2006年03月12日
地蔵菩薩の前世
仏教では輪廻転生、生まれ変わり死に変わりの考え方が基本。
仏典にはお釈迦様やその他様々の仏菩薩の前世譚が描かれており、おじぞうさまの前世もいくつか伝えられている。
はるかな昔、二人の王様が対話していた。
一人は「自分は仏になって衆生を救おう」と志し、もう一人は「自分は衆生を救わぬ内は仏にならない」と誓った。
前者の王様が後に仏になり、後者の王様が後に地蔵菩薩になった…
はるかな昔、亡き母が地獄に落ちたことを知った女が、このように誓った。
「地獄の全ての衆生が解脱するまでは、自分は成仏しない」
この女が後の地蔵菩薩になった…
どちらの前世譚にも、自分の成仏を一番後回しにして、衆生を救うと誓った菩薩の特徴がよくあらわれている。これがおじぞうさまの原風景。
【図像について】
地蔵菩薩は通常、頭を丸めた僧の姿「声聞形(しょうもんぎょう)」で描かれるが、密教のマンダラの中では菩薩形で描かれることもある。
菩薩形は、お釈迦様が王子であった頃の姿が基本になっており、アクセサリーで美しく身を飾っている。おじぞうさまの前世は、このような雰囲気であったのかもしれない。
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私は祖父と父が僧侶で、神仏の絵を描く活動をしている者です。絵を描くために色々資料にあたったり聖地巡りをした覚書として、このブログを続けています。
折り紙の記事もいくつかありますので、よろしければ参照してくださいね。