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2018年05月01日

2018年5月の体調管理

 GWに突入し、年度初めのバタバタも一段落。
 一週間ほど前、風邪気味でしばらく頭痛が続いた以外は、大過なく乗り切れた。
 経験的には、気が張っている年度初めより、それが一段落したGW明けの方が体調を崩しやすい。
 二年前のヘルニア騒動も、五月末のことだった。

 マンガ「脱腸騒動記」

 今しばらく「無理せず、明日できることは明日に」の心がけを継続。

 焼酎(糖質0)をロックで軽くいっぱいやりながら、今夜もぼちぼち夜を過ごす。
 ワゴンセールで安くゲットした真空マグカップがすごくいい。
 結露しないので周りが濡れないし、氷が3時間くらい余裕で溶けずに残る。
 注いだ焼酎が冷やされながらも薄まらないので、結果的に酒量は少なくて済む。



 焼酎ロックには真空マグ!
 縁日草子のお勧めです!

 相変わらず久米仙(泡盛)か黒霧島を飲んでいる。



 どちらもさほど高くなく、とても美味しいのでコスパの高い焼酎だ。
 この間、たまたま酒が切れたときにどちらも売っていなくて、仕方なくセブンイレブンで「麦職人」という安い焼酎をつなぎに買った。
 値段が値段なので全く期待していなかったが、これが意外と飲めて驚いた。
 懐が寒いときはこれでもいいか。

 こんな感じで、今月もぼちぼち行きます!
posted by 九郎 at 22:20| Comment(0) | 神仏絵図覚書 | 更新情報をチェックする

2018年05月03日

twitter登録

 遅ればせながら、先月4月からtwitter登録しました。
 頻繁に呟く用途ではなく、当面はブログの記事更新告知と連絡用です。

 今のところ一日一回は新記事や過去記事の紹介などを行っておりますので、ブログ読者の皆さんもよろしければのぞいてみてください。

 烏帽子九郎twitter

 現在のアイコン画像は昔制作したキモかわキャラ「らんちう」、ヘッダー画像は先日紹介した「ガジュマルの森」です。

 らんちう
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 ガジュマルの森

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 よろしくお願いします。
posted by 九郎 at 19:57| Comment(0) | 電脳覚書 | 更新情報をチェックする

2018年05月07日

絵本の哲人 加古里子

 本日、絵本作家・加古里子さんの訃報があった。
 子供のころから大好きで、大人になってからも「再会」し、感動を新たにした人の死は、やはり悲しい。
 加古里子さんについては、今年1月に記事を書いた。
 加筆の上、再掲しておきたい。

(以下、2018年1月8日投稿記事に加筆し、再投稿)

 先日、TVのニュースで絵本作家・加古里子(かこさとし)先生の新刊紹介があった。
 あの「だるまちゃんシリーズ」の最新作が、なんと三冊同時刊行されるという!


●「だるまちゃんとかまどんちゃん」
●「だるまちゃんとはやたちゃん」
●「だるまちゃんとキジムナちゃん」
(いずれも福音館書店)

 私は70年代生まれ。
 かのシリーズについては、当時刊行されていた初期数冊分は大好きで、小さい頃繰り返し読んでいた。
 一般的にはやはり「だるまちゃんとてんぐちゃん」が一番人気だと思う。


●「だるまちゃんとてんぐちゃん」

 もちろん私も大好きだったのだが、個人的には「だるまちゃんとかみなりちゃん」がフェイバリットだ。


●「だるまちゃんとかみなりちゃん」
 だるまちゃんが連れていかれたかみなりの国の描写が素晴らしい。
 パノラマ図で次々と紹介される、「かみなり文明」ともいうべき異世界に圧倒される。
 まずテンポの良い詞書にのせられて次々とページを繰っていく楽しみがあり、一通り読み終わると見開きの細部を隅々まで楽しむことで二度美味しいのだ。
 大人になって読み返すと、「演出」の妙に唸りつつまた楽しめる、一生ものの一冊である。

 幼少の頃、絵本は母親が存分に買い与えてくれて、なかでも加古里子の本は母子ともにお気に入りだった。
 母も父も、寝る前にけっこう読み聞かせをしてくれたので、私と二歳下の弟は共に本好きになった。
 加古里子の絵本から入って読書の楽しみに目覚めた子供は、たぶん膨大な数になるはずだ。
 科学絵本も数多く制作されていたので、小学生になってからも加古里子作品はずっと追っていた。
 さすがに中高生以上になると読まなくなっていたが、十年ほど前にまた絵本に興味が出た。
 ちょうどその頃、拙いながら絵本の文章パートを書く機会があり、その勉強もかねて書店や図書館を渡り歩くようになった。
 絵本コーナーに行ってみると、懐かしい「だるまちゃんシリーズ」や「からすのパンやさん」「どろぼうがっこう」等の作品に、三十年の時を経て、いっぱい続編が制作されていることを知り、驚愕した。
「え! かこ先生って今おいくつ?」
 調べてみると、その頃すでに八十歳を超えておられたのだった。

 子供の頃はただただ絵本に入り込むばかりだったが、大人になって読み返す加古里子作品には、「繰り出される妙技に酔う」という新たな楽しみがあった。
 声に出して読み、ページをめくる。
 見開きの絵と詞書の配列が最適かつ簡潔で、次の見開きが目に飛び込んでくる「間」に唸る。
 絵本としては文字数多めの作品が多いのだが、構成の上手さで無理なく読めてしまう。
 そうした創作技術は、以下の本でかなり詳しく紹介されている。


●「絵本への道」加古里子(福音館書店)
 前半は自伝的な構成になっている。
 それによると先生は若い頃演劇や紙芝居を経験し、働きながら徐々に絵本の世界に入っていったとのこと。
 不特定多数の読者に対する作品を手がける以前に、観客(とくに子供)直接対面する形の表現をやっておられたことが、あの構成の妙を生んだのだなと、あらためて納得できる。
 人形劇、紙芝居、絵本、マンガ、それぞれの表現形式違いが事細かに解説してあり、かなり理詰めで制作しておられるのがよく分かる。
 絵本に限らずビジュアル表現、とくに紙媒体で作品内に「時間の流れ」がある表現形式を志す人にとっては、必携の一冊ではないだろうか。

     *     *     *

 そして今年、九十歳を超えた絵本の哲人・加古里子、新作三冊同時刊行である。
 筆致を拝見する限り、ちょっと視力が落ち、視野が狭くなっておられるのかなという気はした。
 しかしそれは必ずしもマイナスには働いておらず、ふわりと柔らかな絵の雰囲気に、新たな魅力を感じた。
 それぞれの年齢で描ける絵がある、視えない中でも描ける絵があるということは、本当に素晴らしいことだ。

 こと「表現」という分野において、「欠損」は必ずしもマイナスではない。
 足らざることが個性になり、制約は広がりとなりえる。
 死の直前まで現役であり続けた絵本作家に、背筋を正される思いがする。
posted by 九郎 at 21:00| Comment(0) | 児童文学 | 更新情報をチェックする

2018年05月10日

天下一のペーパーナイフ

 GWに実家に帰った。
 実家に帰ると、なんだかんだと昔のものが出てくるものだ。
 今回の帰省でも、押し入れという名のマウンテンサイクルから、いくつかの黒歴史が発掘された。
 そのうちの一つをご紹介。
 まずはブツの写真から。

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 うちはごく普通の一般家庭なので、これは別に土蔵から出てきた古刀でも、裏山からの出土品でもない。
 大きさが分かりやすいように、カッターナイフを比較対象に置いてみる。

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 こんな風に、ごく小さいものだ。

 そろそろ正体を明かすと、昔私が作ったものである。
 古いものに接すると、古い記憶が色々蘇ってくる……

 小学校低学年の頃、私は忍者になりたかった。
 当時はまだ忍者マンガやアニメの流行の名残りで、「サスケ」や「カムイ外伝」の再放送が度々あった。
 私の忍者好きは、多分その影響だったはずだ。
 高学年になると、さすがに「今は忍者はいないらしい」と分かってくるので、「やりたいこと」や「なりたいもの」にも、現実とのすり合わせが行われる。
 剣道を習いはじめたのが、ちょうどその頃だった。

 そして同じ頃、「刀鍛冶になりたい」と思っていた。
 これは国語の教科書に載っていた「天下一の鎌」という物語の影響だったはずだ。
 ポケットナイフの「肥後守」が普及していた時代なので、彫刻刀に付属した小さな砥石でそれを研ぐことから、私の「刀鍛冶ごっこ」は始まった。
 ある程度研げるようになると、今度は「刀を打つ」という行為もしてみたくなる。
 さっそく近所の鉄工所の屑鉄入れから、手ごろな鉄板や鉄棒をくすねてくる。
 鉄板を下敷きに、鉄棒を金づちで打って形を整える。

 カツーン、カツーン、カツーン……

 ふう、と汗をぬぐいながら鉄棒を打ち続ける小学生の私。
 火遊びはいけないので、さすがに焼きは入れなかったはずだが、気分は完全に刀匠である。

 形がそれっぽくなったら、例によって砥石で表面を整える。
 今回紹介しているのは、たぶんそうした「刀鍛冶ごっこ」の遺留品の一つだと思う。
 今は見る影もなく錆が浮いているが、あの頃はペーパーナイフ程度には切れていた。
 拾ってきた鉄棒が実際に切れるようになるのが嬉しくて仕方がなかった。

 子供の頃の私が刃物作りにこだわったのは、今思うと母方の祖父の影響もあっただろう。
 このカテゴリ原風景でも度々紹介してきた、大工で木彫りが好きだったおじいちゃんである。
 おじいちゃんは木を加工するだけでなく、そのための彫刻刀まで各種自作してしまう人だったのだ。

 私は小さい頃からよくおじいちゃんの真似をしていたのだ。

 記憶の底4
 奇妙な記憶3
 ヌートリア
 おじいちゃんの弁当箱は
posted by 九郎 at 21:13| Comment(0) | 原風景 | 更新情報をチェックする

2018年05月18日

ナイフみたいにとがっては

 実家の押し入れから発掘されたブツの続報。

 前回記事:天下一のペーパーナイフ

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 刀鍛冶にあこがれていた小学生の頃、近所の鉄工所の屑鉄入れから拾ってきた鉄棒から打ち出した、小さな「刀」である。
 当時は磨き上げていたのだが、長い年月を経て再会してみると、見る影もなく錆びついていた。

 せっかくだから空き時間に錆をとり、ついでに当時は成形していなかった「切先」も削り出してみた。

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 小学生の頃と同様、手持ちのやすりと彫刻刀砥石、耐水ペーパー等で磨き上げていると、また色々記憶がよみがえってきた。

 打ち上げた「刀」を熱心に砥ぎ上げる小学生の私。
 水をくぐらせ、水分をふき取ってから光にかざし、仕上がり具合を確かめつつ、飽きずに延々と砥ぎ続ける。

 刀の反りがけっこうリアルで、思い込みの強い子供の「狂気」を感じる。
 確か当時習っていた剣道で使用する木刀を参考にしていたはずだ。
 磨けば磨くほど怪しく光る刀身に、没入しきっていた。

 遊びの範疇で済んで本当に良かった……


 念のために確認しておくと、ごく小さなもので、切れ味もペーパーナイフ程度。
 コピー用紙一枚分が切れるくらいなので、法令に違反するようなものではないはずだ(笑)

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posted by 九郎 at 21:10| Comment(0) | 原風景 | 更新情報をチェックする

2018年05月20日

平井和正初期短編集「悪夢のかたち」

 平井和正は1938(昭和13)年5月13日、神奈川県に生まれた。
 寅年生まれであることを自身の気性の激しさと重ね、あとがき等で冗談めかしてよく書いている。
 家族、とくに母親との折り合いがあまり良くなかったことも何度か文章にしている。
 家族関係の機微について、一方の当事者の言い分だけでは実際のところは分からないが、「作家・平井和正」の創作に関わる心の領域では、それが「真実」であったのだろう。 
 モチーフとしての「母親の不在」は、繰り返し作中で描かれている。

 少年時代から手塚治虫や海野十三に影響を受け、マンガや小説に親しみ、自分でも作品を制作していた。
 中学二年の時には長編小説「消えたX」を大学ノートに書き上げ、同級生の間で人気だったという。
 この作品を祖型として、後に長編「地球樹の女神」が結実していくことになる。
 マンガについては、同年代の少年たちの雑誌投稿作品の完成度にショックを受け、早々に見切りをつけたというエピソードもあるようだ。
 後にその中の一人、石森章太郎とのコンビで、代表作「幻魔大戦」シリーズをスタートさせることになる。

 1958年、中央大学に進学してからはペンクラブに所属し、主にハードボイルド作品を執筆していた。
 当時はレイモンド・チャンドラーや山本周五郎の影響が強かったようだ。
 在学中の61年、「殺人地帯」で第1回空想科学小説コンテスト奨励賞を受賞。
 62年には「レオノーラ」が「SFマガジン」に掲載され、商業誌デビューを遂げている。
 そしてその翌63年には、マンガ「8マン」の原作を担当、アニメ化された「エイトマン」でも脚本を担当し、大ヒットとなる。
 マンガ原作者としてはこれ以上ないほど順調なスタートを切った平井和正だが、志すところはあくまで「SF作家」であった。
 多くの原作仕事に多大なエネルギーを割きながらも、暗い情念の迸るような初期短編を、60年代には書き続けている。
 人間の精神の暗部、破壊衝動をイメージした「虎」というモチーフの頻出するこの時期は「虎の時代」と呼ばれる。
 70年代以降は長編、それも十巻を超えるような大長編中心に執筆するようになり、自分でも「長編型」と言い切る平井和正だったが、数としては少ない初期短編は、いずれも強い印象を残す。

 私が平井作品を読み始めたのは80年代後半、高校生の頃だった。
 当時、書店の文庫コーナーの一画を占領していた「幻魔シリーズ」「ウルフガイシリーズ」を読み尽くし、その勢いのまま短編集に突入した。
 長編同様、どれも本当に面白かったが、中でも好んで読み耽ったのは以下の一冊。


●「悪夢のかたち」(角川文庫)
【収録作品】
「レオノーラ」
「ロボットは泣かない」
「革命のとき」
「虎は目覚める」
「百万の冬百万の夢」
「悪夢のかたち」
「殺人地帯」
「死を蒔く女」
「人狩り」

 著者はじめての作品集「虎は目覚める」に、後に数編を加えて刊行された短編集である。
 主にデビュー前後の時期に執筆された作品ばかりで、初期衝動が濃縮されたような一冊だ。

 人間と機械の交錯、映し出される闇
 人種間の憎悪
 制御不能の呪い、毒念
 破壊衝動と創造性の関係
 歴史改変と多元宇宙
 知らぬ間に自分の心を侵略する異物感覚
 自然の精霊

 今あらためて読み返すと、後の長編でも追及される主要なテーマが、作家としてのキャリアの最初期から全て出揃っているように見える。

 当時の私は、最後に収録されている「人狩り」が一番好きだった。
 90年代に入ってからは、コピーしたものを持って、何度も熊野の山々をさまよい歩いた覚えがある。
 作中の「追われる男」とは立場がまるで違うけれども、厳しく美しい自然の中で、小さな灯を頼りに夜を過ごしていると、闇のどこかに「相棒」がいてくれるような気がしてきたものだ。
 ずっと後に執筆されたウルフガイシリーズ「黄金の少女」編のキンケイド署長にも、同じように感情移入出来て好きだった。

 私は最初に角川文庫で手に入れ、読み込んでボロボロになったので、後にリム出版の「平井和正全集」(中断)のハードカバー版で買い直した。
 現在はどちらもやや入手困難か。
 やっぱり紙の本が似合う一冊だが、電子書籍でもいいので再刊してほしい所だ。


 現在、紙媒体で入手し易い平井和正初期作品集は、以下の一冊になるだろう。
 収録作品のいくつかは「悪夢のかたち」とも重なっている。


●「日本SF傑作選4 平井和正」(ハヤカワ文庫JA)
【収録作品】
第一部
「レオノーラ」
「死を蒔く女」
「虎は目覚める」
「背後の虎」
「次元モンタージュ」
「虎は暗闇より」
「エスパーお蘭」
「悪徳学園」
「星新一の内的宇宙」
「転生」
第二部
「サイボーグ・ブルース」
「デスハンター エピローグ」


 青春期、こうした暗い情念と向き合う作品を必要とする若者は、今も昔も変わらず一定数居るはずだ。



 あの頃の自分の懊悩を遠く愛でながら、「人狩り」から一枚スケッチ。

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(クリックすると画像が大きくなります)
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2018年05月26日

過去記事更新

 以前投稿していた記事に、かなり加筆訂正しました。

極私的80年代リアルロボットアニメ年表
posted by 九郎 at 11:23| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2018年05月27日

分岐点1983(80年代リアルロボットブーム覚書)その1

 この2年ほど、昔のガンプラをもう一回作りながら、80年代前半の「リアルロボットブーム」について、あれこれ考え続けてきた。
 私はまさに「直撃世代」で、小中学校をその渦中にどっぷりつかって過ごしてきた。
 幸か不幸か、ハマりやすい対象年齢であるローティーンの期間に、ちょうどぶち当たっていたのだ。
 過去記事でまとめた年表でまとめた通り、私はリアルロボットアニメの質量ともに最盛期は、1983年あたりだったのではないかと考えている。
 そして、日本のサブカルの一つの「分岐点」もまた、そのあたりにあったのではないかと思うようになった。

 前後1年も含めた82〜84年の三年間の流れを、前出の年表から抽出し、更に加筆してふり返ってみよう。
(★はリアルロボットアニメ作品そのもの、●は関連事項、〇はサブカル時代背景)

【前史】
 79年放映されたTVアニメ「機動戦士ガンダム」は、80年に入って視聴率不振により打ち切られた。
 しかし熱心なファンの応援もあって放送終了後にバンダイから異例のプラモデル発売
 81年には劇場版が公開され、作品、プラモデル共に社会現象レベルのブームが勃発する。
 同時期のTVアニメ作品「伝説巨神イデオン」「太陽の牙ダグラム」もヒット。
 ガンプラブームの余波を受け、それぞれアオシマ、タカラから発売されたプラモデルもヒット。

【82年】
★劇場版完結編「機動戦士ガンダムV めぐりあい宇宙」公開
★TVアニメ「戦闘メカ ザブングル」放映開始
★TVアニメ「超時空要塞マクロス」放映開始
★劇場版「THE IDEON 接触篇 A CONTACT」
 新作映画「THE IDEON 発動篇 Be INVOKED」同時公開

●コミックボンボン誌上でガンプラマンガ「プラモ狂四郎」(やまと虹一)連載開始。
 以後「ボンボン」誌は実質「低年齢向け模型誌」になり、当時の人気モデラーが毎号ハイレベルな作例を発表する場になる。
●ホビージャパン別冊「HOW TO BUILD GUNDAM 2」刊行
●「ガンダム」作中のメカがプラモで出尽くし、ブームが継続中にも関わらず「弾切れ」となる。
●「ザブングル」のプラモデルがバンダイから順次発売されるも、ガンプラほどのブームにはならず。
●「マクロス」のプラモデルはイマイ、アリイから発売し、ヒット。

〇マンガ「AKIRA」「風の谷のナウシカ」連載開始
〇映画「ブレードランナー」公開

【83年】
★TVアニメ「聖戦士ダンバイン」放映開始
★TVアニメ「装甲騎兵ボトムズ」放映開始
★TVアニメ「超時空世紀オーガス」放映開始
★TVアニメ「機甲創世記モスピーダ」放映開始
★TVアニメ「銀河漂流バイファム」放映開始
★劇場版「ザブングルグラフィティ」
    「ドキュメント 太陽の牙ダグラム」
    「チョロQダグラム」同時上映

●ガンプラ、アニメ作中に登場しないバリエーションメカ展開である「MSV」シリーズ販売開始。
 社会現象と呼べるほどのガンプラブームは既に収束していたものの、好調に新製品の発売が続く。
●バンダイから「ダンバイン」「バイファム」、そして「ボトムズ」「オーガス」「モスピーダ」のプラモデルもそれぞれ他社から順次発売。

〇劇場版「宇宙戦艦ヤマト 完結編」公開
〇角川劇場アニメ第1作「幻魔大戦」公開
〇劇場版「うる星やつら オンリー・ユー」公開
〇マンガ「北斗の拳」連載開始
〇映画「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」公開
〇任天堂「ファミリーコンピュータ」発売
〇ビデオ機器の普及、進む

【84年】
★TVアニメ「重戦機エルガイム」放映開始
★TVアニメ「機甲界ガリアン」放映開始
★TVアニメ「巨神ゴーグ」放映開始
★TVアニメ「超時空騎団サザンクロス」放映開始
★劇場版「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」公開、主題歌と共にヒット。

●バンダイから「エルガイム」、そして「ガリアン」「ゴーグ」「サザンクロス」「劇場版マクロス」のプラモデルも、それぞれ他社から発売。
●好調だったガンプラMSVシリーズ、「弾切れ」により失速、新製品の発売終了。
●コミックボンボン別冊「スーパーモデリング」刊行
●月刊模型誌「モデルグラフィックス」創刊

〇劇場版「風の谷のナウシカ」公開
〇劇場版「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」公開
〇マンガ「ドラゴンボール」連載開始

【その後の流れ】
 85年には(ファンにとってもスポンサーにとっても)待望のガンダム続編、TVアニメ「機動戦士ゼータガンダム」が放映され、バンダイからプラモデルも発売されるが、かつてほどのブームにはならず。
 86年には更なる続編「機動戦士ガンダム ダブルゼータ」放映されるが、TVシリーズとしてはこれでいったん終了となる。
 80年代後半に入るとリアルロボットアニメのTVシリーズが切れ目なく放映される流れは収束、85年のファミコンソフト「スーパーマリオブラザーズ」の爆発的ブームと共に、プラモブームも収束していくことになる。
(続く)

posted by 九郎 at 01:04| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする

2018年05月28日

分岐点1983(80年代リアルロボットブーム覚書)その2

 前回記事でもまとめたように、81〜82年のガンダム劇場版三部作大ヒット、同時進行の空前絶後のガンプラブームから、リアルロボット路線のアニメが奔流のようにTV画面に溢れるようになった。
 作品数としては翌83年がピークで、84年には減少に転じ、85年には待望のガンダム続編である「ゼータ」が放映されるが、その後は収束に向かっている。
 このように作品数の推移だけ書き出してみると、当時の熱気を知らない人には、以下のように判断されてしまうかもしれない。

「ガンダムブームに便乗して似たような作品が粗製乱造され、わずか数年で需要を食い尽くした」

 しかし、当時のブームを体感した世代なら周知のことだけれども、短期間にこれだけの作品数が制作されたにも関わらず、決して「粗製」ではなかった。
 ガンダム後のどの作品も、単なる模造品ではなく、新規のアイデアを盛り込んでいた。
 リアルロボットが「リアル」であるためには、綿密なSF考証や独自の世界観の構築が不可欠だったのだ。

 たとえば「イデオン」は、異星文化との接触を描いた堂々たるSFであった。
 たとえば「ダグラム」は、よりリアルなミリタリー色を強調したストーリー、デザインであった。
 たとえば「ザブングル」は、建設重機をドッカンドッカンぶつけ合うような痛快なアクションであった。
 たとえば「マクロス」は、徹底したSF考証とアイドル要素を盛り込み、変形メカの至宝であるバルキリーを生み出した。
 たとえば「ダンバイン」は、異世界ファンタジーや生物的なメカデザインをTVアニメに導入したパイオニアであった。
 たとえば「ボトムズ」は、リアルロボットデザインの一つの極北であるスコープドッグを生み出した骨太な作品であった。
 たとえば「バイファム」は、少年少女の宇宙漂流を描いた上質の児童文学作品のようであった。
 たとえば「エルガイム」は、永野護という異能を世に出し、後のメカデザインに決定的な影響を残した。
 他の作品もそれぞれに特徴があり、世界観があり、新機軸のメカデザインがあった。

 ただ、決して「粗製」ではなかったとはいえ、やはり「乱造」であったということは言えるかもしれない。
 これだけ作品が重複して放映されていると、かなりのファンでも全て追いきれるものではなかったし、ましてプラモのシリーズをコンプリートすることなど、とてもできるものではなかった。
 当時のプラモは今のもののようにサクサク「パチ組み」できるものではなく、完成させるまでに非常に手間のかかる代物だった。
 パーツを切り出し、接着剤で溶着、合わせ目を丁寧に消すことを繰り返しつつ、塗装も全て自分でやらなければならなかった。
 コアなプラモファンにとってはそれが「たまらなく楽しい」のだが、普通に考えるとかなり「めんどくさい」ホビーだったのだ。
 時間的にも経済的にも、熱心なファンですら作り切れないほどのプラモの大量供給に加え、83年のファミコン発売、85年のスーパーマリオ大ヒットである。
 コアなファン以外の一般層が、より手軽に楽しめるゲームに流れるのは止めようがなかっただろう。
 最初のガンプラブームは小学生から大学生くらいまでの膨大な数の一般ファンがこぞってプラモ屋に殺到したことで成立した。
 劇場版ガンダム三部作の完結、登場メカの「弾切れ」を受け、そうしたマニア以外のファンの熱は一段落してしまった。
 83年以降のリアルロボットプラモブームは「外堀」を埋められた条件下にあったのだ。

 そして「内堀」の中では供給過多が起こっていた。

 興味はあっても作品を追いきれない。
 プラモが作り切れない。
 そんなもどかしさを持つファンは多数いたはずだ。

 ファンがじっくり作品を味わい、余裕をもってプラモを楽しめるのは、1年にせいぜい2作品、ぎりぎり3作品くらいまでだろう。
(実際、81〜82年のガンプラブーム最盛期は、そのようなペース配分だった)
 83〜84年の作品数はどう見ても異常で、せっかくの素晴らしい「素材」を味わう余裕が無いままに放映期間が過ぎ、プラモの新規発売が終了してしまうもったいなさがあった。
 需要は細分化され、どの作品のプラモも「売れていないわけではないが、大ヒットまではいかない」という感じだったと記憶している。
 スポンサー側がもう少し抑制的であれば、限られた「内堀」の枠内で同士討ちのような競争をせずに済み、「ポストガンダム」のプラモ文化を安定的に育てられた可能性もあったかもしれない。
 しかしそれはあくまで現時点から逆算した結果論である。
 需要の見込めるところに金も人も殺到するのは無理のないことだ。
 これだけ多様な「世界観」や「メカデザイン」のストックが、後世に残されたことをまずは肯定すべきなのだろう。

 ピークにあたる83年作品については、近年それだけのテーマで一冊の特集本が刊行されたこともあった。


●1983年のロボットアニメ (双葉社MOOK)

 83年作品では、個人的に「機甲創世記モスピーダ」が好きだった。
 タツノコアニメとして「新造人間キャシャーン」の系譜を継いだようなシリアスなSF作品で、破壊された世界を旅するチームの描写が、味わい深かった。
 OPとEDの曲も素晴らしくて、今でもよくカラオケで歌っている(笑)
 それだけ好きだったのだが、プラモの方は他のシリーズを手がけていたので「モスピーダ」まで手が回らず、心残りがずっとあった。
 プラモの発売元がバンダイであれば、ガンプラほどではないにしても当時の旧キットの再販機会は見込める。
 しかしバンダイ以外のメーカーの場合、今現在プラモの再販機会は極端に少なく、通常は当時品をある程度のプレミア覚悟で探すほかない。

 ところがあれから35年経った今年、青島から「モスピーダ」のプラモの再販があったので、本当に驚き、嬉しかった。
 次の再販機会があるのかどうかわからないので、往年のファンはとりあえず確保をお勧めしたい。







(続く)

posted by 九郎 at 00:17| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする

2018年05月29日

分岐点1983(80年代リアルロボットブーム覚書)その3

 リアルロボットアニメの作品数がピークにあった1983年、当時の私の各作品やプラモデルへの関りは、以下のような感じだった。

★TVアニメ「聖戦士ダンバイン」
 全話ではないが作品は観ており、異世界ファンタジーの世界観や生物的メカデザインに惹かれた。
 ファンの間では「世界観を壊す」という理由で不評だった後半主役メカ「ビルバイン」のデザインも、私にとってはものすごくカッコよく見え、大好きだった。
 いくつかプラモデルも買ったが、このシリーズは作品世界を忠実に再現した凄まじくカッコいい箱絵のレベルに、プラモ本体がついていけていないという悲劇があった。
 せっかくの生物的デザインがあまり活かされていない出来に、やや不満が残った。
 
★TVアニメ「装甲騎兵ボトムズ」
 残念ながら放映エリアから外れており、アニメ自体は視聴できなかった。
 プラモデルに興味はあったが、小サイズのものをいくつか買うにとどまった。
 私がこの作品の世界観の真価を知るのは、数年後、小説による外伝作品「青の騎士ベルゼルガ物語」を読んでからである。

★TVアニメ「超時空世紀オーガス」
 確か放映時間帯の関係で視聴できなかったはずで、プラモデルも買わなかった。

★TVアニメ「銀河漂流バイファム」
 普段ロボットアニメなど観ない友人も多数ハマったりしていた。
 もしかしたらファーストガンダム以降、もっとも「ロボットアニメファン以外」を呼び込めた作品かもしれない。
 プラモデルの出来も良いという噂は聞いていたが、私自身は他のシリーズ優先で手が回らず、作品を楽しむにとどまった。

★TVアニメ「機甲創世記モスピーダ」
 前回記事でも紹介した通り、作品自体でいうと、この年私が一番好きだったのが「モスピーダ」かもしれない。
 しかし同じくプラモまで手が回らず、小サイズのものをいくつか買うにとどまった。

 リアルタイムで放映している作品を楽しみながらも、プラモの方には「興味はあれどもハマり切れない」という傾向は、翌84年も続いた。
 ではその期間、私を含めたプラモファンの一番人気のシリーズが何だったのかというと、やはり「ガンダム」だった。
 82年に劇場版が完結し、作中に登場したメカがその年のうちに「弾切れ」になったにもかかわらず、83〜84年になってもガンプラの新製品は、供給が続いていた。
 アニメに登場したMSの、プラモ独自のバリエーション展開、通称「MSVシリーズ」である。

 MSの派生デザインは、大河原邦男自身の手により、最初のガンプラブーム(81〜82年)の時期から特集本の企画等で、いくつか発表されていた。
 その一種の「知的遊戯」に、当時の人気若手モデラーユニット「ストリームベース」の面々が食いつき、作例を発表していった。


●「HOW TO BUILD GUNDAM 1&2」

 アニメ作画の制約を受けない、ゴツゴツと機械的なデザインのカッコよさは、まさに衝撃的だった。
 82年に入り、アニメ登場の人気メカのプラモ発売が一巡してしまったことに寂しさを感じていたファンは、その新しい「遊び」に救いを求め、熱狂した。
 なにしろ元になる映像作品が存在しない、メタフィクション的な世界観である。
 発表されたハイレベルな派生デザインだけに留まらない広がりが、そこにはあった。
 あまり難しい改造が出来ない小学生でも、自分好みに流用パーツをベタベタ貼り付け、好きな色に塗ってしまえば、「僕の考えたMS」が出来てしまう。
 既に二年続いたガンプラブームに、小学生モデラーの技量もそうした遊びが可能な程度には底上げされていたのだ。
 マンガ「プラモ狂四郎」がまさにそうした遊び方を啓蒙する作品であったし、何よりも、大河原邦男の描くファーストガンダムのシンプルなMSデザインには、素朴な改造ごっこ受け止められる「包容力」が、十分にあった。
 狂四郎の活躍や、毎号掲載される時宜を得た改造作例が盛り上がりに拍車をかけ、ついに83年、バンダイもアニメ未登場のMSVシリーズ発売開始に踏み切った。

 ファンにとってもメーカーにとっても、「ガンダムの後も、やっぱりガンダム」だったのだ。
 
 可能性としては、他のリアルロボット路線の作品がプラモデルの主軸を担い、以後もバトンリレー形式に交代していく流れもありえたはずだ。
 しかし現実には、83年の分岐点にあたり、プラモファン主導で選ばれた方向性は「ガンダムの継続」で、私もそんな流れを後押しした多くの小学生ファンの中の一人だった。
 この分岐は85年の続編アニメ「機動戦士ゼータガンダム」制作の遠因となり、最終的にガンダムは「終わらない(あるいは終われない)」代替不能のシリーズとなり、現在に至る。

 こうした「時代の雰囲気」は、ガンダム20周年を記念して1999年に刊行された以下の本に、詳細に記録されている。


●「ガンプラ・ジェネレーション」五十嵐浩司・編(講談社)
 懐かしい作例や、「プラモ狂四郎」の後日譚読み切りマンガ、当時の関係者の証言がいっぱいに詰まった一冊である。
 資料としてもとても価値が高いと思うのだが、ほんの少しだけ、「偽史」と呼ぶべき内容も含まれていたりする……
(続く)
posted by 九郎 at 00:24| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする