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2009年07月24日

身体と「痛み」で対話する

 一週間前の金曜日、ぎっくり腰をやってしまった。
 生涯二度目。確か5〜6年前にも一回やった。
 とくに重労働をやったわけではない。朝起きて、朝食前に10kg弱のものをちょっとどけようとした時に、
     「ぴき」
 と、背中から腰にかけて何かが走った。
 前回も朝、トイレに行って便座に座ろうとした瞬間、「ぴき」となった。その経験があったので瞬間的に「あ、やった!」と分かった。
 幸い、仕事が一段落した直後だったので、周囲への迷惑は最小限に抑えられた。子供の頃、普段は元気なのに学校の終業式の直後に熱を出したりしていたことを思い出した。

 当日、寝転んだまま身動き一つ取れなかった。腰を動かさないまま腕の力だけで這って、トイレに行ったり入浴したりした。
 二日目、ものにつかまって立ち、ヨチヨチ歩きは可能になった。
 三日目、細心の注意を払いながら、スローペースの日常生活はこなせるようになった。
 四日目、痛みはかなり軽減されたが、腰を庇い続けたためにその周辺があちこち痛くなってきた。
 五日目、あちこち痛めながら、ようやく社会復帰。
 一週間経った現在、微妙に違和感は残るものの、ほぼ回復。

 二回やった経験から言うと、ぎっくり腰はちょっと防ぐのが難しい感じがする。重労働をやるときならそれなりに気をつけて無理な力が腰にかからないようにするが、聞いた話によると単なるクシャミがきっかけでやってしまったりもするらしい。
 それでも一応自分なりに分析しておくと、以下の要因が考えられる。

・朝起き抜けで身体が固まっていた。
・おそらく就寝中に腰を冷やしていた。
・背中を丸めて腰が伸びきった状態でなった。

 こういう条件が重なると、何気ない日常の動作でも簡単に腰の限界を超えてしまうことがあるらしい。注意なされよ皆様方。
 治すにはとにかく患部を動かさないことと、温めることだと思う。
 
 前回やった時に、思うところあって色々と身体に関する本を読んだ。毎年行っていた熊野遍路等で、あちこち身体にガタが来ているのを感じていたこともある。
 その中で特に心ひかれたのが、古武術研究の甲野善紀さんの著書だった。手に入るだけの本をかき集めて読みふけり、自分なりに可能な身体操作を試みた。
 腰をなるべく捻らない日常動作を心がけると、感じていた痛みや違和感が多少やわらいだ気がした。
 山野を駆ける遍路の時にも、歩き方を工夫することによって、もう過ぎてしまった体力の絶頂期よりも、楽に速く移動できるようになった。

 最近ちょっと、身体に対する意識が雑になっていたかもしれない。
 昔読んだ本をもう一度引っ張り出して読み返してみよう。



●「古武術の発見」養老孟司/甲野善紀 (知恵の森文庫)
posted by 九郎 at 21:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 身体との対話 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> 管理人様

昨年、映画の所作指導に臨んだとき、やはり歌舞伎役者の方の身体の使い方は、参考になりました。我々も、色々と身体(腰)の使い方は変えますけれども、彼らは徹底しています。この辺は、まさに再び自らの身体活動を作り上げていく必要があります。
Posted by tenjin95 at 2009年07月25日 03:36
>tenjin95さん、コメントありがとうございます。

伝統的な所作の中には、日本人の身体に合ったものがまだまだ残されていそうですね。学校教育では体育も美術も音楽も、西欧の内容を学ぶのが基本になっていますので、昔の人が当たり前にみにつけていたことが、今はかえって見えなくなっているような気がします。
今後、歌舞伎の映像等を見るときは、腰の使い方に注意を払ってみたいと思います。
Posted by 九郎 at 2009年07月26日 08:28
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