ズゴックについては、以前に一度シャア専用機を作例紹介したことがある。
ズゴックの場合、シャア専用と量産型の違いは配色のみで、他のシャア専用機、ザクやゲルググのような中隊長マークの「角」はついていない。
キットも金型は共通で、違いはパッケージと成型色だけだ。
成型色は、シャア専用は例の「シャアピンク」一色、量産型は青味のあるグレー一色なので、全塗装が前提になる。
●1/144 MSM-07 量産型ズゴック
●1/144 MSM-07S シャア専用ズゴック
シャア専用の記事でも書いたが、形状自体は良好。
この世にズゴックの立体物が存在しないゼロの状態、しかも水陸両用MSの人体からかけ離れたプロポーションの再現というハードルがある中、よくこのレベルのものが300円で発売できたものだと感心する。
異形揃いの水陸両用MS中、最も洗練されたデザインがよく再現されている。
両手のアイアンクローは開閉選択式。
先のシャア専用機は両手とも「閉」にしたので、量産機は片手を「開」にしてみる。
個人的に、旧キットには今風の塗りはあまりに合わないと思う。
昔のカラー設定画等を眺めながら、例によってつや消しブラックからのアクリルガッシュ筆塗りで全塗装。
アニメの色指定より彩度を落とし、水中を潜った時の汚れを意識しながら、ちまちま塗っていく。
色分けはほぼアニメ設定通りだが、背中の推進器だけ変更。
設定では上半身と同じ薄いブルーグレーのことろを、シャア専用と同様一段濃い色にしてある。
筆タッチや汚し、マーキング等は、シャア専用のときに「ちょっとやりすぎた!」と感じたので、今回は大人しめに。
このズゴックも、色分けや可動、プロポーションが大幅に改良された初期HGUC版があり、価格もさほど高くない。
●HGUC 1/144 MSM-07 ズゴック
旧キットに特段の思い入れのない堅気の衆は、やはりこちらを選ぶのが順当だろう。
そして前回記事のゴッグ同様、当時発売の1/100旧キットも、実はかなり出来が良い。
●1/100 量産ズコック
●1/100 MSM-07S シャア専用ズゴック
ポリキャップ未使用、プラ素材の軸可動ながら、爪の開閉も腰の回転もありで、色分けもほとんど成型色で再現できている。
さすがにプロポーションは今風のカッコよさではなく、ちょっと「パンツデカすぎ」な感じはするけれども、逆にその方が二足歩行する巨大メカとしてはリアルという見方もできるだろう。
現行のガンプラではさらに上位モデルとして1/144ではRG、1/100ではMGのズゴックが発売されているが、品質の高いことは十分承知しているけれども、「私の思うプラモ」とはズレるのである。
●RG 1/144 MSM-07 量産型ズゴック
●RG 1/144 MSM-07S シャア専用ズゴック
●MG 1/100 MSM-07 ズゴック
●MG 1/100 MSM-07S シャア・アズナブル専用ズゴック
水陸両用MSが活躍したアニメのジャブロー編では、更迭されていたシャアが再びガンダムの前に立ちはだかるシーンが印象的だった。
後年、安彦良和によって描かれたマンガ版では、シャアが地元の原住民部族を味方につけ、巨大地下基地建造で環境を破壊する連邦を打倒するために共闘する描写がある。
このあたりは数々の「政治劇」をマンガで手掛けてきた安彦良和ならではの新約で、大変面白い。
(続く)