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2012年12月27日

friends after 3.11

 原発について語りたいことはあまりに多く、しかしそのことに割ける時間は限られている。
 このままではいけないと、この12月に入ってから書きたかったこと、今まで書けなかったことをまとめて駆け足で綴ってきた。
 
 3.11以降、原発についてあらためて情報を集め、各地の抗議行動の経過をネットで追ううちに、活動を行っている皆さんの中に幾人か見知った名前を見つけることがあった。
 面識のある人たちが各地で奮闘している様に力づけられたのだが、私にできることはせいぜいブログに自分の知る情報についてまとめたり、抗議行動の頭数として行けるときには参加するくらいだ。
 その電力会社前の抗議行動も、毎回参加ではないがある程度参加回数を重ねるうちに、顔見知りもできてきた。
 抗議行動は基本的に「バラバラの個人の集まり」という傾向が強く、開始時間と終了時間の前後にしばらく顔見知りと情報交換、立ち話などする以外、とくに繋がりは生じない。
 それでも常連さんたちのそれぞれの「芸風」がわかり、簡単な近況報告があると、名前も知らない参加者の皆さんに、それなりの親近感は湧いてくる。
 鳴りモノなどで目立った人がいて、興味をひかれてネットで調べてみると、かなり面白い活動をしている人だったりすることもある。
 たとえば、だるま森さん。
 色んな人がいるものだ。
 

 3.11という惨禍を契機に、人と人との新しい繋がりができる、今年はそんなテーマの映画も公開された。
 その映画は「friends after 3.11」と言うタイトルで、三月に公開。(もっと早くに紹介できればよかったのだが、ぐずぐずしているうちに年末になってしまった)
 公式サイトはこちら

 飯田哲也、岩上安身、上杉隆、鎌仲ひとみ、小出裕章、武田邦彦、藤波心、山本太郎……
 3.11以降、独自の存在感を示した皆さんの言葉を、監督・岩井俊二が克明に記録していく。
 出演した皆さんの中で、私がとくに衝撃を受けたのは、城南信用金庫理事長の吉原毅さんの存在だ。
 城南信金は吉原理事長の強い意向の元に、金融機関としては異例の脱原発活動を継続している。
 興味のある人は以下に紹介する公式サイトと、吉原理事長のインタビュー動画を参照してみてほしい。

 城南信用金庫



 ブックレットもある。


●「城南信用金庫の「脱原発」宣言」吉原毅(わが子からはじまるクレヨンハウス・ブックレット)
●「信用金庫の力――人をつなぐ、地域を守る」吉原毅(岩波ブックレット)

 私はこれまで、金融機関に対して良いイメージは持ったことがなかった。
 もっと率直に言えば、強烈な不信感を思っていた。
 折々いやでも目に入ってくる某経団連の酷さを見るにつけ、今の日本の「財界」なる閉じた領域には、そのサークル内の利益しか考えることのできない小人ばかりしかいないのではないかと思っていた。
 ところが映画を観て、本来の意味での経済=経世済民の理念を、本気で実現しようと奮闘している金融機関と、文学を語れるリーダーが存在することにかなり強いショックを受けた。
 出来ることなら城南信金に口座を開設したいところなのだが、あいにく地域的に離れすぎている。
 また、たとえ開設できたとしても、ほんの小額になるであろうことが残念である。

 ともかく、このような信金もあるのだということを、まだご存知でない皆さんに紹介しておきたいのだ。

 3.11の惨禍を超えて広がる世界も、確かに存在する。
posted by 九郎 at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする