長男が高校に入って「歴史総合」という科目を知ったのだが、世界各国が交錯し始める近代化の過程を横に繋ぐ内容で、けっこう良いと思った。
私が小中高の頃、「歴史」と言えば小中ではほぼ「日本史」しか習わず、それも江戸時代までが精々で、近現代は少し触れる程度でしかなかった。
高校に入ってからようやく「世界史」を習ったが、各地域の古代から近世くらいまでをバラバラになぞる感じで、ちょっとピンと来なかった。
最近の高校の社会科では、まず「歴史総合」で現代につながる各国の近代化を概観し、それを下敷きに地理や歴史、公民的な内容を更に掘り下げていく流れになっているらしい。
大変わかりやすく合理的で、社会科だけでなく現代文の文明批評や、もちろん芸術科、そして理科に対する理解も深まるだろう。
とても良い構成で、「今の高校生はうらやましい!」と思った。
個人的にここ数年、あらためて美術史を学び直していたタイミングの中、子どもの「歴史総合」の教材をチラ見して、俄然世界史にも興味が広がってきた。
学生時代以降、自分の興味のテーマを一点集中で掘り下げるスタイルが基本になっていたが、「浅く広く」の楽しさもわかってきた。
良い機会なので視野を広げてみたいと思い、まずは「何から読んだら良いか」から物色し始めてみた。

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●『世界史読書案内』津野田興一(岩波ジュニア新書)
岩波ジュニア新書は入門書の宝庫です。
とりあえず『世界史読書案内』からお勧め。
読みやすい歴史関連書レビューと世界史概観の両立。

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●『ぱん歴 創刊準備0号』栗林佐知 鱶御前 くりりん・もんろー(けいこう舎)
「いっぱん人の いっぱん人による いっぱん人のための歴史お勉強本レビュー誌」 略して「ぱん歴」創刊準備0号。
前掲『世界史読書案内 』津野田興一(岩波ジュニア新書)で紹介されている本を、実際に全部読んでみた方々が、さらにレビューを書いた一冊。
元になった本とは別角度から紹介されているので、こちらで興味をひかれた本も多数あり。
共感したので私も独自に読書、お勉強を続けます。

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●『現代評論キーワード講義』小池陽慈(三省堂)
分類としては学習参考書になるのだろうか?
アニミズムから始まり、世界史と思想の流れをなぞりつつ頻出キーワードを解説し、それぞれの参考図書も紹介されている。
学生時代にこの本を読みたかった……
特に素晴らしいのは、近代の人権に対する考え方をゆるぎなく抑えてある点だ。
半端な知識のコレクションで優生思想やファシズムに陥ってしまわないよう細心の注意が払われているらしく、著者の確かな教養と良心が感じられる。
この三冊を主なブックガイドに、このカテゴリ「教養文庫」では、幅広く歴史や思想等を概観できる本をレビューしていきたい。
中高生から一般にかけて、なるべく手軽に入手し、無理なく楽しめる本を中心に紹介していく。
ぼちぼちお付き合いを。