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2025年04月23日

中央ユーラシアから見る世界史

 この半年ほど世界史関連の読書を進めてきた。
 その中であらためて思ったのは、世界史は範囲が極めて広いので、何もかも一回で詰め込み、理解しようとしても、土台無理だということだ。
 私のような素人が無理なく学ぶには、ワンテーマであるとか、「上手い切り口」からみた世界史の良書を楽しみつつ、何度も周回しながら認識を深めていくのが良さそうだ。
 そんな方向性で書店の棚を渉猟するうちに、私にとってはとてもタイムリーなNHKテキストを見かけた。

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●『3カ月でマスターする世界史』4,5,6月号
 たまたま「世界史」というタイトルが目に入ったのでちょっとめくってみると、「中央ユーラシアから見た世界史」という視点の番組のようで、「なるほどその手があったか!」と膝を打った。
 世界史は通常「西洋史」中心に組み立てられる。
 遺跡や記録上に残っている最古の文明は古代オリエントで、その歴史を引き継ぎ、いち早く近代化して世界の動向を牽引したのがヨーロッパなので、それはそれで妥当な見方ではある。
 しかしユーラシアの西端にあたるヨーロッパを中心に据えてしまうと、地理的には中東もインドも東アジアも遠くなりすぎ、相互に影響し合っているにもかかわらず解説があちこち飛んでしまいがちだ。
 各地域別に並行して学ぶ通常の世界史テキストでは空白域になりがちなのが、ユーラシア中央の遊牧文化圏。
 しかしそこから周囲を見渡す視点に立つと、ヨーロッパも中東もインドも中国も「お隣」になり、各地域の解説が一続きになりやすいのだ。
 とくに中国歴代王朝の中では異質な元の性格は、中央ユーラシア遊牧文化から見た場合、かなり理解しやすくなりそうだ。

 今回のテキストは4、5、6月号の三冊連続で、4月号はそろそろ店頭から消えかけている。
 図が豊富なテキストを読むだけでも、かなり面白く、読みやすい。
 興味のある人は書店にダッシュ!

posted by 九郎 at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 教養文庫 | 更新情報をチェックする