その中の一つが「300円のシャアザク」だ。
●1/144 MS-06S シャア専用ザク
主役機ガンダムと並んで無数のプラモが作られてきた敵機ザクの、記念すべき第一弾である。
時期によっては品薄の時もあるが、今でも昔と同じ300円(量販店なら2割引きくらいまである)で買えるのが素晴らしい。
商品紹介のために一応アマゾンのリンクを貼ってあるが、300円以上の値付けになっている時は真に受けず、まずは近所のプラモ屋か量販店へ。
箱の小ささ、パーツの少なさに、早くも涙腺がゆるんでくる。
そうそう、昔のプラモはこんなんだった……
さすがに平行四辺形の包みに入った極めて使いにくい接着剤は、今はもう付いていない。
スナップフィットではないので、接着剤は別に買いましょう。
なにはともあれ、ざっくり仮組。
これがカッコいいのかと問われると答えに詰まるが、とにかく全てが懐かしい。
誰が呼んだか「土偶ザク」。
茫洋とした顔立ちといい、なんのひねりもないスックとした立ち姿といい、確かに土偶や埴輪に近い趣がある。
丸っこい手にポコンと穴が開いている様など、愛おしくて仕方がない。
カッコいいとか悪いとかを超越して、かつてのガンプラ少年の魂に刻印された形状だ。
これはもう、こういうもの!
アニメに出てきたザクにはけっこう似ているし、これで正解!
ただ一点だけ改造を施すとするならば、やっぱりアレ!
古式ゆかしい「肩ハの字切り」だ!
というわけで、両肩を「ハ」の字になるようにカットし、1.2mmプラ板で塞ぐ。
これはザク系のガンプラの改造ポイントとしては定番中の定番で、確か往年の小田雅弘さんあたりが流行らせた改造法だったと記憶している。
この改造で立ち姿の「硬さ」がとれ、オモチャっぽさが劇的に改善されるのだ。
雑誌掲載の作例で度々目にしながら、小学生の私には実行できなかった。
せっかく苦労して手に入れたシャアザクを切り刻むための道具も技術も、そして勇気もなかったのだ。
しかし今の私ならできる!
なぜなら工作に年季の入ったおっさんだから!
ついでに肩軸の取り付け位置も「やや上、やや後ろ」に調整。
今回はあのフクザツな肩の接着の仕組みはパスで、単純にねじ込む方式にする。
別にガシガシ動かして遊ぶわけではないので、まあそれで充分。
全体につや消しブラックの缶スプレーで着色した後、ざっと一通りアクリルガッシュの赤をドライブラシして下地塗りにする。
さて、ここからどう色を重ねてていくか?
シャア専用モビルスーツの場合問題になるのが、あの「シャアピンク」をどう解釈するかだ。
(つづく)