仏教の宇宙観では、太陽と月は「天宮」という乗物として説明されている。その軌道や位置関係は九山八海で紹介したことがある。
大きさはそれぞれ太陽が51由旬、月が50由旬。1由旬を約7kmと想定すると、大体350kmぐらいの大きさを持つことになる。この数値を元にすると、人間の住む南贍部洲という大陸よりはるかに小さく、太陽と月がほぼ同じ大きさに設定されていることが分かる。空を見上げた時の主観的な「見かけ上の大きさ」を、そのまま表現した数値だからだろう。
大地は平らであり、太陽と月はほぼ同じ大きさであるという設定は、現代から見ると間違っているのは明らかなのだが、よく自然を観察した体感としてはごく自然で「正しい」説明だ。
太陽と月の天宮、その下半分の外周部分は、それぞれ火珠と水珠の輪になっているとされ、太陽は熱し、月は冷やす働きを持つと説明されている。
正直、分かったような分からないような説明なのだが、仮に図示すると以下のようになるかもしれない。(自信無し!)
日蝕や月蝕が起こる原因は、海に住む阿修羅の仕業として説明されている。