2006年01月29日

公園の片隅

 那覇都心部の表通りから少し入ると、人通りは急に少なくなる。
 所々に公園があって、本土とは違う南国風の大木が何本も生えている。公園の単なる植樹にしては、思わずゾクッとするほど凄みのある樹木がそこここに生えている。本土なら神社の神木クラスのオーラをもった樹木が、ここでは普通に並んでいる。
 少し黄味がかった白色の低い石垣が、植物や水場を包み込んでいる。樹木に近付くために石垣の中に入ってみると、足元にさりげなく小さな看板が立てられている。

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 何らかのモニュメントも祠の類も何も無い、単に樹木が生えているだけの空間。その石垣で囲まれたささやかな区画の看板から、色々とニュアンスが読み取れる。
 まず、これは「拝み」を禁止する看板ではないこと。
 それなりの頻度で「拝み」が行われているらしいこと。
 連絡先は公的機関になっていること。
 私は、ようやくそこが沖縄の人々の祈りの場「御嶽(うたき)」の一つではないかと気付く。もしかしたら元々御嶽だった場所が、近年になって公園整備されただけなのかもしれない。周りの樹木を「神木クラス」と感じたのも当然のこと、実際神木だったのだろう。
 御嶽は元々、周囲の自然以外は「なんにもない祈りの場」だったのだけれど、時代が下った現代では、祠や香炉を備えた所も多い。公園整備でそうした具体的な宗教色は出しにくかったのだろうか、かえって「なんにもない」元の形に戻っている。

 深山幽谷の中の特別な場所ではなく、都市部のどこにでもある普通の公園で、このような風景に出会う。沖縄では当たり前のことなのかもしれないが、ガイジンである私には、たまらなく不思議なことなのだ。
 看板から視線を上げると、その凄みのある樹木「ガジュマル」が、奇怪な姿で生い茂っている…

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posted by 九郎 at 14:01| 沖縄 | 更新情報をチェックする