荷物整理をしていたら、むかし熊野で描いたスケッチのコピーが出てきた。
おそらく90年代後半のもの。
たしか水彩の絵はがき用紙に、筆ペン、薄墨筆ペン、水筆使用。
遍路の合間、熊野本宮や新宮周辺で一息ついている時、知人向けに描いたものだ。
当時はそんな風に出した旅の便りが結構あったのだが、近くにコピー機があった場合は一応記録として残しておいたと記憶している。
本宮旧社地、大斎原。
まだ巨大鳥居が無く、静かな雰囲気だった頃の風景。
那智の浜から見た夜明けの海。
おそらく新宮の王子ヶ浜。
最後の一枚は、コピーではなく原画が残っていた。
新宮の阿須賀神社裏にある蓬莱山を、熊野川方向から眺めたもの。
遍路に疲れ果てている中、わざわざ描いてしまうだけあって、いずれも大好きな場所ばかりだ。
今度熊野に行けるのはいつの日か……