでありますが、この本の目玉としましてCDが付録に入ってございます。
 このCDがこれまた極めて優れもの、この道の第一人者・坂野比呂志の磨き抜かれた香具師芸が、全28演目・75分で収録されてございます。
 本来ならCD単品で3,000円前後の値付けで販売されて一向不思議は無い品でございます。その素晴らしいCDと、これまた貴重な書籍がセットになりまして、定価が3,000円以下の出血大サービス!
 これを「相場の半額」と言わずして、何を「相場の半額」と申せましょう!

 ただ、後々問題が生じてはいけませんので、ただ一点だけ「香具師口上集」の弱点をご説明申し上げておきましょう。
 付録CDの演者・坂野比呂志は、本職の香具師にすら一目置かれた第一人者ではありますが、あくまで芸人さんでございます。
 本職の香具師のごとく、路傍の見知らぬ人々に一銭でも多く商品を捌いてやろうという芸ではなく、演芸場に集まった観客に香具師の世界を面白くパッケージして紹介すると言った芸でございます。
 したがいまして先に紹介しました「カセット版大道芸口上集」のような「香具師現地録音」をイメージさせる怪しさは幾分少なめで、さしずめ良く出来た「香具師テーマパーク」と言った趣の芸でございます。
 さはさりながら、怪しさの少ない分より万人向けであるとも言えますので、この点は「弱点」とばかりは言えないかも知れませんが、一言申し添えさせていただきました。

 本日かような素晴らしい一級資料を、相場の半額にてご紹介できますことを、神仏与太話ブログ管理人といたしましては、非常な喜びを感じておる次第でございます。
 読者の皆様におかれましては、もしこの資料に興味が湧かれましたならば、記事内のamazonリンクをクリックするなり注文なりとしていただきまして、私・九郎にわずかばかりの喜捨をお願いしたいと存じます。

 ハイ!
 ありがとうございます!
 ありがとうございます!


posted by 九郎 at 01:15| Comment(0) | TrackBack(0) | カミノオトズレ | 更新情報をチェックする