●1/144 MS-06S シャア専用ザク
前回記事は両肩の「ハの字切り」をして下塗りを終えたところまで。
シャアザクのプラモを塗るときの思案のしどころは、あの「シャアピンク」をどうするかだ。
主人公のライバル役のシャアは「赤い彗星」の異名を持つジオン軍のエースパイロットで、その名の通り赤い色のモビルスーツ(今回はザク)に搭乗している。
ところがアニメの画面中のシャア専用機は(少なくともファーストガンダムの作中において)、実際には「薄ピンクとあずき色」で塗られていて、あらためて見るとさほど赤くはないのだ。
なぜ「赤い彗星」の乗機が赤でなくピンクなのかについては諸説ある。
よく言われるのは「ピンクの絵具が大量に余っていたから」という説で、一応もっともらしいが、絵描き目線だと「ちょっとあり得ない」と感じる。
他にも「主役機のガンダムと支援機のガンキャノンにはっきりした赤が使われているので、画面中で判別しやすいようピンクになった」という説があって、こちらは非常に納得できる。
凄いと思うのは、実際はピンクが使ってあるにもかかわらず、シャア専用機には間違いなく「赤」のイメージがあることだ。
ちょっと絵描きっぽく分析してみると、薄ピンクとあずき色の組み合わせが暗い宇宙の背景の中を「通常の三倍」のスピードで動くことにより、残像の中でブレンドされて「赤」のイメージが残っているのではないかと思う。
さらに、「赤」と補色関係にある「緑」の量産型ザクが脇を固めることで、相対的に「赤」のイメージは強調されている。
まさに配色の妙である。
最近のプラモのシャアザクはけっこう「赤」が強調されているのだが、今回は原点になったアニメの配色をリスペクトしながら塗っていきたい。
ただ、「薄ピンク」をカッコよく武骨に、連邦軍側から見れば恐怖の対象として塗るというのは難しい。
基本的にピンクと言えば、ほんわかと可愛らしい、幸福感漂う色なのだ。
ここはやはり、ピンクの彩度を落とすことで渋みを出していかなければならない。
アクリルガッシュの白、黒、赤、朱を混ぜながら、明暗をつけつつ塗り重ねる。
場所によっては黄土や茶、紫なども微量加えて変化をつける。
例によって「ザク型のキャンバスにザクの絵を描く」つもりで塗り重ねると、以下のようになった。

面相筆とマッキー極細で下手糞なマーキングも施してあるが、まあご愛敬。

ガンプラマンガ「プラモ狂四郎」の連載第一回で、足首が固定であることをネタにされてしまったこのシャアザク。
動かないことでは定評がある最初期の旧キットだが、一応ザクマシンガンの両手持ちはできる。

やだなにこれ、けっこうカッコいい?!
こうして今日も心のリハビリ、自己満は続くのであった……
この他のプラモ・フィギュア作例については、以下のまとめ記事を参照!
プラモ・フィギュア作例まとめ
(旧キット1/144シャア専用ザク おわり)