今年もハロウィンの季節になった。昨年この行事の記事の中で、私は以下のように書いた。
子供たちが妖怪や魔女に扮して「トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!)」と家々を巡る風景や、かぼちゃを繰り抜いた飾りは、異国由来だけれどもどこか懐かしい感じもする。
日本のお盆や地蔵盆その他のお祭と、構成要素に似たところがあるので、受け入れやすい土壌はあると思う。
ハロウィンはヨーロッパ由来の秋祭りで、10月31日に行われる。
死者の霊などの様々な精霊たちが徘徊する日で、カボチャをオバケの顔のように繰り抜いたランタンに灯を点け、魔除けにする。
昨年も書いたように日本の風習とよく似た構成要素が多い。
死者の霊が返って来る点や、野菜を使った飾り物を作る点ではお盆に似ているし、仮面を被った疫病神役を接待してやり過ごす点ではナマハゲに似ている。家々を巡る子供達をもてなす点では地蔵盆にも似ている。
魔除けの飾り物が魔物と同じ姿になる所は、鬼瓦などとも似ている。
不気味さ、異形、非日常の存在を、はじめから排除してしまわずに、一旦生活の場に招きいれる。日常生活にちゃんと戻れる一線は守りながらお祭の一時を過ごし、祭が終わればきちんと「異人さん」にはお帰りいただく。日本の祭と同じ構造だ。
既に大黒様によく似たサンタクロースは、日本でも欠かせない風物になっているが、これだけ日本のお祭と共通するハロウィンがじわじわ浸透しつつあることは、むしろ自然なことのようにも思えてくる。
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