2019年03月16日

鉛筆による「ライオン前肢乾燥標本」

 先月開催「動物のからだ展」明日で、素晴らしい資料と出会った。
 一目惚れしたのは「ライオン前肢乾燥標本」。

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 お寺に奉納されていたら「鬼の腕のミイラ」と呼称されそうな、夢枕獏「キマイラ」に出てくる幻獣の腕のミイラのような、禍々しくも風格ある標本だった。
 すっかり惚れ込み、時間を捻出して三度通い、スケッチを重ねた顛末は以前記事にまとめた。

 大阪「動物のからだ展」

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 限られた時間の中でのスケッチだったが、写真等とともに、材料はなんとか蓄積できたと思う。
 俺の「動物のからだ展」は、まだ終わってへん!

 ここから先に進めるには、直接見えない方向からのスケッチも必要。
 会場でのスケッチが困難な角度は、写真から描き起こすしかない。

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 ライオン前肢乾燥標本、手のひら側写真から一枚スケッチ。

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 手に染み込ませたスケッチ記憶が薄れない内に、次へ。

 会場で描いたB3スケッチは、骨格や全体的な動きに注目。
 次に会場で描いたA3スケッチでは、筋組織や腱のつながり方の確認。
 今回再チャレンジするB3スケッチは、これまで理解したことを盛り込み、できる限り紙の上で標本を再現することを目指す。

 まずA3からB3へ拡大コピーし、ものすごくクラシックな方法で、画用紙に転写。
 コピー裏面を濃い目の鉛筆でざっと塗り、転写したい画用紙に固定して表面からなぞる。
 原始的だが、以下のメリットがある。

・コピーできない用紙に写せる
・転写後消しゴムが使える
・なぞることで頭が整理され、描き慣れる。

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 トレスできた後もじわじわ進める。
 これまでのスケッチの蓄積で、同じ写真を見てもわかることがかなり多くなっている。

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 ギターで言えば弦をセットした感じ。
 ここからテンションをかけていく。

 美術解剖学に関心を持ったり、「動物のからだ展」に足を運ぶきっかけになった小田隆先生のご活躍をTwitterで追いながらの制作。
 凄いかたが着実に描いておられるのを見ると、私でも煽られるのだ(笑)
 Twitterやってて良かった!

 意外と雨の多いこの時期、鉛筆画には紙の湿気もわりに影響する。
 直接スケッチにさわれない日や、湿気の多い日はストーブ焚いて乾燥待ちの間、しばらくライオンの骨格や筋肉の確認。
 泥縄式だがこういう「見えない努力」も有効。

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 春の嵐が続く中、雨にも負けず、チャンスをうかがっては鉛筆スケッチを進める。

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 一通り手がついた。
 この後、タッチを強めに出しながら、あちこち「ひっぱる力」や「色気」を加えていく。

 鉛筆画の場合、前半は紙の柔らかさがあった方が進めやすいのでスケッチブックのまま。
 後半詳しく描き込んだり、思い切って塗りつぶして暗さを出したい時は下敷きを使うのが私の作法。

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 鉛筆にも「流派」みたいなのがあって、柔らか目の鉛筆を多用して木炭のようにこすってハーフトーンを出すやり方や、硬めの鉛筆中心でタッチで見せるやり方等、色々だ。
 私が学んだのはどちらかと言うとタッチ派。
 その方がスキャンやコピーで再現されやすいということもある。

 細部にとらわれすぎると全体を見失うので、距離をとったり一呼吸置いたり。
 初期スケッチの直感的理解が参考になることも。
 あと、アナログ絵では「筆置き」のタイミングも重要。
 私は描きすぎてしまう傾向あり。
 デジタルならctrl+zできるのですがw

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 うむ!
 一旦筆置き!
 とても良いスケッチ体験だった!

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 そして実は、この後続けてやりたいこともあるのです(笑)
posted by 九郎 at 12:52| Comment(0) | 妄想絵画論 | 更新情報をチェックする