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2006年01月30日

シーサー

 だいたい2000年前後くらいからだろうか、本土でも沖縄カルチャーの知名度は飛躍的に高まった。私が「沖縄に詳しい人」に親しく接し始めた90年代中頃では、人と話していても「ゴーヤーチャンプルー? それ何語?」という感じだった。最近ではスーパーでも普通にゴーヤーや泡盛が並んでいるし、沖縄の愛すべきキャラクター、シーサーもすっかりメジャーになった。

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 シーサーは本土の狛犬に似ているが、狛犬と違って必ずしも阿吽一対ではなく、単独のものも多い。魔除け、特に火災除けに霊験があるらしく、だから家の屋根の上によく生息している。材質は石、焼物、漆喰など様々で、樹脂製のお土産品も含めて、現代でも新たなデザインに進化を続けている。国際通りに行けば、さほど高くない価格でカッコいいのが手に入る。
 私が気に入っているのは瓦屋根の上に乗っている漆喰製のものと、石像だ。特に石像は、比較的古くて素朴な形、愛嬌たっぷりのブツが、村々に残っている。
 ↓例えばこんなの。

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 前に沖縄に行ったとき、斜面にある墓地の近くを歩いていると、道端に大き目のスイカぐらいの岩が嵌りこんだ様になっていて、つまづきそうになった。危ないなと思いながら岩を眺めて見ると、目鼻のようなくぼみがあり、どことなく顔みたいにも見える。「これ、もしかしてシーサーか?」と周囲を調べてみると、付近に同じような感じの岩が、二つ転がっていた。そのあたりに村の守り神のシーサーがあるということを、事前に知っていたので気がついたが、知らなければ絶対に見逃していただろう。
 少し離れて観察してみると、その可愛らしい守り神たちは斜面の墓地の一番上でデンと頑張っていて、南の方を凛々しくキッと睨みつけていた。

 数年後、懐かしくなってそこを訪れてみると、道端に綺麗に整備された囲いと由来を示す看板が設置してあって、あのシーサー達はその中にちょこんと収められていた。
 価値が再評価されたのはわかるけれども、なんかちょっと犬小屋に入れられているようで、気の毒な感じもした…

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posted by 九郎 at 22:56| 沖縄 | 更新情報をチェックする