【4月の予定】
引き続き、雑賀衆・石山合戦・蓮如に関連した記事を中心に投稿していきます。
そろそろ「おりがみ かぶと」などのキーワードで検索してこられる人も増えているようなので、関連記事をまとめておきましょう。
【折り紙 兜 関連記事】
おりがみ兜
おりがみ兜の色々
おりがみ兜の色々2
おりがみ兜の色々3
八咫烏の兜
今年も新しいおりがみ兜を探してみているところです。
【ロゴ画像変更】
もうすぐ「はなまつり」ですね。
去年紹介したお釈迦様生誕のエピソードから、フラッシュにしてみました。

2010年04月01日
2010年04月08日
2010年04月18日
海と鉄砲と自治
ここまでカテゴリ和歌浦で、戦国時代の雑賀衆について紹介してきた。(中間報告参照)
【石山合戦は宗教戦争ではなかった】
雑賀衆は織田信長と本願寺の一向一揆勢力が総力戦を行った「石山合戦」にがおいて、本願寺方の主力部隊として活躍し、信長の天下布武の目論見を大幅に遅らせた。
石山合戦については様々な捉え方をされているようで、よく目にするのは「無神論で合理主義者の信長VS強固な一神教である一向宗勢力」という、一種の宗教戦争であったかのような論調だ。
私も以前はなんとなくそのように思い描いていたのだが、ここまで自分なりに調べてきて、どうやらそうした図式は間違っていると考えるようになってきた。
信長は中世人として当然のように様々な神祇への信仰を持っていたようだし、一向一揆は信仰「だけ」を基盤とした集団ではなかった。
信長と本願寺方の信仰の相違は、石山合戦の起こった原因とは直接関係がないと言い切ってしまってもよいと考えるようになった。
それでは石山合戦は、いったい何を争って十年以上の歳月と膨大な資源を費やし、数え切れない程の死者を出したのか?
それは「日本の流通経済を支配するのが誰か?」ということだったのではないかと思う。
当時の本願寺の所在地である「大坂」は、京都や琵琶湖から続く河川の道の終着であり、西日本の物流や海外貿易の大動脈である瀬戸内海の終着点でもあった。
陸運や空運の発達した現代では分かり難くなっているが、戦国時代の交通・物流は、海運・水運こそが中心で、それを抑えたものが経済の勝者となった。
戦国時代の「いくさ」も、地方の紛争の域を超え、天下の支配権を巡る規模になってくると、単純な武力の争いではなく、政治力・経済力がものをいう「戦争」に拡大してくる。
政治・経済に敏腕を振るった信長と、寺内町自治のネットワークで経済力・軍事力を行使した一向一揆がぶつかった要因は、どうやらそのあたりに集約されてきそうだ。
そこで持ち上がってくるキーワードは三つ。「鉄砲」「海の民」「寺内町」だ。
これまでにも少しずつ調べてきたが、もう少し詰めて行ってみたいと思う。
まずは「鉄砲」から。
【石山合戦は宗教戦争ではなかった】
雑賀衆は織田信長と本願寺の一向一揆勢力が総力戦を行った「石山合戦」にがおいて、本願寺方の主力部隊として活躍し、信長の天下布武の目論見を大幅に遅らせた。
石山合戦については様々な捉え方をされているようで、よく目にするのは「無神論で合理主義者の信長VS強固な一神教である一向宗勢力」という、一種の宗教戦争であったかのような論調だ。
私も以前はなんとなくそのように思い描いていたのだが、ここまで自分なりに調べてきて、どうやらそうした図式は間違っていると考えるようになってきた。
信長は中世人として当然のように様々な神祇への信仰を持っていたようだし、一向一揆は信仰「だけ」を基盤とした集団ではなかった。
信長と本願寺方の信仰の相違は、石山合戦の起こった原因とは直接関係がないと言い切ってしまってもよいと考えるようになった。
それでは石山合戦は、いったい何を争って十年以上の歳月と膨大な資源を費やし、数え切れない程の死者を出したのか?
それは「日本の流通経済を支配するのが誰か?」ということだったのではないかと思う。
当時の本願寺の所在地である「大坂」は、京都や琵琶湖から続く河川の道の終着であり、西日本の物流や海外貿易の大動脈である瀬戸内海の終着点でもあった。
陸運や空運の発達した現代では分かり難くなっているが、戦国時代の交通・物流は、海運・水運こそが中心で、それを抑えたものが経済の勝者となった。
戦国時代の「いくさ」も、地方の紛争の域を超え、天下の支配権を巡る規模になってくると、単純な武力の争いではなく、政治力・経済力がものをいう「戦争」に拡大してくる。
政治・経済に敏腕を振るった信長と、寺内町自治のネットワークで経済力・軍事力を行使した一向一揆がぶつかった要因は、どうやらそのあたりに集約されてきそうだ。
そこで持ち上がってくるキーワードは三つ。「鉄砲」「海の民」「寺内町」だ。
これまでにも少しずつ調べてきたが、もう少し詰めて行ってみたいと思う。
まずは「鉄砲」から。

2010年04月26日
前川淳「本格折り紙」
今年も新しい折り紙兜に挑戦しようと、ネットや書店の折り紙コーナーを漁っているうちに、物凄い本に出会ってしまった。
●「本格折り紙―入門から上級まで」前川淳(日貿出版社)
表紙写真に惹かれて手に取り、口絵にかっこいい兜を発見したので購入。前から順にページを繰りながら、面白そうなものを折ってみた。
その中からいくつか紹介してみよう。
基本的には正方形の折り紙、鋏による切り込み無しの原則で折り図が載っている。普通の15p折り紙では極めて困難なので、最低でも25p、できれば30p以上の紙が望ましいだろう。
今回は市販の25p折り紙用紙で、ともかく図に従って折ってみた。
かなり上級者向けの本なので、私もアップアップしながら「とにかく折ってみた」という状態だ。本で紹介されているのは、もっと素晴らしい写真なので、興味のある方はぜひ手に取ってみてほしい。

恐竜的なプロポーションがきちんと表現されていてかっこいい。
トリケラトプスは、折り図の通りだと「角が一本多い」と感じたので、今回は名前の由来通り「三本角」にしてある。

東洋と西洋の龍が、見事に折り分けることができる。
角や爪先の分岐が凄い。

正方形・切り込み無しの原則で、驚くべきことにカブトムシの体のパーツである足六本・羽四枚・角大小二本・そして触覚一対まで折りだしている!
しかも四枚の羽根のうち二枚は裏地の白を利用して透明感を表現してある!

そして最後を飾るのは「悪魔」

写真では分かりにくいかもしれないが、ちゃんと指が五本あり、矢印型の尻尾も生えているので自立する!
この本の素晴らしいところは、上掲の折り紙作品が、前から順に折っていくと、誰にでも完成させられる可能性があるということに加えて、折り紙を構成する基本理論が各所で解説されており、単に「図を見て折る」という段階から、自分で創作を折る段階への橋渡しになりうるということだと思う。
折り紙ファン必見の一冊だ。
最後になったが、かっこいい兜の折り図も掲載されていたのでご紹介。こちらはさほど難しくないので、本を見れば誰にでも折れる。
●「本格折り紙―入門から上級まで」前川淳(日貿出版社)
表紙写真に惹かれて手に取り、口絵にかっこいい兜を発見したので購入。前から順にページを繰りながら、面白そうなものを折ってみた。
その中からいくつか紹介してみよう。
基本的には正方形の折り紙、鋏による切り込み無しの原則で折り図が載っている。普通の15p折り紙では極めて困難なので、最低でも25p、できれば30p以上の紙が望ましいだろう。
今回は市販の25p折り紙用紙で、ともかく図に従って折ってみた。
かなり上級者向けの本なので、私もアップアップしながら「とにかく折ってみた」という状態だ。本で紹介されているのは、もっと素晴らしい写真なので、興味のある方はぜひ手に取ってみてほしい。

恐竜・ティラノサウルスとトリケラトプス
恐竜的なプロポーションがきちんと表現されていてかっこいい。
トリケラトプスは、折り図の通りだと「角が一本多い」と感じたので、今回は名前の由来通り「三本角」にしてある。

龍とドラゴン
東洋と西洋の龍が、見事に折り分けることができる。
角や爪先の分岐が凄い。

カブトムシ
正方形・切り込み無しの原則で、驚くべきことにカブトムシの体のパーツである足六本・羽四枚・角大小二本・そして触覚一対まで折りだしている!
しかも四枚の羽根のうち二枚は裏地の白を利用して透明感を表現してある!

そして最後を飾るのは「悪魔」

写真では分かりにくいかもしれないが、ちゃんと指が五本あり、矢印型の尻尾も生えているので自立する!
この本の素晴らしいところは、上掲の折り紙作品が、前から順に折っていくと、誰にでも完成させられる可能性があるということに加えて、折り紙を構成する基本理論が各所で解説されており、単に「図を見て折る」という段階から、自分で創作を折る段階への橋渡しになりうるということだと思う。
折り紙ファン必見の一冊だ。
最後になったが、かっこいい兜の折り図も掲載されていたのでご紹介。こちらはさほど難しくないので、本を見れば誰にでも折れる。

2010年04月27日
おりがみ兜の色々4
前回の記事で紹介した前川淳さんの「飾り兜」を、もう少し大きな紙で折ってみた。
金色のホイル紙で裏地が赤の、大きなサイズの折り紙用紙が売っていたので、今回はカラースプレーで裏地を黒鉄色っぽく塗りなおして使用。

かなり見栄えのするものが完成したと思う。
折りがけっこう複雑なので、側面や後ろから見て間延びしないのも素晴らしい。

ただ、折りが複雑であることとひきかえに、用紙のサイズに対して完成品のサイズが小さくなるのは仕方がないだろう。
実際にかぶれる大きさにするには、おそらく一辺80〜90cmの正方形から折ることになりそうだ。
そのかわり折りが何重にも重なる分、薄い紙でも強度が付けやすいというメリットもある。
もうすぐGW。
端午の節句の前後のお休みに、かぶれるものに挑戦してみるのも一興かもしれない。
過去の「おりがみ兜」紹介記事は、以下の通り。
おりがみ兜
おりがみ兜の色々
おりがみ兜の色々2
おりがみ兜の色々3
八咫烏の兜
これまでのおりがみ兜のまとめ記事はこちらです。
金色のホイル紙で裏地が赤の、大きなサイズの折り紙用紙が売っていたので、今回はカラースプレーで裏地を黒鉄色っぽく塗りなおして使用。

かなり見栄えのするものが完成したと思う。
折りがけっこう複雑なので、側面や後ろから見て間延びしないのも素晴らしい。

ただ、折りが複雑であることとひきかえに、用紙のサイズに対して完成品のサイズが小さくなるのは仕方がないだろう。
実際にかぶれる大きさにするには、おそらく一辺80〜90cmの正方形から折ることになりそうだ。
そのかわり折りが何重にも重なる分、薄い紙でも強度が付けやすいというメリットもある。
もうすぐGW。
端午の節句の前後のお休みに、かぶれるものに挑戦してみるのも一興かもしれない。
過去の「おりがみ兜」紹介記事は、以下の通り。
おりがみ兜
おりがみ兜の色々
おりがみ兜の色々2
おりがみ兜の色々3
八咫烏の兜
これまでのおりがみ兜のまとめ記事はこちらです。
2010年04月28日
八咫烏のおりがみ
この十数年、カラスについての神話に関心を持ってきた。
いずれこのブログでもカテゴリ「ワタリガラス」としてまとめてみたいのだが、思い入れが強い分、なかなか語りだせないでいる。
ここ一年ほどは雑賀衆、とりわけ八咫烏の紋を背負って戦国の世を駆け抜けた雑賀孫一という人物のことを探究しているのだが、これも偶然とは思えない縁を感じている。
最近、その八咫烏の折り紙がちょっとした話題になっていることを知った。サッカーワールドカップの日本チーム応援企画で、日本サッカー協会のシンボルにもなっている八咫烏を、紙で折って盛り上げようという趣旨らしい。
私はサッカーには疎く、このお話も本当に最近になるまで知らなかった。
いったいどんな折り方でどんな仕上がりなのか、さっそく公式ページから四種類の折り図を収得して試してみた。

まずは初級編。
極めて簡単な折り方で、おそらく小学校低学年でも大丈夫だ。
八咫烏の特徴である「三本足」は表現されていないが、とぼけた感じの味わい深いカラスの姿が出来上がる。

次に中級編。
これも簡単な折り方。今回は折った紙の色のせいか、鳩みたいになってしまった(笑)

そして上級編。
けっこう難しいが、協会のシンボルマークに近いデザインが、一部ハサミの切り込みを入れることによって見事に表現されている。
折りあげると満足感のある作品だ。

最上級編。
たしかに凄く難しい。難しいのだが、個人的には完成させてもちょっと微妙な感じで、喜びは少なかった。
一番目の初級編と、三番目の上級編がお勧めか。
ところで、私が最近ハマっている前川淳「本格折り紙」という本の中に、折り鶴のバリエーションとして「三つ首の鶴」という折り方が紹介されていた。
切り込み無しで首が三つある鶴が折れる。

折ってみてすぐに思ったのは、
「これ、頭と尻尾を逆にしたら八咫烏になるのでは?」
ということだった。
さっそく折ってみた。

立体感をつけてみたり色々試しているうちに、ややいじり過ぎてしまったかもしれない。

あまりリアル造形指向に傾くと、折り紙で表現する意味合いが薄れてくる。折り紙は本質的には「抽象化」「見立て」のジャンルなので、なるべくシンプルな方がいい。
そこがまた難しい。
難しいが、ハマってしまう(笑)
いずれこのブログでもカテゴリ「ワタリガラス」としてまとめてみたいのだが、思い入れが強い分、なかなか語りだせないでいる。
ここ一年ほどは雑賀衆、とりわけ八咫烏の紋を背負って戦国の世を駆け抜けた雑賀孫一という人物のことを探究しているのだが、これも偶然とは思えない縁を感じている。
最近、その八咫烏の折り紙がちょっとした話題になっていることを知った。サッカーワールドカップの日本チーム応援企画で、日本サッカー協会のシンボルにもなっている八咫烏を、紙で折って盛り上げようという趣旨らしい。
私はサッカーには疎く、このお話も本当に最近になるまで知らなかった。
いったいどんな折り方でどんな仕上がりなのか、さっそく公式ページから四種類の折り図を収得して試してみた。

まずは初級編。
極めて簡単な折り方で、おそらく小学校低学年でも大丈夫だ。
八咫烏の特徴である「三本足」は表現されていないが、とぼけた感じの味わい深いカラスの姿が出来上がる。

次に中級編。
これも簡単な折り方。今回は折った紙の色のせいか、鳩みたいになってしまった(笑)

そして上級編。
けっこう難しいが、協会のシンボルマークに近いデザインが、一部ハサミの切り込みを入れることによって見事に表現されている。
折りあげると満足感のある作品だ。

最上級編。
たしかに凄く難しい。難しいのだが、個人的には完成させてもちょっと微妙な感じで、喜びは少なかった。
一番目の初級編と、三番目の上級編がお勧めか。
ところで、私が最近ハマっている前川淳「本格折り紙」という本の中に、折り鶴のバリエーションとして「三つ首の鶴」という折り方が紹介されていた。
切り込み無しで首が三つある鶴が折れる。

折ってみてすぐに思ったのは、
「これ、頭と尻尾を逆にしたら八咫烏になるのでは?」
ということだった。
さっそく折ってみた。

立体感をつけてみたり色々試しているうちに、ややいじり過ぎてしまったかもしれない。

あまりリアル造形指向に傾くと、折り紙で表現する意味合いが薄れてくる。折り紙は本質的には「抽象化」「見立て」のジャンルなので、なるべくシンプルな方がいい。
そこがまた難しい。
難しいが、ハマってしまう(笑)