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2019年12月08日

2019 秋のスケッチ その4

 秋が終わった!
 前回記事から更に三枚描けたのでご紹介。

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 今年は秋の訪れが遅く、急ぎ足で過ぎ去っていった感じ。
 私の行動範囲では、十一月終盤にようやく紅葉の本番でした。

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 鉛筆+淡彩だと、あれこれ欲張らずに止めておくのが良さそう。
 後は一筆一筆の精度。
 これはよく観てよく考えながら、枚数描くしかない。

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 遠景の紅葉も、距離によって描き分けが必要。
 今なら水墨画鑑賞で分かることが、少しは出てきたかもしれません。
 アンテナはってみましょう。

 
 今年も充実したスケッチができました!
posted by 九郎 at 11:39| Comment(0) | 季節の便り | 更新情報をチェックする

2019年12月15日

高室弓生「縄文物語」

 Twitterをやっていると様々なつながりができて楽しいのだが、思わぬところで「作者さん」とつながってドキリとすることも(笑)
 先月ご紹介いただいた縄文テーマのマンガが素晴らしく面白かったので、ブログ記事にまとめてみる。
 私がけっこう縄文好きで、土器づくりにハマっていたこともあることは、カテゴリ縄文を見ていただければわかるはずである。

 
●「縄文物語 わのきなとあぐね」高室弓生

 精緻に考証された上で構築された仮想の縄文世界の、淡々とした日常。
 その時代のなんの変哲もない風景が、ものの考え方が全く異なる(しかし通じてもいる)現代人にとってみれば、刺激的なファンタジーに映る感覚が素晴らしい。

 歴史モノを含め、舞台が現代ではない「異世界」の場合、作劇は大きく分けて二つ。
「異なる世界でも変わらぬ人間の有り様を描く」
 または、
「異なる世界の人間の感じ方や行動の、異なりぶりを詳述」
 これらは表裏一体でもあるのだが、どちらに力点を置くかで語り口は全く変わる。
 本書「縄文物語」は後者であろうか。
 一般に読みやすいのは前者で、マンガでは「異世界に仮託した青春物語」が多く制作されている。
 私の好きな「センゴク」シリーズは、連載開始当初は完全に「青春物語」を志向していたが、その後じわじわ「戦国時代の現代との異なりぶりを詳述する」方向へシフトしていった。

 私はもうスレたおっさんで、かなりの分量の「物語」を読んできた。
 その結果「異世界に仮託した青春物語」は飽食してしまっている気味がある。
 なので「異世界」自体を丁寧に描いた作品の方に惹かれる傾向があり、からこそ「縄文物語」にハマるのだ。


 メインの「縄文物語」の他にも、「JYOUMONICA」「巌の森」「NINSOKU」を収録、多層的に縄文ワールドが楽しめる。

●「JYOUMONICA 縄文的生活ノススメ」
 野草や採集食、火のおこし方、縄文土器作り等を紹介。
 こういうのを読むと、以前やっていた土器作りが再燃しそうになる(笑)

●「NINSOKU」
 あとがきエッセイ的短編。
 作者の高校生の頃の遺跡発掘体験談。
 
 私が学生時代を過ごしたのも遺跡が多い地域で、バブル期には開発の前段階の発掘が多く行われていたそうだ。
 私自身はその少し後の学生だったので、発掘のピークは過ぎていたが、先輩方に「武勇伝」をよく聞かされた。
 都市部のバブル開発に伴う遺跡発掘はかなり乱暴な突貫工事が横行していたらしく、通常はヘラで慎重に削る所を、クワやツルハシで掘り返させられたとか。
 打ち込んだツルハシの先に銅器が刺さって出てきたとか。
 私の頃はバブル直後で、そこまでの蛮行はなかったはずだが、ちゃんとした遺跡発掘バイト、やってみたかった気がする。


 今年お勧めの一冊です!
posted by 九郎 at 11:14| Comment(0) | 縄文 | 更新情報をチェックする

2019年12月21日

ネットプラモコンペ「酒餅009」

 今年九月末、ネットで写真応募、審査のプラモコンペ「酒餅009」にエントリーしていました。
 80年代旧キット中心のコンペで、昨年Twitterをはじめてからその存在を知りました。
 前回の応募者の皆さんの凄腕ぶりに驚愕しつつ、昔一緒にプラモを作っていた古い友人たちに時を経て再会したような、なんとも言えない嬉しさを感じました。
 今年の募集開始の際、レベルの高さに不安を感じながらも、「ぜひあの遊び場に入ってみたい!」と言う思いからエントリーを決意。
 
 私のお題は旧キット タカラ 1/100 ガリアン。
 84年放映のアニメ「機甲界ガリアン」の主役機です。
 当時、最盛期にあったリアルロボットアニメ作品については、以下の年表を参照。

 極私的80年代リアルロボットアニメ年表

 アニメの放映と同時進行で発売されていたプラモデルもブームの最中にあり、発売点数が多すぎて「興味はあれども作れない」プラモがたくさんあった時代です。
 今回のお題のガリアンもそんな「やり残し」プラモの一つ。
 バンダイのガンプラの場合は待っていれば再販も望めますが、「バンダイ以外ガンダム以外」のプラモは基本的に当時品を中古で探す他ありません。
 中でもプレ値が高くつきがちなのがガリアンのシリーズ。
 数年前に「箱潰れ」で安く入手したものの、なかなか手を出せずにいました。
 丁寧に作る良い機会だと思い、エントリーにあたって蔵出し。
 ひと夏かけて作り上げました。

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 エントリーページはこちら

 そして先週、待ちに待った結果発表があり、嬉しいことに「エイトフォールド賞」をいただきました!
 賞状と商品も着!

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 幼児の頃から作ってきたプラモで褒めてもらったのは人生初(笑)
 Twitterで凄腕の皆さんの制作過程を観ながらのプラモ作りも含め、とても良い経験になりました。
posted by 九郎 at 09:58| Comment(0) | サブカルチャー | 更新情報をチェックする

2019年12月22日

川口真由美「〜沖縄・平和を歌うV このクニに生きて」

 川口真由美の新アルバム届いた!


 川口真由美「〜沖縄・平和を歌うV このクニに生きて」


 この一週間、泡盛を一杯やりながら、携帯端末で聴き込みながら過ごした。
 ファースト、セカンドももちろん素晴らしかったが、さらにスケールでかくなってる!

 川口真由美の歌を最初に聴いたのは反原発デモでのこと。
 国がための民にあらず、民のための国であれ

 一発で惚れ、後にファーストアルバムを入手。


 反骨のカーリー 川口真由美さんのこと

 もちろん2枚目も!


 反骨のカーリー、再び(川口真由美 2ndアルバムのこと)

 一週間聴き込んだ感想。

 聴きやすい!
 なんだかんだ言って私はファーストが好きなのだが、ちょっと強烈なので、これから川口真由美を聴こうという人には今回の三枚目はお勧めかもしれない。
 しかし聴きやすいと言っても、決して薄まっているわけではない。
 直球勝負のピッチャーが、球威そのままに配球と緩急をマスターした感じ。
 最強やん!


 川口真由美のCDは、もちろん普通に楽しむ音源として素晴らしいが、路上やデモや座り込みの現場で歌える「叩き上げの歌」のお手本として聴くことも。
 今回のサードで言えば「この胸の奥深く-We Shall Overcome」「私はここに立つ」「沖縄よどこへゆく」を歌ってみたいと思った。


 強烈なメッセージソングでありながら、日常の労働にも意外に合う。
 実家の草刈りをしながら聴くと、気持ちよく捗った(笑)

「草刈りに合う!」

 とか書くと、褒めてるのかどうか微妙な感じになってしまうが、もちろん最大限に讃えているのである。
 私の考えでは、日々の暮らしを整える延長線上には、腐った国の在り方を糾すデモやレジスタンスも含まれる。
 デモで叩き上げの歌は、逆に日々の労働にも、もちろん合うのだ。


 アルバムタイトル曲「このクニに生きて」を聴き込む。
 ブックレットによると「初めて語りを入れました」とのことだが、「あれ? そうやった? 今までなかった?」と意外に思う。
 私はデモの現場からハマったので、川口真由美と言えば当たり前のように「歌い、語る人」なのだ。
 CD音源の語りも、もちろん良い!

 アルバムラスト曲「歌が救う」を聴き込む。
 たぶん、この曲を聴いて、歌い手の潜って来た地獄が見える人に向けた歌。

「歌え!歌ってやれ!歌え!歌え!」

 印象的なこのフレーズは、聴き手によって様々に聴こえるだろう。
 貴方なら?
 俺なら?
 究極は「生きろ!生きてやれ!」ではないだろうか。


 近年はよく「歌に政治を持ち込むな」だの「芸術に政治を持ち込むな」だのという、私に言わせれば「寝言」が幅を利かせているが、そのような斜に構えたしょーもない態度は、せいぜい中学生で卒業してほしいものだ。
 歴史を紐解けば「反骨」こそ「芸」であって、放浪芸の担い手は民衆のために語り、叫び、唄うものだった。

 演歌師

 俺は描く!
 そんな素晴らしい元気をもらえるアルバムだった!
posted by 九郎 at 00:00| Comment(0) | | 更新情報をチェックする