前々回記事で紹介した、私の考える「ガンプラ旧キット三種の神器」の内、シャアザクと量産型ザクの作例は既にアップした。
今回はいよいよ「世界で一番売れたプラモ」である、1/144ガンダムを作ってみよう。
スーパーロボットから一段進化したリアルロボット時代の幕開けを告げるプラモの記念すべき第一弾にして、80年代初頭のガンプラブームの折、全国のプラモ少年が血眼で探し回った伝説のプラモである。
当時は過熱するブームに生産が追い付かず、韓国で生産された箱絵が別バージョン(偽物というわけではなく、単に海外生産のバンダイ公式プラモ)まで登場した。
ガンプラの歴史もそろそろアラフォーだが、「あのガンダム」が、今でも昔と同じ300円で買える幸せを噛みしめながら、まずは素組みしてみる。
かすかに緑がかった白の成型色は、まさに昔作った記憶通りだ。
あらためて形状の良さに感嘆する。
決して今風のカッコ良さではないが、アニメ作中のファーストガンダム、大河原邦男や安彦良和の絵の中のガンダムの雰囲気を、非常によく再現している。
このプラモ以前のアニメロボットの玩具は、超合金にしてもプラモにしても、もっとオモチャっぽいスタイルだった。
強度的にもギミック的にも、手に取って遊ぶためのアレンジが入っているのが普通だったのだ。
ここまでテレビ画面のイメージ通りに再現され、しかも模型として合理性のある1/144というスケール設定のモデルが、小学生のお小遣いでも無理なく買える300円で実現されたことは本当に凄いことだったのだなということが、大人の眼で見るとよく理解できる。
一発目でこの奇跡的な水準のモデルを発売できたからこそ、今に続くリアルロボットの文化が生まれた。
このガンダムの原型師は、間違いなく現代日本の文化の一つを創出したのだ。
この形状はもう、あれこれいじるべきではない。
じっくり味わいながら素組みし、存分に塗ってみよう。
ただ一点、腰に「武器セット」のバズーカを装着する小改造だけは施した。
これは、私が当時一番好きだったソノラマ文庫小説版ガンダムの、大河原邦男による表紙イラストを再現するためである。
塗り方も大河原邦男のラフなポスターカラーのタッチを参考にしてみた。
例によってなんとかの一つ覚え、つや消しブラックの下地からのアクリルガッシュ筆塗りである。
子供の頃は、白い成型色の上に原色の赤青黄を塗るのがとても難しかった。
すぐムラになるし、顔の細かな塗り分けがまた難しかった。
しかし、いまならできる!
一応絵描きなので(笑)、「ムラ」を「筆タッチ」だと強弁できるのだ!
永遠のライバルのシャアザクと並べてみる。
もうおっさんなので、これをつまみに酒が飲めるのである。
この他のプラモ・フィギュア作例については、以下のまとめ記事を参照!
プラモ・フィギュア作例まとめ