第一話『最初の修行』
幼児編の第一話に続き、すぐに小学生編の第二話を描くつもりだったが、思いのほか筆が進まなかった。
というのは、小学生の頃にメガネをからかわれた傷がまだ少し残っていて、怨念を昇華して描くのが難しく、休止していたのだ。
夏前にある歌の動画を視聴したことがきっかけで、再び筆をとる気になった。
ちゃんみな 美人/THE FIRST TAKE
上掲の私が書いた紹介記事より、今回のマンガに関する部分を引用しておこう。
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歌は過去の心無い他者との戦いから、徐々に現在の自分との対峙になだれ込んでいく。
プロとしてまとったキャラクターを一枚ずつ引き剥がした末に、太く力強い声の持ち主が現れて「あの彼女を助けなさい」と自分に命ずる。
力を手にして本当にやるべきことは、かつての敵を殲滅することではなく、過去に傷ついた自分を救うこと、そして今現在似た境遇にある弱者を救うことなのだ。
誰しも心に「譲れぬ一線」はあるものだ。
私の場合は元弱視児童にして、中高で虐待指導を受け、カルトに問題意識を持った絵描きである。
いじめや差別、虐待、それに優生思想につながる動きには、自分の心の中に連鎖して巣食うそうした傾きも含め、生涯叛旗を掲げる。
今回この動画を視聴して、
「あなたはあの子らを助けなさい」
そんな風にちゃんみなに命じられたと受け止めたのである。
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そこからさらに時間がかかったが、小学生の頃の自分を助けるマンガをようやく描くことができたのでこちらでも掲載する。
以下、弱視児童だった頃のマンガ、第二話『抜け忍仮面』全12ページ。
(画像はクリックすると拡大します)












この作品は当時の「傷」に焦点を当てたものだが、もちろんつらいばかりではなく、普段は楽しい子供時代だった。
マンガ『でかいヤマトとぼく』