2017年07月08日

ブーム当時のガンプラ5 その他のスケール

 ここまで、80年代初頭のガンプラブーム当時売れ筋だった1/144、1/100スケール、そして上位モデルだった1/60、1/72スケールや、小サイズの1/250スケールのキットについて紹介してきた。
 以上は主にファーストガンダムに登場するMSが模型化されたシリーズだが、作中には他にも魅力的なメカが多数登場し、ブームに乗って多くが模型化された。
 以下、各スケールごとに紹介してみよう。

【1/550スケール】
 このスケールでは、主として「モビルアーマー」(略称MA)が模型化された。
 全高18mの人型汎用兵器であるMSに対し、形状や大きさの制約を外し、限定的な戦局に特化した兵器がMAである。
 MSよりかなり巨大なサイズ設定のため、売れる値段帯から逆算してこのスケールになったようだ。
 デザイン的には富野監督の原案が強く反映されているものが多く、一目見たら忘れられないインパクトを持っていた。
 ファーストガンダムのメカデザインにおける富野監督の功績は、もっともっと語られてよいだろう。
 同じく富野原案の水陸両用MSを凌ぐ個性派ぞろいで、一連のMAデザインと比べると、あのゾックですら大人しく見える。
「MAはガラ悪い学校のガチ不良で、ゾックは進学校の不良みたいやな……」
 おっさんになるとそんなアホな妄想も湧いてくる。

 キットは特徴をとらえた佳作ぞろいで、再販頻度は低いが時期さえ合えば昔の定価で入手可能。
 MAの大半は現行キットとしてリメイクされておらず、再版されるとわりとすぐに売り切れてしまう。
 いくつかのキットには同スケールのMSが付属しており、先に紹介した1/250情景模型付属の1/550MSと合わせて、様々なパターンでMAの巨大さが感じられるディスプレイが楽しめた。
 1/550MSはボードゲームのコマサイズで、おまけ扱いながらかなりの種類がキット化されていたのだ。


●アッザム(定価400円)
 厳密に言うとこのメカはMAには入らないかもしれない。
 同スケールのガンダム(ライフル)、マゼラアタック付き。
●グラブロ(定価300円)
 水中専用。作中に登場した初の本格的なMA。
●ビグロ(定価300円)
 宇宙戦用MA。高い機動性により、アムロを失神に追い込んだ。


●ブラウ・ブロ(定価700円)
 サイコミュによるオールレンジ攻撃ができるニュータイプ専用MAで、キットでももちろん再現可能。
 ブーム当時発売されたMAキットでは最高額で、「ブラウ・ブロってこんなデカかったのか!」と驚いたものだ。
 同スケールのガンダム(ライフル)付き。
●ビグ・ザム(定価300円)
 ソロモン要塞を守るジオンのドズル・ザビ中将が、決死の特攻の際に自ら搭乗した巨大MA。
 戦艦並みの圧倒的な火力を誇る。
 作中では物凄く巨大な印象があったが、プラモになってみるとブラウ・ブロより小さくて逆にびっくりした。
 作中のドズルの言によると、「ビグ・ザムが量産の暁には連邦なぞあっという間に叩いてみせるわ!」とのことだったが、結局間に合わなかったようだ。
 今でも何年かに一度MAのキットが再版された時には、量販店の模型コーナーの一画に「ビグ・ザムの平積み」が出現することがある。
 その傍らでは「ドズル閣下、量産間に合いましたよ……」と呟くおっさんの姿が、日本国中で見られるとか見られないとか……
●ララァ・スン専用モビルアーマー(定価300円)
 エルメスのことである。
 キットの発売当初は作中の名称である「エルメス」と表記されていたが、ある時期からこの「変な名前」に変更された。
 変更理由を正しく理解できたのは、大人になってからのことだった(笑)
 同スケールのビット10個、シャア専用ゲルググ付き。


●ザクレロ(定価500円)
 キット本体は1/250。
 個性派ぞろいのMAの中でも極めつけにヘンテコなデザイン。
 大口を開け、牙をむいた「顔」を持ち、両手に「鎌」を振りかざすその姿は、メカというよりもはや妖怪?
 1/550ザクレロ、Gパーツをはいたガンダム付き。
●ミデア(定価400円)
 こちらはMAではなく連邦軍輸送機。
 アムロ憧れのマチルダ・アジャン中尉の乗機だ。
 同スケールのドム三機付き

【1/1200スケール】
 このスケールと、後で紹介する1/2400では、ファーストガンダムに登場する宇宙戦艦の類がキット化された。


●シャア専用ムサイ(定価300円)
●量産型ムサイ(定価300円)
 ともにジオンの宇宙戦艦。
●ホワイトベース(定価1000円)
 ガンダムの母艦。
 同スケールのガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、ガンペリー付き。

 以上三種と、後で紹介する1/2400ホワイトベースは、ブームのかなり初期にはキット化されていた。
 ガンプラブームは先行するヤマトプラモブームを引き継ぐ流れにあったので、主要な宇宙戦艦は早々に発売されたのだ。
 MS人気が一気に爆発する中で戦艦のキット化は一旦休止され、ブームが終わった後に「落ち穂拾い」のような形で残りが発売された。


●サラミス(定価400円)
 連邦の宇宙戦艦。
 同スケールのジムとボール三機ずつ付属。
●マゼラン(定価500円)
 連邦の宇宙戦艦。
 同スケールのジムとボール二機ずつ付属。
●ガウ攻撃空母(定価300円)
 ジオンの地球圏用空中空母。
 同スケールのザク、ズゴック、ドップ付属。

【1/2400スケール】

●ホワイトベース(定価300円)
 ガンダムの母艦。
●ザンジバル(定価300円)
 ジオンの戦闘艦。
●グワジン(定価300円)
 ジオンの宇宙艦。

【1/20 キャラコレ(キャラクターコレクション)】
 全10種、各100円で登場人物モデルシリーズ。
 キット化されたのは以下の十人。

●アムロ・レイ
●シャア・アズナブル
●マチルダ・アジャン
●セイラ・マス
●カイ・シデン
●フラウ・ボウ(ハロ付き)
●ガルマ・ザビ
●イセリナ・エッシェンバッハ
●ブライト・ノア
●ララァ・スン

 ガルマやイセリナが入ってなんでミライやハヤトが入ってないのかなど、ちょっと疑問も残るラインナップだが、小サイズ、低価格ながら造形はそれなりに良く、後のアニメフィギュア商品化のはしりになったシリーズである。
 私も当時、確かアムロとシャアは作ったはずだ。
 ただ、安い分未塗装の白の成型色一色だったので、小学生には塗装がとてつもなく難しかった。
 私はあの頃の小学生の中では塗りが上手い方だったと思うが、とても残念なアムロになってしまったことを覚えている。
 シャアだけはマスクで顔が見えないので難易度が低く、なんとかマシな出来に仕上げることができた。
 現在、アニメフィギュアやキットはもう「完全塗装済み」とか「完全色分け済み」が前提になっており、ブーム当時のこのシリーズのように「残念な仕上がり」が量産されなくなった分、スケールも大きくなり、価格も高騰している。
 その難易度から「人物模型を自分で塗る」という文化は定着しなかったが、アニメフィギュアの膨大な需要創出という点でこのシリーズの功績は極めて大きい。

 キャラコレシリーズに関しては他のガンプラと違って当時のキットの再販はないが、成型色をクリアーに代えた全種ボックスセットとして再発されたことがあり、今でも探せばさほどのプレミア無しで入手可能だ。
 未組立のコレクションではなく、実際作って塗りたいなら昔の白の成型色の方が良いのだが、当時品をバラで探すとかえって高くつく。
 今お求めの場合はボックスセットの方がお勧めだ。


●20th Anniversary ガンダムキャラコレボックス

【その他のガンプラ】
 ここまでの紹介で、ブーム当時「バンダイから発売されたプラモデル」という意味でのガンプラは、大体網羅できているはずだ。
 他にも「ガンダムチョコスナック」のおまけとして付属していた約1/300スケールのミニプラモがあり、こちらはバンダイが制作していて、ほぼ全種のMSが揃えられた。

 バンダイ以外では、確かツクダホビーから固定ポーズのミニプラモが出ていた。
 これは元々ホワイトメタルのフィギュアとしてばら売りしていたものを、プラ素材の四種セットとして再発したものだったと記憶している。
 ホワイトメタル版は値段が高く、塗装が難しかったが、プラ素材になってかなり手を出しやすくなった。
 小さいながら細身なシルエットがカッコよく、MSの種類もかなり出ていたので、私はけっこう好きだった。

 その他、ガシャポン等のフィギュアまで含めると、ブーム当時のガンダムの立体物は、熱狂的にハマり切っていた私でも全部は把握できていない可能性が高い。
 当時を知る人で、「こんなのもあった」という情報があれば、よろしくご教示を!

 当時のガンプラを調べのつく限り並べてみて、つくづく「あのブームには今のキャラクターモデル文化の可能性が、全て萌芽として揃っていたのだな」という感を持つのである。
 このカテゴリサブカルチャーでは今後も折にふれ、プラモの作例も挙げながら、主に70〜80年代サブカルについて語っていきたい。

(「ブーム当時のガンプラ」了)
posted by 九郎 at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする