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2008年02月15日

最期にひとつ

 2月15日は「涅槃会(ねはんえ)」で、お釈迦様がこの世から涅槃へ入ったとされる日。
 今昔物語天竺部では、お釈迦様の最期にあたって、実の息子にして十大弟子の一人でもあるラーフラとの関わりが描かれている。

 間もなく師である父がこの世での時を終えると知ったとき、その事実に耐えられなくなったラーフラはこの世界から逃げ出した。悲しみと向き合いきれずに別の仏国土に逃避したのだが、その世界の仏に「すぐに元の世界に帰って顔を合わせるべきだ」と諭される。
 泣く泣く戻ったラーフラは、横たわる父と対面する。
 迎えた仏は息子の手をとり、最期の言葉を残した。
 
このラーフラは私の息子
十方の仏よ
どうかこの子にあわれみを


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 あらゆる執着を離れたはずの仏の、らしからぬ言葉。
 教理はひとまずさておいて、民間で愛されたお釈迦様の最後の物語は、このようなものだった。


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posted by 九郎 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 季節の便り | 更新情報をチェックする