2016年09月30日

加筆再掲;1/1ガンダム建立

2009年7月、以下のような記事を投稿した。
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 機動戦士ガンダム:「台場に立つ」18メートルの雄姿現す

 ここ一週間ほど、ネットでもかなり盛り上がっている1/1ガンダムの話題です。残念ながら手足を動かすことは出来ない「立像」だそうですが、細部まで造りこまれた姿には、往年のガンダム世代に限らず感動しているそうです。
 屋外の公園スペースで、木立から頭一つ抜け出した大きさの超リアルな「実物大」ガンダムが立っていたら、感動しない方がおかしいですね(笑)
 私自身は観に行けそうに無いのが残念ですが、近場にいる皆さんは今すぐダッシュでしょう!
「ガンダム 台場」で検索すると、実見してきたブロガーの皆さんの熱い記事がたくさんヒットします。
 制作費はおそらく数億円はかかっており、しかも期間限定の無料公開ということですが、経済効果を考えれば余裕で回収できるんじゃないでしょうか。
 すぐに思いつく経済効果としては、このガンダムの足元で、現行の精巧なプラモデルを販売すれば、数百円〜数千円のモデルから一万円を超えるものまで飛ぶように売れることでしょう。
 お客さんは単にプラモデルを買っただけでなく、払ったお金に替えがたい「この立像を体感できた感動」を形にして持ち帰るわけです。
 今回は期間限定ということですが、このガンダムを使い捨てにできるわけがありませんので、今後の展開も次々に開けていくことでしょう。

 このガンダム立像が正式公開前からこれだけ盛り上り、経済的にも成功するであろうことが予想されるポイントは、ひとえに「本気で造っている事」に尽きるでしょう。
 単に「大きなロボットを置いておけば子供が喜ぶだろう」というような安易な発想でなく、作り手の「真剣さ」「熱さ」が報道写真だけでもビシビシ伝わってくることが素晴らしいです。
 
 ここからやや強引に「神仏与太話」である当ブログ的な話題に繋げますと、故・西村公朝師の作品に「仏像は語る」と言う名著があります。



 この本の中に「新しいお寺を建立するとき、お堂か御本尊かどちらを先に造るか」という話題があります。〈新潮文庫版18P〜)
 実際にお寺を建立する場面に数々関わってこられた西村師は、「最初に御本尊を造るべし」と勧めておられます。
 お堂やお坊さんが寝起きする建物は、当面は仮設でよろしい。
 まずは御本尊をしっかり建て、後は勧進しだいで必要に応じて立替えるのが筋であろうとされています。

 今回のガンダム立像、なにやらこうしたお寺の建立話のような経緯を辿りそうな予感もしてきます。今後の動向に注目です。
 中身あってのハコモノ。
 お堂の建設話が先行では順序が違ってしまいます。
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 その一か月後の2009年8月の記事からも再掲。
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 この8月中に家電量販店のおもちゃコーナーを通りかかったときに、かの1/1ガンダムのデザインをそのまま縮小した1/144ガンダムのプラモデルを見つけてしまいました。


●HG1/144 RX-78-2 GUNDAM Ver.G30th (バンダイ)

 価格が安かったので即買い。実物を見に行けなかった心を慰めました。
 時間が無くてまだ作っておらず、箱を開けて眺めただけなのですが、それだけでもメーカー側の「本気」がうかがえる代物です。80年代のガンプラブームを過ごした元・少年は、是非手に取ってみてください。
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 これらの記事を書いてから7年あまり経過した現在、件の1/1ガンダムはバンダイのおひざ元、静岡などを経由したのち、再び東京に帰還。
 2012年にオープンしたガンダムフロント東京に近くのオープンスペースに、多少の改修を受けて展示されているそうだ。

 2010年発売の1/144RGガンダムに合わせた改修で、より密度を増している模様。


 2009年のガンダム30周年イベントが好評を受けて常設会場に進化した形で、まさに「本尊先行の寺院建立」と同じ経過をたどっている。

 この1/1ガンダムは、果たして「模型」か「実物」か?
 アニメ作品の登場メカであるガンダムは、当然ながら「実物」は存在しない。
 このガンダム立像は縮尺が1/1であるというだけで、あくまで再現模型だ。
 しかし、このレベルで細部にわたって外観が再現されるた全高18メートルの像を目の前にし、実際仰ぎ見てみると、それは確かな「体験」となる。
 ああ、ついに自分は本物のガンダムを見てしまったと、観る者に思わせてしまう説得力がある。
 奈良の大仏もそうだが、「大きさ」にはそれだけで力がある。
 大きさに加えて表現の「密度」があれば、その効果は最大になるのだ。

 そろそろ40周年も見えてきたガンダム文化だが、私たちの世代がお布施を払えているうちは、まず安泰だろう。
 ただ、例えば「ドラえもん文化」などと比べると、先行きそれほど明るいとも言えなさそうだ。
 読者・視聴者が常に新陳代謝され、F先生亡き今も万全の構えで続くドラえもんと比べると、ガンダムはどうしても先細り感が否めない。
 もちろん今でもガンダム好き、プラモ好きの子供はいるのだろう。
 小中学生あたりを対象にした新作アニメや商品展開があり、そこそこのセールスがあるのは知っている。
 けれども、私の身の回りではあまりガンプラ趣味の子供は見かけない。
 新作プラモは子供が手を出すには価格が高すぎ、パーツ点数が多すぎる。
 そもそも「近所のプラモ屋」というものがもうほとんど残っていない。
 この間まで地上波放送されていた「ガンダムユニコーン RE:0096」も、まあ毎週楽しみに観てはいたけど、どう考えても子供向けの内容ではなかった。
 おっさんが30数年前を回顧し、懐かしさでプラモを手に取る「古いアルバムめくり」みたいな感じだった。
 実際、日曜朝にアニメを見てから家電量販店に立ち寄ると、ガンプラコーナーにおっさん連中がいっぱいうろついていた。
 まさにおっさんホイホイ。
 そしてやっぱり子供は全然いない(笑)
 低年齢層への普及にはアニメやプラモより、ガンダムをネタにしたゲームの方が貢献しているのかもしれない。
 
 このあたりの危機感は、ガンダムの生みの親である富野由悠季監督が誰よりも強く持っていて、もう長年、必死でもがき続けているようにも見える。
 昔から一貫して、ガンダムやアニメの現状に不機嫌で耳に心地よくない言葉を吐き続ける富野監督。
 何年かに一回は本を買い、不愉快な言葉にじっくり付き合いたくもなるのだ。
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする