2008年10月17日

図像覚書2 中台八葉院

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【曼荼羅】
 胎蔵曼荼羅の中心部分、中台八葉院。今回の図像はそれぞれの仏尊を梵字で表現した種子曼荼羅(しゅじまんだら)のスタイルを下敷きにしている。
 中心が大日如来を表現する阿字で、その上から時計回りに宝幢(ほうとう)如来、普賢菩薩、開敷華王(かいふけおう)如来、文殊菩薩、阿弥陀如来、観音菩薩、天鼓雷音(てんくらいおん)如来、弥勒菩薩を表す梵字が、八枚の蓮弁に乗った形になっている。
 胎蔵曼荼羅は中期密教を代表する曼荼羅で、大日如来を中心に大乗仏教で親しまれた様々な仏尊やインドの神々を網羅した宇宙観を表現している。いわばインドで起こった神仏習合図像だ。
 中期密教は胎蔵曼荼羅で宇宙サイズにまで大風呂敷を広げた後、新しい秩序を金剛界曼荼羅で打ち立てて、現在のチベット仏教に続く後期密教へと進化していく。
 平安時代に中国を経て日本にもたらされたのは中期密教までで、進化の最終段階の後期密教は現在チベット周辺に伝えられている。
 金剛界曼荼羅以降になると、通常の大乗仏教とは違う仏尊名が増えてくる。日本では大乗仏教が民衆に親しまれているので、見知った仏様が多い胎蔵曼荼羅の人気が高いようだ。
posted by 九郎 at 23:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする