まず、九月頭の台風21号。
屋外は命の危険すら感じる凄まじい雨と風。
激甚災害クラスの一日だったが、絵描きの立場で言えば、お休みでゆっくり絵をかけた一日でもあった。
被災者は24時間100%被災者であるわけではない。
日常意識を死守すべき「待ち時間」もまた重要。
私の場合は絵だ。
暴風除けに室内に入れた鉢植えガジュマルの一枝をスケッチ。

台風を何とか無事やり過ごした後の日曜も一日雨。
他にできることもないので、再びガジュマルをスケッチ。
ふと思いついて、採点用の朱藍えんぴつの藍色の方で。
ガジュマルの葉はかなり濃いのでけっこう馴染む。

描いてから、緑の補色の朱色の方でも面白かったかもと思っていたら、翌日も大雨警報が続いた。
「いやほんま、こないに雨続き警報続きでは仕事になりまへんわ」
などとつぶやきながら、しゃーないから赤鉛筆でガジュマルスケッチ。

前回の藍色の方がしっくり馴染んでますが、ガジュマルの「南国風味」「怪しさ」は、こちらの方が再現できてるかもしれない。
いずれも、ガジュマルの枝葉の仕組みを理解するためのスケッチなので、描写自体はごくあっさりしている。
手数を減らしてガジュマルらしさを出す練習である。
こんな風にガジュマルスケッチを重ねているのは、沖縄をテーマにしたF50のアクリル画をじわじわ描き進めているからだ。
直近の沖縄アクリル画ガジュマルの森は、約一年前に描き上げた。

この一枚で何かつかめた気がしたので、着想が霧消しないうちに描き進めている。
サイズが大きい分、細部描写の必要に迫られて、泥縄式にスケッチを重ねているのだ(苦笑)
まだ時間はかかりそうだが、なんとか完成まで持っていきたい。