突然だが、かなり体重を落とした。
色々理由はあるが、一番は腰痛対策だった。
腰痛に限らず、身体のトラブルはその箇所だけ独立して問題にしない方がよい。
全身のバランスの中での、たとえば腰痛という結果なので、腰だけケアしても効果が薄いことは経験上よくわかっている。
幸いなことに私の腰痛はまだ「筋肉痛」のレベルで、骨格の痛みにまでは達していないと思われる。
これまでの私の腰痛対策としては、温めたりストレッチしたりするのがかなり有効だった。
その際にも腰だけでなく、肩や背中を含めて温めたり、臀部や腿を含めたストレッチがよく効いた。
より根本的にはどうしたらよいかと考え、腰痛がなかった時期と今で、一番変化したと思われる「体重増」という要素の解消を目指すことに決めたのだ。
年令的に、他のトラブルが出ないうちに、落とせるものならそろそろ落としといた方がいいということも、もちろんあった。
昨年のゴールデンウイーク頃から8か月ほどかけて、最大で7キロ近く落とした。
一年ほどかけて10キロ前後落とすことを目標にしてきたので、今のところ悪くないペースで進行している。
減量を開始するにあたって、どんな方法が自分にとって一番有効か検討した。
TVなどで定期的に評判になるような、「短期間で簡単に痩せる○×ダイエット」みたいなのに騙されない程度には年を食っている(笑)
現在の体重という結果は、普段の運動量と食事内容(つまりは生活習慣)という原因から生じる。
体重という結果を変えるには、生活習慣という原因を変えるしかない。
短期集中で「○×ダイエット」を行って、一時的に体重を落とすことに成功しても、続かなければリバウンドしてより悪い結果を招くだけだ。
とある世代以上は、「減量」というとすぐ「力石」と連想してしまうおバカが多い。
水分を取らず、サウナなどに入って飢えと渇きに死に物狂いで堪えるイメージだ。
(おバカとは他人のことではなく、私のことである)
確かに水分を制限して汗をかけば、簡単に1〜2キロは落ちて「力石気分」を味わうことはできる。
しかしそれは単に一時的な脱水状態になっているだけなので、体脂肪を落とすこととは何の関係もない。
昔ならいざ知らず、現代の体重制スポーツ選手も、普段から長期的に水分を制限したりはしない。
そんなことをしてもどんどん弱くなるだけなのは明らかで、水分を抜くのはあくまで計量直前の最終仕上げだ。
本当に体重を落とすなら、筋量を上げ、代謝を促進するために、むしろ水分は十分に補給しなければならない。
長期的に無理なく、生活習慣として定着できる程度の方法で、体重を漸減させていくのが減量の王道だろう。
運動量と食事内容の収支決算を、日常生活の中でどう変化させられるかを検討する。
私の場合、肉体労働とは比べるべくもないけれども、普段からそこそこの運動量(おそらく外回り程度)はあり、時間的にこれ以上トレーニングに割くのは難しい。
ならば、食事内容を変えるしかない。
もともと和食党で、一般的に言えば高カロリーの「太るメニュー」に、さほどの執着はない。
コメのご飯が好きで、おかずは標準から言うと少なめだったと思う。
そのような現状から食事量を削減するとしたら、ご飯などの主食の炭水化物を減らすしかないことになる。
と言うことで、以下のような日常の食事の注意点を設けた。
・炭水化物の量を意識的に減らす。
(飲酒する場合は炭水化物無し)
・満腹は避ける。
・間食は避ける。
まずは無理のないところで以上三点に気をつけてみることにした。
あまり厳格に考えず、数日〜一週間程度の収支で考えると実行しやすい。
食べ過ぎたと思ったり、付き合いで間食や飲酒をしたら、次の食事をごく軽めにするという程度なら、さほど頑張らなくても十分可能だ。
すると、最初の一カ月で簡単に1キロ以上減った。
「ああ、こんなに簡単に体重は減るのか」
そう分かると気が楽になった。
基本的には主食の炭水化物を半分程度に抑えるだけ。
おかずに関しては、面倒なカロリー計算やメニューの制限など一切必要ない。
ただ、満腹にならないように気をつけるだけ。
その後も続けた。
はじめの3〜4か月ほどは、月に1キロ程減っていき、その後も徐々にペースは落ちてきたが、減り続けている。
体感で言うと、このまま続ければあと2〜3キロは落ち、二十歳代前半の体重に戻りそうだ。
今のところ一応減量に成功しているのは、逆説的だが年令のおかげもあると思う。
まだ若くて胃腸が頑丈で、食欲旺盛な頃は、炭水化物を減らすことには耐えられなかっただろう。
年とともにやや胃腸が弱くなり、ちゃんと噛まないと腹痛を起こすということを学んだおかげで、若い頃から続くご飯をのどごしで味わうという悪癖を改めることができた。
振り返ってみると、ご飯を一気に食べて満腹感を味わう感覚は、快感を伴った一種の「ご飯中毒」だったのではないかと思う。
意識的に減量を開始する前から「よく噛む」という第一歩を踏み出していたことで、中毒症状から離れるのに成功できたのではないだろうか。
年食ってはじめてできるようになることも、結構あるのだ。