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2016年07月08日

争点は自分で決める

 選挙が近い。
 が。
 相変わらずというか、「関心が低い」だの「争点になっていない」だの、報道機関は存在意義を自己否定するような、くだらない言辞を垂れ流している。
 それでも参院選について報じていればまだマシな方で、都知事選の候補者選びなどという、緊急性のない、また東京以外の府県には直接関係の無い、言ってみればどうでもいいニュースばかり取り上げて、目前に迫った参院選に尺を割かない姿勢が目立つ。

 どうでもいい都知事選の報道に乱入し、参院選の重要争点のアピールをやってのけた石田純一さんは、本当に偉いと思う。
 その「全部承知」のアピールを、ピエロ扱いにしかできない報道。
 おまえらの方がよほどヘタレでアホだっつーの!

 新聞やテレビの報道は、少なくとも私にとってはもう大分前に終わっている。
 本当に知りたいことが報じられることなど、ほとんど無いのだ。
 
 しかしよく考えてみると、参院選の関心が低く、争点が明確でないことは、何も報道だけの責任ではない。
 報道に争点を決めてもらったり、関心を持たせてもらったりという姿勢そのものが、根本的な間違いなのだ。
 争点などは自分で決めればいい。
 私は絵描きなので、これまでの生育歴で「多数派」に属した経験をほとんど持たない。
 物の見方も趣味嗜好も世間さまとはズレたところにあり、今さら合わせる気もない。
 基本的にはアナーキーな絵描きである私が、政治に対して何らかの期待を持つとするなら、以下のような論点になる。
 
●日本の国土・領海の自然を守る。
 国破れて山河有り。
 国家などは歴史の中でいくらでも興亡するが、国土さえ保全されれば民は生きていける。
 この日本の麗しの山河を守るにあたり、最優先の緊急課題は全原発の即時廃炉だ。
 地震の活動期に入ったと言われるこの火山列島、よりによってその中でも最大級の活断層である中央構造線付近で、次々と原発再稼働が進められている。

 狂気の沙汰、地獄の沙汰である
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 川内か伊方で過酷事故が起これば、気流、海流により、日本の国土は壊滅してしまう。
 福島の惨状を放置し、隠蔽し、原発再稼働に前のめりな現政権に待ったをかけなければならない。
 今回の参院選と同日、川内原発をかかえる鹿児島県知事選も行われるが、脱原発派の新人候補が現職と接戦を演じているという。
 どうでもいい都知事選を報じるくらいなら、こちらの方がよほど報道価値があると思う。

●日本の文化、国柄を守る。
 日本古来の信仰とは何か?
 この答えは一つではない。
 歴史上のどの時点をスタンダードとするかで様々な考え方が可能だ。
 一応「記紀神話」が日本古来のものとされることが多いが、それは近世になって以降の、国学〜復古神道〜国家神道という一連の流れをくんだ発想だ。
 純粋な本来の神道というものが、歴史上のどこかの時点に存在したわけではない。
 事実だけ視るならば、古事記・日本書紀は成立当時有力だった各氏族の伝承を(かなり政治的に)集大成した「その時点での創作神話大系」だ。
 宗教、宗派に関わらず、改革や中興が行われる時にはしばしば「復古運動」の形が取られる。
 しかしそれは、一種のフィクションでしかない。
 実際の庶民の信仰では雑多な神仏習合の時代の方がはるかに長いし、長さだけで言うなら記紀よりはるか以前から続いたアニミズムこそが「本来の姿」ということになる。
 国家神道などは「きわめて短期間で破綻した近代日本の新興宗教」でしかなく、史実ではありえない神話を現実の天皇制に仮託して強引に「復古」し、その結果国を滅ぼした官製カルト宗教だと言う見方だってできる。
 ところがこの日本史上最悪のカルト宗教を、復活させようと目論む勢力がある。



 しかも、現政権構成員の大半がこの勢力の影響下におかれている事実がある。
 私は改憲というテーマについては「中身次第」だと思っているけれども、こいつら主導の改憲はイコール明治憲法への復古に他ならない。
 日本のおおらかな文化、国柄を守るためにも、絶対に議席数でフリーハンドを与えるべきではないと考えている。


 他にも自分なりの論点はあるが、優先順位では以上二点がだんとつで高い。
 関連して言えば、TPP参加なども国土や国柄を破壊する愚行だと考えている。
 名うての原発推進派であり、TPPの交渉に当たっていた某睡眠障害国賊議員は、さっさとつるし上げて質問攻めにすべきだろう。

 あとは選挙情勢と考え合わせて、最適と思える投票行動をとれば良い。
 個人でできるのは、そこまでだ。
posted by 九郎 at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする