闘病記の類もこれに含まれ、近年話題になったものには、たとえば以下のような作品がある。
●「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」田中圭一(KADOKAWA)
●「がんまんが 私たちは大病している」内田春菊(ぶんか社コミックス)
こうしたメジャー作品でなくとも、自分の心身と対話するマンガ作品の世界には広がりがある。
このところお世話になっているマンガ投稿サイト投稿マヴォにも、ときおりそうした作品がアップされている。
最近読ませていただいたのは、朝来おかゆさんの作品。
他人との会食に不調がでるご自身の体験を紹介したエッセイだ。
会食恐怖症 前編
会食恐怖症 後編
人の数だけ心身の状態には差があるのだなと、あらためて感じる。
標準の鋳型があまりに強い世の中は、実は誰にとっても生きにくいのだ。
私自身も一年半ほど前の入院記を投稿させていただいたところだ。
啓発マンガ「脱腸騒動記」:投稿マヴォ

拙いながら綴ってみて感じたのは、マンガ形式で描くことの効用だった。
マンガとして表現を成立させるためには、文章以上に「読み手に対して分かりやすく」というベクトルが働く。
作品を描く過程で、自分の実体験に対し否応なく「客観性」を持たされるのだ。
描くことで全てが解決されるわけではないにしろ、様々な気付きがあり、それは読み手にも共有され得る。
みんな、描けそうならマンガで描いてみるといいと思う。
絵はごくごくシンプルで良いのだ。
色んな人の心身との対話を読んでみたい。