サッカーワールドカップ。
ようやく終わったか。
別に(俄を含めた)サッカーファンにはなんのうらみもない。
気持ちよく至高の舞台を楽しんでくれればいいと、他人事として願っていた。
私はといえば、とくに興味がないので毎度スルーしてきた。
みんなが盛り上がっているときに、わざわざ「興味がない」などと表明するのも野暮なので、ただ黙ってきたが、決勝も終わって一段落したので、ちょっと一言書いておきたいことがある。
この「縁日草子」はマイナーな神仏イラストブログであるけれども、何かのキーワードで画像検索した場合、上位に当ブログ掲載の自作イラストが並ぶことも多々ある。
そうしたイラストは、著作権に対する認識の甘い人に無断使用されてしまうことも多い。
(例えば、この記事にまとめたイラストなど)
そして、サッカーワールドカップが話題に上る時期になると、パクリがとくに急増し始めるのが以下のイラストだ。
言わずと知れたヤタガラスをモチーフにした画像である。
ヤタガラスは日本神話に登場するキャラクターだが、日本サッカーのシンボルとしても採用されているので、この時期アクセスとパクリが急増する。
念のために書いておくと、ヤタガラス自体には著作権は存在しないが、それをモチーフにしたイラストやシンボルマークには、それぞれの作者の権利が発生する。
上のイラストで言えば、ヤタガラスの三本足を密教法具風にデザインし、如意宝珠を頭上にいただいて神仏習合画像風に仕上げたところに、私のオリジナルがある。
元々商売で描いたものではないので、単なる無断使用であれば「画像を気に入ってもらえたのだな」と納得することもできるのだが、パクられて非常に不愉快な場合ももちろんある。
いわゆる「ネット右翼」みたいな奴等のtwitterのアイコン画像に、当該画像が使用されてしまっているケースである。
私はパワーバランスとしての心情左翼を自認しているけれども、日本の海山河や、そうした風土が育んできた文化を愛する「愛国者」でもある。
ただ「国家」というものに対しては、歴史上しばしば国土や庶民の生活を荒廃させてきたケースがあるので、無条件では肯定しない。
真っ当な保守と、パワーバランスとしての左翼がしのぎを削っておとしどころを探っている状態が、現状では「よりマシ」だと思っている。
頭の悪い右翼が幅を効かせ、グダグダの腰抜け左翼が自滅する状態は最悪に近いと思っている。
そんな私にとっては、不勉強なネット右翼風情に、自分が心血を注いだ画像をパクられるのは耐えがたい苦痛である。
ことのついでに、ヤタガラスについても少し覚え書きを残しておこう。
ヤタガラスと言えば「三本足」というイメージが一般にも広く知られているが、この「三本足」という要素の源流は、おそらく中国の少数民族の神話からきたもので、日本神話固有のものではない。
カラスという鳥は、世界各国の古い神話に登場し、善悪含めて多義的な役割を果たしており、中々一筋縄では読みとけない難物である。
少なくとも、日本の幼稚な国粋主義者などの手に負える代物ではないのだ。
私の描いたヤタガラスをパクってアイコンにしたネット右翼が、調子こいて某隣国のパクリ行為などをこき下ろしている様を見ると、心底うんざりする。
私のマイナーな画像だけでなく、アニメやゲームのキャラの画像をパクってアイコンにしている奴等は、見ているだけで身もだえするほど恥ずかしい。
おまえら、国籍は違っても似た者同士だよ。
まあ好きなだけやりあえや。
ただし、おれのイラストを即刻削除して、おれの宇宙の外でやれ。
まあ、私がこんな毒を吐くまでもなく、世間のサッカー熱が冷めるとともに、移り気なパクリ野郎共は次なる流行りものにアイコンを変えるのだが。。。