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2016年12月12日

旧キット、素組み、アクリルガッシュ筆塗り

 約一年前にプラモデル制作を再起動した。
 ぼちぼち空き時間に旧キットを作ってきて、今の自分なりのスタイルみたいなものができてきた。

 旧キットの楽しみ方は、人それぞれ。
 素組みと簡単仕上げで誰もがハイレベルな可動フィギュアを手にすることができる今のプラモと違って、百人百様の仕上がりになるのが旧キットの面白さだ。
 市販の関節パーツに置き換えて可動範囲を広げ、ポージングを楽しむ人もいれば、完全に無改造で塗装すらせず、往年のオモチャとしての風合いを楽しむ人もいる。
 モナカキットで形状変更がしやすいことを逆手にとって、徹底改修の素体として利用する人もいる。
 中でも旧キットファンのあいだで根強い人気なのが、形状に関してはあまり手を加えず、塗りを楽しみながらきっちり完成させるという方向性だ。
 子供の頃、技術やお小遣いが原因でできなかったことを、大人になってからリベンジするスタイルで、私もこの分類に入るだろう。
 以下に、今の私のプラモ制作スタイルをまとめてみる。

【基本は旧キット】
 旧キットの利点として、(ガンプラ限定だが)まず価格が安いことが挙げられる。
 コレクション向けの1/144スケールだと、量販店なら200円台からある。
 上位モデルの1/100スケールでも1000円を超えるものはあまりない。
 子供の頃手が出なかった最大スケールの1/60でさえ、2000円台だ。
 それでじっくり楽しめるのだから、趣味としては極めてコスパが高い。
 接着やパテ埋め、表面処理、塗装などは必須だが、その手間自体を楽しむのが旧キットの魅力だ。
 各作業工程で「乾燥待ち」を挟む必要があるので、一回に続けられる制作時間はせいぜい小一時間程度。
 これがまた、忙しい毎日の中の息抜きとしては、非常にほど良いのである。
 新しいキットだと、乾燥待ちの必要が無いのでついつい睡眠時間を削ってしまったりしがちだが、旧キットならその心配がない。
 何か他のことをしながら、合間にちょいちょいプラモを挟むということもできる。
 私だったら「絵や文章をかきながら」ということになる。
 そのうち「プラモを作りたいから、頑張って絵を描こう」という風に逆転してしまったりもするが、それもまた良し(笑)
 意欲が相互補完され、結果として絵や文章も進む。
 人生にはこうしたムダも必要で、旧キット制作は「けっこうマシなムダ」ではないかと思うのだ。

【素組み+α】
 形状については無改造を基本とする。
 スタイルや可動、組み立てやすさ、色分けを求めるなら、素直に新しいキットを買った方が良い。
 ただ、旧キットの場合は純粋に無改造で作ろうとすると、かえって組み立てや塗装が難しくなる場合が多々ある。
 組み立てや塗装の便、それから「素立ち」をカッコ良く見せるための関節の取り付け角度の微調整などは適宜ほどこす。
 何よりも「完成させる」ということを大前提とし、決して無理はしない。

【アクリルガッシュ筆塗り】
 これは私の制作スタイルの特徴になるのではないかと思うが、通常の模型用塗料ではなく、絵画やデザインで使うアクリルガッシュで筆塗りしている。
 下地をつや消しブラックのスプレーで吹き、そこから黒立ち上げ風にアクリルガッシュを重ねていくのだ。
 

●アクリルガッシュ 15色プレンティセット(ターナー色彩)

 利点をいくつか挙げてみよう。
 まず基本的なセットを一つ持っていると、ほとんどどんなプラモでも塗ることが可能であること。
 混色理論を知っていれば、プラモを買うごとにそれぞれの塗料を揃える必要がない。
 私はあまり緻密に美しく仕上げるタイプではなく、彩度を落として汚すスタイルなのだが、アクリルガッシュを基本色からの混色で塗ると、良い感じで彩度が落ちてくれる。
 発色を良くしたい場合は、何本かチューブを買い足せばよい。
 仕上がりがポスターカラーに似たザラッとつや消しの表面になってくれるのも良い。
 私がお手本としている大河原邦男や安彦良和、そして旧キットのボックスアートの雰囲気と、けっこう近い仕上がりになる。
 乾燥が極めて速く、遮蔽力も極めて強い。
 薄い重ねで、白や黄色がムラなく塗れるのはかなり便利だ。
 水性(乾くと耐水)の絵具を筆塗りなので、匂いや音が気にならないのも素晴らしい。
 溶剤やコンプレッサーを多用するエアブラシだと、こうは行かない。
 今さら旧キットを作ろうという人間は、おそらく各家庭のパパさんが多いのではないかと思うので、こういうところはけっこう重要ポイントだ。
 けっこう塗り重ねるし、つや消し仕上げなので、接着面の表面仕上げが「だいたいでOK」なのもありがたい。
 荒いヤスリスティックで合わせ目が消えてくれれば、後はつや消しブラックのスプレーの塗膜でそこそこ目立たなくなるので、通常の模型塗料での塗装より手が抜ける。

 ただ、今風の緻密で美しい仕上がりにはならない。
 80年代初期のガンプラ風、一昔前のミリタリー風の、ゴツゴツボコボコした荒い仕上がりになる。
 当ブログのこれまでの作例で言えば、シン・ゴジラやFG量産型ザクがそれにあたる。

 「シン・ゴジラ」リペイント

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 1/144FG量産型ザク

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 私自身は、世の流行り廃りとは関係なく、心の治療とかリハビリのような気分でプラモを作っているので、これで全く問題ないのである(笑)

 この他のプラモ・フィギュア作例については、以下のまとめ記事を参照!

 プラモ・フィギュア作例まとめ
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする