このところ、川口真由美さんのCDをヘビーローテーションで聴き込んでいる。
彼女のことを知ったのは、去年の関西反原発デモでのことだった。
会場に着いた私は、特設ステージを観たり、手持ちの手作りギターで発声練習などをしながら、デモまでの時間をつぶしていた。
のどが乾いてドリンクを物色しに周辺のテントをまわっていたら、私のもっていた100均ボックスギターに目を止めた女性が声をかけてくださった。
さっきまでステージで歌っていた川口真由美さんだった。
生で歌を聴いたのははじめてだったのだが、私好みの放浪芸的な曲もあって、生き方として歌う必然性のある人は、やっぱりパワーが違うなと思っていた。
しばらくお話しさせてもらったり歌ったりして、とても楽しかった。
最近はデモのコールがラップのスタイルになることが多くなってきているのだけれど、川口さんのプロテストソングスタイルもやっぱり良いのである。
川口真由美さんは、ステージやCDももちろん素晴らしいけれども、辻説法のような「現場」が最も相応しい、凄みのある歌い手である。
Youtube等でその活躍の多くを見ることができるが、デモや座り込みの現場で聴くのが、たぶん一番心に沁みるのである。
暴虐の「現場」での川口さんは、ときに荒ぶるカーリーのごとく怒り、歯噛みしながら絶唱する。
今私が聴いているCDは静かな曲調が多いけれども、そこには不屈の反骨が秘められている。
わがニッポンには、このような「反骨の絶対量」が、まだまだ足りないのだ。
CDの中で、個人的には「コンドルは飛んでいく」の替え歌、「声は海を渡る」が好きになった。
100均ボックスギターで自分でもちょっと歌ってみたりしながら、またデモ等で声が聴ける日が来ることを、楽しみにしているのである。
川口真由美さんのCDは、以下のサイトで通販されている。
●「想い 続ける 沖縄・平和を歌う」