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2013年01月14日

縁日ウクレレ

 民族音楽や民族楽器、とくに弦楽器が好きなことについては、先日記事にした。
 決してちゃんと演奏できるわけではないのだが、弦楽器をテキトーに爪弾きながら、好きな歌や語りものを口ずさむのが趣味である。
 その時のお供としてミニギターの類をずっといじってきたのだが、二十代はじめの頃、初めてウクレレを手にとった。
 今でこそウクレレは結構人気になっているが、当時はまださほどではなくて、60〜70年代のハワイアン流行り以降はまだ次の波が来ていない時期だった。
 だから当時私が購入したウクレレにも、サンプルの譜面に加山雄三あたりの曲が掲載されていて、苦笑した記憶がある(笑)
 ウクレレはギターより弦が少なく、ナイロン製なのではるかに抑えやすい。
 私程度の弦楽器の楽しみ方をするには本当にぴったりの楽器で、今でもギターと並んでよくいじっている。
 私の場合、楽器趣味は自分で工作したりペイントすることまで含んでいるのだが(たとえばこの記事)、ウクレレの場合は手頃な工作キットも何種類か出ているので、色々オモチャウクレレを作ってみたりもした。

 つい先日も、本屋で以下のようなセットを見つけた。

●大人の工作キット ウクレレ BOOK <組み立てウクレレ付>
 このセット、手頃な価格で手作りウクレレが楽しめ、ブックレットもそれなりに充実した内容なので、悪くはないのだが、購入の際は少々注意点がある。
 まず、木工をやったことがない人には組立も塗装もけっこう難しいだろうと言うこと。
 一応完成させることは誰にでも出来ると思うが、精密な「楽器」レベルにするのは難易度が高くなるので、「そこそこ遊べるオモチャウクレレ」程度に考えておいたほうが良いだろう。
 だからウクレレ自体を弾いたことがない全くの初心者の皆さんには、あまりオススメできない。

 同包のウクレレキット自体は、学校教材メーカーが販売している以下のものと、たぶん同じ内容だ。

●木工芸 工芸ウクレレ作り(アーテック)
 値段から分かると思うが、木材は全てベニヤや集成材で、他のパーツもそんなにいいものは使用されていない。

 私は同じメーカーでもより自作度の高い、以下のセットをよく作っている。

●木工芸 ウクレレ作り
●創作ウクレレ

 これらのセットは、一応弾いて遊べる程度のオモチャウクレレを、とにかく低価格で入手できることができるのが取り柄だ。
 私はこの十年ほど同じセットで色々作り続けてきたが、残念ながら品質は年々落ちてきている(悲)
 木材はけっこう当たり外れがあって、たまにネックの材が「まさかこれバルサじゃねーの?」と舌打ちするほどスカスカだったり、側面版が薄すぎて開封すると既に折れていたりする。
 固定用のゴムバンドが劣化していてちょっと伸ばすだけでバツバツ切れたりすることもある。
 指板は「単に黒いプラスチック板」だが、一応フレットは使えるレベルではある。
 付属の弦はなんだか釣り糸みたいな感じなので、市販のウクレレ弦を別途購入して張った方が良い。
 ちゃんとした楽器を期待すると失望するだろう。
 そのかわり価格が安いので失敗を恐れず、思い切った工作やペイントを楽しむことができるので、度々購入している。

 私の作例としては、以下のような「縁日ウクレレ」がある。

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 フリーマーケットに出店する際、我が「縁日屋」の看板がわりによく持参している。
 店先に飾っていると、「これは売ってないの?」と聞かれることもあるが、残念ながら販売はしていない。
 制作の手間を考えると、一万円以上は付けざるを得ないのだが、楽器として値段に見合うだけの性能は保証できないので、ちょっと売り物にはできないのだ……

【2013年5月追記】
 ここ十年ほど作り続けてきた上掲のウクレレ・キットだが、最近また値上がりしたようだ。
 十年前は1200円程度で入手できていたのだが、5年ほど前、1500円程度に値上がり。
 今年度からは定価1800円以上になっている。
 これでは「半完成品」と大差がない価格なので、わざわざ自作タイプを選ぶメリットがなくなってしまう。
 私も、今手持ちで抱えている以上に購入することは、もうないだろう。

 長い間楽しませてくれてありがとう。
 そして、さようなら……
posted by 九郎 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 音遊び | 更新情報をチェックする