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2009年10月11日

雑賀衆に関する映像作品

 雑賀衆に関する映像作品を探してみた。
 戦国時代の中ではマイナーな「雑賀衆」なので、映像作品を探すとなると、つまりは司馬遼太郎「尻啖え孫市」の実写版を探すことになる。
 私が見つけられたのは以下の二作品。「信長の映画に脇役として少し出ている」という程度なら他にもあるだろう。



●NHK大河ドラマ「国盗り物語」総集編
 司馬遼太郎の戦国小説作品「国盗り物語」「新史太閤記」「功名が辻」「尻啖え孫市」などなどをシャッフルして一遍の華やかな戦国絵巻に仕立て上げた1973年のNHK大河。
 私はリアルタイムでは見ておらず、総集編を二本組のビデオで見ただけなのだが、あまりの面白さにびっくりした。全編見てみたいのだがDVD・BOX等では発売されていないらしい。
 実質の主人公は若き日の高橋英樹演ずる織田信長だが、これまた若き日の林隆三演ずる雑賀孫市も、大活躍を見せてくれる。林隆三の孫市は「尻啖え孫市」の愛読者のほぼ全員が膝を打って「そう! これこれ! 小説に出てくる孫市はこんな感じ!」と喜んだのではないだろうか。
 限られた尺の総集編後編の中で、「尻啖え孫市」の名シーンである「信長の御前での鉄砲演武」や「藤吉郎とのしんがり共闘」「雑賀川の決戦」や「雑賀踊り」などが収録されており、特に「鉄砲演武」や「雑賀踊り」でふてぶてしく舞い踊る孫市はカッコ良過ぎる!
 総集編ですらこれだけ見せ場が多いことから考えると、ドラマ全編から「孫市」に関する部分だけを抽出して編集しなおしたら、立派な二時間映画版「尻啖え孫市」が出来上がるのではないだろうか?
 孫市率いる雑賀鉄砲隊が「雑賀鉢」を被っていないのはやや残念だが、朱塗りの提灯兜で統一された百戦錬磨の鉄砲衆の描写は、これはこれで中々存在感がある。
 小説「尻啖え孫市」愛読者は必見!



●「尻啖え孫市」
 こちらは中村錦之助が「孫市」を演ずる1969年大映作品。
 年代的に私はスクリーンはもちろん、ビデオやDVDですら観ておらず、実は一年ほど前にYouTubeで断片的に観ただけなので、本来はこのように記事で紹介できるほどの資格はない。
 そのような前提で敢えて紹介してみると「まあ、つまらない映画ではない」という程度になると思う。
 孫市の身につける「白い皮袴」がなんだかジーンズみたいに見えたり、勝新が織田信長を演じていたり、ちょっと微妙に思えるシーンがけっこうあったのだが、さすがに「信長御前の鉄砲演武」は見事だった。


 司馬版「孫市」は非常に魅力的な素材なので、実写版で二作品が楽しめることはなんとも嬉しいことだが、そろそろ「鈴木孫一」「本願寺寺内町」「鉄砲戦術」などの史実にこだわった映像作品の登場が待たれるところだ。
posted by 九郎 at 23:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 和歌浦 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
映画「尻くらえ孫一」は若い時に映画館で観ましたが、抜群に面白い時代活劇だったと記憶しています。監督は三隅研次、大好きな時代活劇の監督です。中村錦之助の合法快活な孫一を演じ、中村賀津雄が柔軟な知恵者秀吉を演じ、そのやり取りがたまらなく面白かったと思います。私が孫一が好きになったきっかけの作品です。原作は読んでいませんが。
Posted by 映画好き at 2014年05月06日 13:22
映画好きさん、コメントありがとうございます。

記事中でも書きました通り、私は中村錦之助版の「孫一」を、ちゃんとした形で観たわけではありません。
記事中では今一つな評価になってしまっていますが、スクリーンやそれに準ずる形で観た皆さんは、別の感想をお持ちになるかもしれませんね。

原作小説の方は、数ある司馬遼太郎の作品のなかでも、面白さで言えばトップクラスの作品だと思っています。
機会があればぜひ手に取ってみてください。
Posted by 九郎 at 2014年05月06日 20:47
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