今昔物語ではその瞬間を、以下のように描写する。
(前略)夫人、樹の前に立ち給ひて、右の手を挙げて樹の枝を曳き取らむと為る時に、右の脇より太子生れ給ふ。大きに光を放ち給ふ。
其の時に、緒の天人・魔・梵・沙門・瑪羅門等、悉く樹の下に充ち満てり。(以下略)講談社学術文庫「今昔物語(一)」より引用
お釈迦様の出生の瞬間にあつまった多くのギャラリーの中に、「魔」が入っている。「魔」は魔王波旬、第六天魔王のこと。
お釈迦様の生涯の中の重要な節目である、降誕・成道・涅槃のそれぞれの場面に、この魔王は同席している。
少し気になったので、メモに残しておく。