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2021年12月26日

五十肩奮闘記

 今年の春先、2月末の事だった。
 ふと、右手が肩の高さ以上には上がらなくなっていることに気付いた。
 それ以上に上げようとすると肩が痛み、力が入らなくなる。
 どうやら年齢的に、絵に描いたような「五十肩」デビューをしてしまったようだ。
 右手を肩より上げなければなんということも無いのだが、日常生活や仕事ではそうも言っていられない。
 物の上げ下ろしや掲示物、板書など、利き手を上げなければ用を足せないシーンは数限りない。
 あと地味に困ったのが、トイレでお尻を拭くときに肩が痛くなること(苦笑)
 なんとかしなければと対策を練り始めた。

 こうした場合、一般的に推奨されるのは「軽い運動」である。
 小中高で剣道をやっていた以外は大した運動経験のない私が、こうした場合に最初に思いつく「肩の運動」と言えば、「素振り」になる。  
 久々にやってみるかと思ったのだが、あいにく竹刀木刀はどうやら実家にあるようだ。
 しかたがないので、入浴時にラジオ体操的な肩の旋回運動をはじめてみた。
 ラジオ体操の動きは基本的に、肩、腰、股関節等の柔軟性をつけるもので、ちゃんとやるとそれなりの運動量になる。
 一週間ほど続けてみるとわりに「効いている」感じはしたが、あちこちかなり固まっており、まだほぐれるまで時間がかかりそうに思った。

 そして毎日少しずつやっているうちに、だんだん肩が上がる&回るようになってはきたのだが、始めてから二か月経った4月末、はずみで右肩を痛めてしまった。
 物の上げ下ろしをしている時、普段動かない方向にひねって、ぎっくり腰みたいになりかけたのだ。
 瞬間的に脱力して最悪の事態は回避できたのは、過去の数度にわたる「ぎっくり経験」の賜物だろう。
 あやうくGWに何も描けずに棒に振るところだった。

 それでも軽く痛めてしまったことには違いなく、不自由は増した。
 風呂屋に行って養生したいところだが、あいにくコロナ禍真っ最中。
 感染が怖くて二の足を踏んだ。
 せめて家での入浴に時間をかけようと、風呂に携帯端末を持ち込み、電子書籍の読書の時間にあてて小一時間ほど浸かることにした。

 肩や腰が「痛い」という場合、二種類あるのではないだろうか。
 一つは「冷えて固まっている痛さ」で、もう一つは「損傷している痛さ」。
 前者は動かした方が良く、後者は絶対安静。
 温めるのは両者共通である。
 今振り返ると、私の場合は肩筋肉の損傷を、さらに無理押しする形で運動を重ねていたために、微妙に悪化させてしまっていたのではないかと思う。

 その後も五十肩の養生法をあれこれ模索するうち、7月末ごろについに「決め手」に出会ってしまった。
 前から気になってはいた「肩甲骨はがし」的なストレッチである。
 この「肩甲骨はがし」についての詳しいところは、色んな動画が上がっているので渉猟してもらいたい。
 ごく簡単に言うと、肩の可動は三角筋と僧帽筋が関係していて、私の場合は肩甲骨周りの僧帽筋がカチカチに固まっていたために三角筋だけに負担がかかり、損傷していたようなのだ。

 もう少し具体的に紹介してみよう。
 ラジオ体操等では肩甲骨の「左右の開閉」はできても、「前後にはがす」までは届きにくいので、以下の運動を試してみるとよい。
 プッシュアップ(腕立て伏せ)の姿勢で「肩の位置はそのまま胸だけ落とす」ことを心がけると、肩甲骨を「はがす」方向に力がかかる。
 かたまってると実際に「はがす」には至らないけれども、ストレッチの痛気持ち良さを強烈に感じるはずだ。
 僧帽筋は「お相撲さんの首の両サイドの盛り上がっている所」と書くとわかりやすいかもしれない。
 あの辺の個所につながる筋肉が、肩甲骨をはがす方向に力が加わると「メリメリ、バリバリ」とストレッチされ、少しずつ試すと「痛いけれども心地よい」感覚が生まれる。
 それを角度を色々探りながら毎日徐々にやる。
 僧帽筋をゆるめ、肩甲骨の可動を戻すことで、痛めた三角筋を休ませる理屈である。
 肩甲骨の可動は使わなければ使わないで日常生活を過ごせてしまうので、デスクワークなどをやっているとかたまってしまいがちなのだ。

 普段からトレーニングやってる人には常識かもしれないが、プッシュアップは肩甲骨周りの柔軟性に一番効くのではないかと思う。
 腕を鍛える必要なくて肩甲骨周りの柔軟に特化するなら、机や壁に手をついてやるのも良い。
 一週間ほどで、かなり肩回りが軽くなってくるはずだ。

 入浴時の運動を「肩甲骨はがし」にあてると、それだけで時間がかかるので、読書をする必要がなくなり、これもプラスに作用した。
 目と首と肩の疲労は連動しているので、「目の酷使の上塗り」になる入浴時の読書をやめることで、余計な疲労が回避された。
 つまり、肩そのものの軽運動と言い、風呂での読書と言い、当初の私は五十肩を悪化させるようなことばかりやっていたのだ(笑)
 
 そして11月頃になると、五十肩の痛みによる不自由はほぼ解消。
 まだまだ肩甲骨周りはかたいのだが、ストレッチが楽しくなって色々試し続けて今に至る。

 今後、また何か分かったことがあればレポートしたい。
posted by 九郎 at 17:38| Comment(0) | 身体との対話 | 更新情報をチェックする