2018年12月14日

怪人コトリ #全国妖怪造形コンテスト 前編

 10月末に応募した第五回全国妖怪造形コンテスト、結果は残念ながら入賞ならずで、最終選考までは残してもらえました。
 三年前に妖怪楽器山姫の歌声で応募した時と同じ。
 なかなかハードルは高いですね(苦笑)

 レベルの高いコンテストに参加できて、並み居るモデラーの皆さんの作品にもまれながら最終選考まで進めたのは満足です。
 プラス志向で考えると、作品は手元に残り、紹介も自由にできます。
 何より、この手に経験と技術が残りました。
 これからぼちぼち、制作過程を振り返ってみます。

 毎年、三種ほど妖怪をお題に募集される「全国妖怪造形コンテスト」。
 今年はファイナルということで、柳田邦男「妖怪談義」に出てくる全てがOKで、まあ要するに自由テーマに近い感じでした。
 私は「談義」の中から、子供をさらう「隠し神」をえらびました。
 この妖怪、私が子供の頃は「コトリ」と呼ばれていて、「子盗り」要するに人さらいのことです。
 大人がよく「そんなんしとったらコトリがくるぞ!」と脅していて、子供の頃は響きから「鳥の妖怪?」と勘違いしていました(笑)
 まずは「妖怪談義」から気になるフレーズを書き出し、イメージをかきたてます。

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 スケッチを描きます。
 自分が子供の頃の妄想を大切に。
 一応立体を意識しながらもあまり固く考えず、勢い優先で。
 鳥の正体を黒マントと帽子で隠し、捕まえた子供を詰める袋を担ぐ怪人コトリ。
 とにかく手で考えながら枚数描きます。

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 ここから先の「モンスター造型」は、けっこう未知の領域です。
 子供の頃からのプラモ、学生時代の彫塑、立体造型の経験は有りますが、そのものズバリのフィギュア制作はほぼ素人。
 今も粘土造型を続けている弟の意見も参考に、大きさや素材を考えます。

 あまり大きいと、重量や強度、材料費がたいへん。
 あまり小さいと、細部の工作が困難。

 ということで、ガンプラで言うとだいたい1/100サイズ、20p前後で作ることにしました。
 材料は、芯材にアルミ線、固定に軽量紙粘土、肉付けに石粉粘土、細部の仕上げにエポキシパテと想定します。

 色々手探りで制作を進め、結果的には以下の素材をメインで使いました。

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●石粉粘土
「Mr.クレイ」(安価で軽量、乾燥後の盛り削りも可)
●エポキシパテ
「タミヤ エポキシ造形パテ 速硬化タイプ」
「Wave ミリプットエポキシパテ」
「Wave エポキシパテ 軽量・グレータイプ」

 あらためて実物大でスケッチ。
 お手本がない完全オリジナルなので「図面」ではありません。
 アルミ線で芯を組むためのざっくりしたもの。
 細部は作りながら考えることとします。

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 アルミ線を3本組み合わせ、ねじって嘴から尻尾までの体幹と、両手足の芯に。
 次に、スケッチを参考にポーズを決め、タミヤエポキシで強度の必要な両足と尻尾の先端部分を付けます。この時点では三点接地でした。
 軽量紙粘土でポーズ固定し乾燥。
 両手はアドリブ対応できるようにアルミ線のまま。

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 石粉粘土で肉付け第一段階。
 石粉粘土は乾燥後の盛り削りが容易なので、試行錯誤しながらの造形に向いています。
 大体の姿勢が決まったら、難易度の高い頭部から作り、そこから辻褄を合わせていくことにして、エポキシパテでまずは嘴と眼球を付けてみます。
 粘土へのパテの食いつきは良好。

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 すみません、ちょっと写真飛びます。
 顔面、帽子、襟、コトリ袋の端を握った両手の順に、Waveエポキシパテ 軽量・グレータイプで造形。
 軽量で硬化後もサクサク削れて使いやすいですが、パテ同士の食いつきは今一つ。
 削りやすさと引き換えに粘り、強度もやや低めです。

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 ボディの大まかな造形を石粉粘土でやる時、面出しなどで活躍したのが写真の小刀。
 これは大工だった私の祖父が自作したもので、刃先がゆるくカーブしているので、凹曲面も多少出せます。

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 強度を付けるため両腕は本体から離れておらず、レリーフ状になっています。
 当初は両足と尾の三点で立たせるつもりでしたが、ここまで進めたあたりで二足自立出来そうな感じがしてきました。
 二足自立出来るなら、その方がポーズ、バランスにリアリティが出ます。

(続く)
posted by 九郎 at 23:17| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする