
やっぱり夜店は神社仏閣の縁日にかぎる。
プロのテキ屋さんが仕切ってる店が一番だ。暖簾や店の作り、啖呵の切り方が縁日の雰囲気を作るのに欠かせないし、タコヤキやタイヤキをはじめ、専門の調理器具で、ある程度修行を積まないと出来ない食べ物が楽しい。
絵具を塗ったみたいな毒々しい色の、甘ったるいだけの駄菓子もたまらない。子供の健康に気を使うお母さんが、眉をしかめながら「今日だけよ」と譲ってあげる所が素晴らしい。
ゲームや玩具や籤引きは、無意味な代物であるほどイイ。縁日のあの照明の中で、あんなに輝いて見えた賞品が、境内を一歩出たとたんに色褪せて、小遣い銭をつぎ込んだことを激しく後悔したのが懐かしい。「カラーひよこ」なんてものもあったっけ・・・
ちょっと怖い感じのお店のお兄ちゃんに、小銭を渡して会話するスリルが本当に楽しい。
最近の「市民まつり」などの夜店は、普通の公園や商店街で、素人さんがおでんやカレーなどの普段の食べ物を出してる場合がある。
それはそれで様々な事情があるのだろうけど、今後もテキ屋さんにはずっと残ってもらいたいし、毒のある猥雑な縁日の風景は、末永く残って欲しいものだ。